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なまぐさ坊主の聖地巡礼

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ホンジュン

Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
 毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。

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ブッダのことば その8



ブッダを知りませんか?

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殺してはならぬ

 愛欲のことがらを離れ、さまざまの愛欲を捨てて、弱いものでも、強いものでも、諸々の生きものに対して敵対することなく、愛着することもない。

 『かれらもわたしと同様であり、わたしもかれらと同様である』と思って、わが身に引きくらべて、生きものを殺してはならぬ。また他人をして殺させてはならぬ。
『スッタニパータ』704・705


 またテロが起きた。先月オーストラリアやパキスタンで起きたばかりというのに、今度はフランスのパリだ。1月7日、風刺週刊誌を発行している「シュルリー・エブド」本社に覆面をし、武装した犯人が押し入り職員を襲撃。警官2名、編集長、風刺漫画の担当記者ら合わせて12名が死亡した。容疑者2名は逃走したが、9日特殊部隊により射殺された。

 射殺された容疑者はアルジェリア系フランス人で、犯行の際に「アッラーフ・アクバル(アラーは偉大なり」「予言者(ムハンマド)の復讐だ」と叫んでいたそうだから、先月に続いてイスラーム教徒によるテロで、いつまでこの連鎖が続くのか世界中に不安が広がる。

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 容疑者の政治的背景についての詳細は分からないようだが、犯行の動機は明白。イスラームへの度重なる侮辱だ。ムハンマドが「笑い死にしなければ、むち打ち100回の刑だ」と言っている風刺画や、ムハンマドを同性愛者として描いた風刺画を掲載。さらにはムハンマドのヌード姿まで掲載した。ムハンマドの姿を描くことすらタブーとされているイスラーム教徒にとってこれほどの侮辱はない。したがって、イスラーム過激派だけを一方的に非難することはできない。

 しかし、テロは許されるものでは決してない。ブッダは言う、「生きものを殺してはならぬ」。小さい子供に「なぜ、殺しちゃいけないの?」と聞かれて返事に窮した人もいると思う。「人間の命の尊厳……」などと難しいことを言う必要はない。しごく単純な理由だ。自分が殺されたらと考えてみよう。誰だって殺されたくはない。すべての生きものは「生きていたい」という強い本能を持っている。自分が殺されたくなければ、他の生きものも殺してはいけない。こんなに単純で明白な理由はない。そして、自分が殺さないだけではなく、人を使って殺すこともならない。

 ムハンマドも自分が侮辱されたから、そいつらを殺してもいいとは言わないだろう。

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 フランスでは1月11日、一連のテロ事件での犠牲者の追悼と表現の自由を訴える大規模なデモ行進が行われた。パリだけで160万人が参加。これに、世界各国の約50人の首脳が肩を並べ、フランス全土では370万人を数え、第二次世界大戦後最大の規模となった。さすが、1789年8月26日に採択された「人権宣言」で表現の自由を高らかに謳った国だ。でも、あえて言わせてもらうならば、他の宗教を信じている人々が大事にしているものを侮辱することは、人間として正しい行為なんだろうか?僕は違うと思う。

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テーマ:仏教・佛教 - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2015/01/13 15:55 】

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