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なまぐさ坊主の聖地巡礼

プロフィール

ホンジュン

Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
 毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。

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法華経勧持品第13 愚かな者や、悪意と慢心の出家者の誹謗に耐える

ダウンロード (9)
涅槃像(インド・クシナガラ)

 そこで、それらの偉大な人である菩薩たちは、次の詩を一緒に唱和して世尊に申し上げた。

 「世尊よ、あなたは、滅後の弘教について心配しないでください。あなたが完全なる
 滅度に入られた後、極めて恐ろしい真の最後の時代に、私たちはこの最高の経典を説
 き明かしましょう。

 指導者よ、愚かな者たちの侮辱 ぶじょくや、罵詈 めり、棒を振り上げることによる威嚇 いかくを、私たち
 は耐え忍びましょう。

 
ブッダが滅度に入られた後の恐るべき時代において、男性出家者たちは、悪智慧を持
 ち、心が歪んでいて、悪意があり、愚かで、慢心を抱いていて、未だ到達していない
 のに、到達したと思い込んでいるでありましょう。

 しかし、愚かな男性出家者たちは、荒野(阿練若 あれんにゃ)で生活していて、襤褸 ぼろをつなぎ合
 わせた衣を着ていることで『われわれは(小欲 しょうよく知足 ちそくを実行しているのだ』と、
 このように言うでありましょう。

 美味なる味覚の対象を貪欲に求め、また執着していながら、在家の人(白衣 びゃくえ)たちに
 法を説いて、あたかも6種の神通力(六通 ろくつう)を具えている阿羅漢であるかのように振
 る舞って、恭敬されようとするでありましょう。
 
 また、悪辣 あくらつな心を持ち、邪悪で、家や財産のことしか頭になく、そこに住むことで男
 性出家者であるかのように思わせることのできる荒野という保身のための場所に住ん
 で、私たちを誹謗 ひぼうするでありましょう。

ダウンロード (1)
インド・ギルギット出土法華経写本

 それにもかかわらず。私たちに対して次のように言うでありましょう。『ああ、情け
 ないことに、これらの男性出家者たちは、仏教以外の外道 げどうを信ずるもので、利得を得
 ること、称賛されることに執着し、自分たちの詩的才能を誇示している。

 自分で諸々の経典を作って、利得を得ることと称讃されることを求めて、集会の真ん
 中でそれを説いている』と、私たちをそしるでありましょう。
 
 国王、あるいは王子、王の大臣、同様にバラモン、資産家、さらにはまた他の男性出
 家者たちに対しても
 
 私たちのことを、『仏教以外の外道の論議をなすものだ』と、誹謗して言うでありま
 しょう。それでも私たちは、偉大なる聖仙に対する尊敬の念によって、そのすべてを
 耐え忍びましょう。

 また、その〔恐るべき後の〕時代において、その愚かな男性出家者たちは、『こいつ
 らはブッダになるんだってよ』と皮肉を言って私たちを誹謗するでありましょう。
 〔けれども、私たちを誹謗するこれらの愚かな男性出家者たちもまたブッダになるの
 であり、〕私たちは、あらゆる点で耐え忍びましょう。

 恐ろしい激動の劫(濁劫 じょっこう)において、激しく大きな恐怖の中で、ヤクシャの姿をし
 た多くの男性出家者たちが私たちをののしるとしても、
 
 世間の王〔であるブッダ〕に対する尊敬の念によって、私たちは極めてなしがたいこ
 とに耐え、忍耐という腹帯(忍辱鎧 にんにくがい)を身に着けて、この世でこの経を説き示しま
 しょう。

 
指導者よ、私たちは身体も、生命も実に惜しむことはありません。ただ、覚りを求め
 ているのであり、この法の弘通に関するあなたの委嘱(付嘱)を受持するのです。

 恐るべき後の時代における邪悪な男性出家者(悪比丘 あくびく)たちが、深い意味を込めて語
 られた言葉について、どのように無知であるかは、世尊がご存じであります。

ダウンロード

 まゆをしかめられたり、集会においてしばしば座席の割当がなかったり、精舎 しょうじゃから追
 放されたり、何度も種々に捕縛されたり、悪口 あっくされたりすることを、私たちはすべて
 耐え忍ぶべきであります。

 恐るべき後の時代において世間の保護者の命令を思い出しつつ、私たちは、集会の真
 ん中でおそれることなくこの経を説きましょう。

 指導者よ、この世にこの法の弘通を願い求める人たちがあれば、私たちは、それらの
 町や村に反復して行って、この法の弘通に関するあなたの委嘱をその人にも与えるで
 ありましょう。

 世間の王よ、私たちはあなたの派遣の命令を実行いたしましょう。偉大なる賢者よ、
 実にあなたは、安らかな心に達していて、大いに満足して、滅後の弘教について心配
 しないでください。

 世間の人々の燈明であるそれらのブッダたちが、十方からすべてやって来ておられま
 す。私たちは、ここで真実の言葉を語りましょう。あなたは、私たちの信順の志を了
 解してください」

 以上が、聖なる「白蓮華のように最も勝れた正しい教え」という法門の中の「果敢なる努力の章」という名前の第12章である。          (勧持品第13おわり)

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【 2022/12/20 05:23 】

第12章 果敢なる努力(勧持品第13)  | コメント(0)  | トラックバック(0)  |

法華経勧持品第13 耶輸陀羅尼らへの成仏の予言と菩薩の獅子吼

IMG_NEW_0003_convert_20140831110213.jpg
ヤショダラ(手塚治虫『ブッダ』)

 その時、羅睺羅 らごら(ラーフラ)の母で、女性出家者の耶輸陀羅 やしゅだら(ヤショーダラー)の心に次の思いが生じた。

 
世尊は、予言において私の名前を言われなかった」

 すると、世尊は、女性出家者である耶輸陀羅の心の思いを心で知って、耶輸陀羅に次のようにおっしゃられた。

 「耶輸陀羅よ、私は、あなたに告げよう。あなたに通告しよう。あなたもまた、1万・コーティ・ナユタもの数え切れないほど多くのブッダたちのそばにおいて、称賛、尊重、尊敬、供養、恭敬、尊崇をなして後に、説法者としての菩薩となるであろう。

 そして、あなたは、世間において順次に菩薩としての修行を完成して、善国 ぜんこく(祝福された国土)という世界において、具足千万光相 ぐそくせんまんこうそう(幾百・千の光明で満たされた旗を持つもの)という名前の正しく完全に覚ったブッダでとなるであろう。

 また、世尊であり、具足千万光相という正しく完全に覚った尊敬されるべきブッダの寿命の長さは、量り知ることができないであろう」

 すると、6000人の女性出家者たちに伴われた
摩訶波闍波提憍曇弥と、4000人の女性出家者たちの伴われた耶輸陀羅は、世尊のそばで、この上ない正しく完全な覚りに到るであろうという自分に対する予言を聞いて、希有なる思いを抱き、驚くべき思いに満たされ、その時、次の詩を述べた。

 「世尊よ、あなたは教育者であり、指導者であり、神々に伴われた世間の人々の師で
 あり、衆生に蘇生をもたらす人であり、人間と神々から供養される人であります。保
 護者よ、私たちもまた今、満足させられました。

 その時、それらの女性出家者たちは、この詩を述べた後、世尊に次のように申し上げた。

 「世尊よ、私たちもまた、〔恐るべき〕後の時代、後の状況において、この法門を説き明かすことに耐えることにしましょう。ただし、このサハー(娑婆)世界以外の世界においてであります」と。

ダウンロード (8)

 すると、世尊は陀羅尼(ダーラニー)を得ていて、不退転で、真理の車輪を転ずる菩薩たちのうちのそれらの800万・コーティ・ナユタもの多くの菩薩たちのいるところを注視された。その時、それらの偉大な人である菩薩たちは、世尊によって注視されると直ちに席から立ち上がって、世尊のおられるところに向かって合掌して敬礼し、次のように考えた。

 「世尊は、私たちにこの法門を説き示すことを求めておられるのだ」と。

 しかも、それらの800万・コーティ・ナユタもの多くの菩薩たちは、このように考えて、動揺し、お互いに語り合った。

 「良家の息子たちよ、世尊は、私たちに未来の世においてこの法門を説き示すことを求めておられるのが、私たちはどうしたらいいのであろうか?

 すると、それらの良家の息子たちは、世尊に対する尊敬の念によって、また自分の過去のおいてなした修行と誓願によって、世尊の面前で獅子吼 ししくをなした。

 「世尊よ、ブッダが完全なる滅度に入られた後で、私たちは、未来の世において十方に赴いて、まさに世尊の威神力によってあらゆる衆生にこの法門を書写させ、読誦 どくじゅさせ、考えさせ、説き示させるでありましょう。だから、世尊は、私たちと異なる世界にいらっしゃっても、私たちのために守護と、擁護と、防護をなしてください」(つづく)

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【 2022/12/16 06:53 】

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