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なまぐさ坊主の聖地巡礼

プロフィール

ホンジュン

Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
 毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。

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ブッダのことば その9



ブッダを知りませんか?

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人の死を嘆き悲しむのは無益である

 この世における人々の命は、定まった相【すがた】なく、
どれだけ生きられるかも解らない。惨【いた】ましく、短くて、苦悩をともなっている。


 生まれたものどもは、死を遁【のが】れる道がない。
老いに達しては死ぬ。実に生あるものどもの定めは、このとおりである。


 熟した果実は早く落ちる。それと同じく、生まれたものどもは、死なねばならぬ。かれらにはつねに死の怖れがある。


 たとえば、陶工のつくった土の器が終りにはすべて破壊されてしまうように、人々の命もまたそのとおりである。

 若い人も壮年の人も、愚者も賢者も、すべて死に屈服してしまう。すべての者は必ず死に至る。

 かれらは死に捉えられてあの世に去っていくが、父もその子を救わず、親族もその親族を救わない。


 見よ、見守っている親族がとめどなく悲嘆に暮れているのに、
人は屠所に引かれる牛のように、一人ずつ、連れ去られる。


 このように世間の人々は死と老いによって害【そこな】われる。
それ故に賢者は世のありさまを知って、悲しまない。


 汝は、来た人の道を知らず、また去った人の道を知らない。
汝は(生と死の)両極を見極めないで、いたずらに泣き悲しむ。


 迷妄にとらわれて自己を害っている人が、もし泣き悲しんで
なんらかの利を得ることがあるならば、賢者もそうするがよかろう。


 泣き悲しんでも、心の安らぎは得られない。ただ彼にはますます苦しみが生じ、身体がやつれるだけである。

 みずから自己を害いながら、身は痩せて醜くなる。そうしたからとて、死んだ人はどうにもならない。嘆き悲しむのは無益である。(中略)


 だから尊敬さるべき人の教えを聞いて、人が死んで亡くなったのを見ては、
「かれはもうわたしの力の及ばぬものなのだ」とさとって、嘆き悲しみを去れ。

『スッタニパータ』574~590



 人は必ず死ぬ。これほど明確な真理はない。

 人は自らの死を望んではいないが、それを逃れることはできない。最後には死が待っている。生まれて来たその時から、一歩一歩死に近づいていく。こんな不条理があるだろうか。

 昨年の12月4日に僕のお寺の檀家のKさんが75歳で亡くなった。ちょうど1カ月後の1月4日に今度はAさんが64歳で亡くなった。お二人とも1日に脳梗塞で倒れ、3日後に亡くなった。平均余命が80歳を超える今の日本では、お二人とも余りにも早い死であり、家族が悲嘆に暮れたのは言うまでもない。Kさんの家では悲しみに追い打ちをかけるように、1月14日にKさんの娘さんが44歳という若さで癌で亡くなった。残されたのは74歳の母親と、20歳と17歳の子供。40年住職を務めてきた僕だが、これほど相次ぐ死を経験したことはない。

 Kさんの娘さんの通夜を営んでいる時に、思い出したのが「矢経」と呼ばれているブッダの言葉だった。ブッダを信じる信者の一人が、彼の息子が死んだ時、悲しみに打ちひしがれて、七日間食事をとらずにいた。彼を憐れんだブッダは彼の家に行き、彼の悲しみを取り除くために、この経を説いたと言われている。

 「死んだ人はどうにもならない。嘆き悲しむのは無益である」。随分冷たい言葉に聞こえるが、死は受け入れるしかないものである。ブッダは死の認識を変えることで、死を嘆かないでもすむと断言している。

 戦前までの日本では、いつも死はかたわらにあった。だからこそ、人々は一日一日を大切に、襟を正して生活していた。ところが今の日本はどうだろう。平均余命が80歳を超え、百歳を超える人が5万人以上いて、日本人全体が死ぬことを忘れてしまったかのようだ。多くの人々は死を忘却のかなたに押し込め、享楽を求めて生活し、いざ死ぬ段になっておののき、慌てる。死は怖いものである。しかし、それを恐れることなく、しっかりと見据えて生きる生き方が今必要なのではないだろうか。


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ネパール・パシュパティナート寺院での火葬の光景

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テーマ:仏教・佛教 - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2015/01/22 16:05 】

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