なまぐさ坊主の聖地巡礼

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ホンジュン

Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
 毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴ってまいりましたが、定年退職した途端に喉頭蓋炎で入院。しばらくはその闘病記を綴っていきます。

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ブッダのことば その3



ブッダを知りませんか?

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差 別

 人は生まれによって賤【いや】しい者となるのではなく、生まれによってバラモンとなるのではない。行ないによって賤しい者となり、行ないによってバラモンとなる。
『スッタニパータ』136


 紀元前1500年頃にインドに侵入したアーリヤ人はヴァルナ制(カースト)と呼ばれる強固な階級身分制度をつくりあげた。その制度においては宗教儀式をつかさどるバラモンを頂点に、武士・貴族階級のクシャトリヤ、一般庶民層のヴァイシャが続き、最下層に隷属民シュードラが位置づけられた。さらには、4ヴァルナの枠外にダリト(不可触民)と呼ばれるアウト・カーストが存在し、死体処理や屠殺といった不浄の仕事にあまんじている。現在のインド憲法第17条でカーストは禁止されているが、厳然として今でもこの制度は生き残っている。

 ブッダはこのヴァルナ制を否定した。ブッダは行動主義者である。人間の価値は生まれによって決まるのではなく、行ないによってのみ決まる。カーストを否定したことによって、ブッダの教えは広く信仰されることになったが、残念ながらカーストを否定したために、インド社会からはじき出されてしまった。


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 今年8月にアメリカ合衆国のミズーリ州で黒人青年マイケル・ブラウンさんが警察官に射殺された。大陪審が警察官を不起訴とする判断を下したことに激怒した住民らが警察を銃撃したり、建物に放火したりするなど暴徒と化し、デモは全米各地に広がっている。警察官が無抵抗の青年を射殺したのかどうか。大陪審が白人よりの判断をしたのかどうか。どちらも僕には分からない。でも、黒人の多くがこの事件と大陪審の判断を黒人差別としてとらえていることは間違いのない事実であり、彼らがそう考えるのは、黒人は常に差別と偏見にさらされているからだ。

 アメリカ独立宣言は冒頭で、「すべての人間は生まれながらにして平等で あり、その創造主によって、生命、自由、および幸福の追求を含む不可侵の権利を与えられている」と、人間の平等を高らかにうたっているが、人間の中にネイティブ・アメリカン(インディアン)と黒人は含まれていない。自由の国アメリカはもともと白人だけが自由な国だったのだ。その後、リンカンによって奴隷解放宣言が出され、南北戦争後に奴隷の法的自由が認められても、黒人に対する人種差別は残った。キング牧師らの努力によってようやく1964年に公民権法が制定され、黒人に対する差別は撤廃されたはずだが、依然として差別は残っている。黒人のオバマが大統領になった今でも……。恐らく黒人に対する差別が無くなることはないだろう。

 社会的な差別、身分的な差別が存在するのは、何もインドやアメリカ合衆国の社会に限られることではない。あらゆる社会に差別は存在し、僕たちの生きる日本もその例外ではない。「橋のない川」で知られる非差別部落に対する差別などは、まさに生まれに対する差別であり、ブッダはそれをまっこうから否定している。

 僕たちの社会には生まれに対する差別の他にも多くの差別や偏見が存在する。昨年東京都議会などで問題となった女性に対する差別。以前ならハンセン病患者、現代はHIV患者への差別や偏見。障害者、非正規雇用者、派遣労働者、性的少数者、……。あげれば、切りがない。悲しいことに、人は自分より立場の弱い人間を見いだして、差別する。そうしなければ、自分が差別の対象となる不安があるからだ。学校におけるいじめ問題も根っこにこれがある。

 仏教、なかんずく法華経は、すべての人を対等に見ることを強調する。それは、すべての人はブッダとなる可能性をもつ存在だからである。

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テーマ:仏教・佛教 - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2014/12/01 16:00 】

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