なまぐさ坊主の聖地巡礼
プロフィール
Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。
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ブッダを知りませんか?
殺させてはならぬ
愛欲のことがらを離れ、さまざまの愛欲を捨てて、弱いものでも、強いものでも、諸々の生きものに対して敵対することなく、愛着することもない。
『かれらもわたしと同様であり、わたしもかれらと同様である』と思って、わが身に引きくらべて、生きものを殺してはならぬ。また他人をして殺させてはならぬ。
『スッタニパータ』704・705
ついこの前引用した部分なんだけど、ここ1週間ほどの間に「いのち」にまつわる報道があまりにも多かったので、もう一度掲載することにした。
2月1日朝、ISIL(イスラム国)が後藤さんを殺害した画像をインターネットで配信した。日本政府の懸命の努力も後藤さんの釈放を求める世界中の声もとどかず、最悪の結末となった。後藤さんとともに人質となっていた湯川さん殺害の画像が配信されたのが、1週間ほど前の1月24日。テロリストの人命をもてあそぶ卑劣な行為は絶対に許すことはできない。
でも僕がもっと驚いたのは、湯川さん殺害報道の3日後に19歳の女子名大生が殺人容疑で逮捕された事件だ。19歳の少女がつい最近知り合った70歳代のご婦人を殺害したのも驚きだが、それ以上に僕が驚いたのは、殺人の動機。「人を殺してみたかった」という。これから調査が進むにしたがって彼女の精神的な部分も解明されていくだろうが、表面的にはごく普通の頭のいい女の子だったと思う。昨年の7月にも佐世保の女子高生が同級生を殺害した後、金槌と鋸で遺体を解剖した衝撃的事件があったが、ごく普通にいる、ごく普通の女の子が、ごく普通に人を殺害する、そんな時代になりつつあるような気がするのは、僕だけだろうか。
ブッダは言う、「生きものを殺してはならぬ。また殺させてもならぬ」と。
1月25日の朝刊の一面は湯川さん殺害の記事が大きく取り上げられていたので、見逃してしまった人も多いと思うが、前日内閣府が発表した死刑制度に関する世論調査の結果も発表されていた。5年前の調査から5.3ポイント減少したそうだが、それでも死刑制度を容認する人が8割もいる。40年前は6割弱だったから、死刑制度を認める人が2割以上も増えている。近年凶悪な事件が増えた結果だと思うが、決していい傾向とは言えない。
「廃止すれば被害者や家族の気持ちが収まらない」、「凶悪犯罪は命をもって償うべきだ」、「生かしておくとまた同じような罪を犯す危険がある」などの理由があげられている。でも、死刑制度を容認する人々は死刑を執行している人、つまり法律で認められた殺人を犯している刑務官がいるのを分かっているのかな。死刑の執行は機械がやっているのではなく、人間がやってるんだよ。
目隠しされ、腕と足を縛られた死刑確定者は、踏み板の上に立たされ、首にロープがかけられる。拘置所長の合図で、ボタン室で待機する3人ないし5人の刑務官により同時に3つないし5つのボタンが押される。実際に踏み板が開くボタンは1つなんだけど、刑務官の精神的苦痛を配慮して、1つのボタン以外はダミーだ。踏み板が開き、死刑確定者は執行室の下に落下し、絶命する。
こんな業務をしている刑務官の苦痛を考えたことあるかな。仕事で人を殺してるんだよ。昔は一人の刑務官がレバーを引いて踏み板を開いていたそうだが、あまりにも苦痛が大きいので今みたいなボタン式になったそうだけど、自分の手で人の命を絶っていることに変わりはない。
最近読んだ『教誨師』(堀川惠子著)の中で、長年に亘って教誨師を努めてきた渡邉普相さん(浄土真宗僧侶)はこんなふうに語っている。
「役所がね、情報を出したがらないのは、わしは理解できるんです。そりゃあ、外に出せるようなもんじゃないですよ。あれは。だから一般の人は死刑っていうものは、まるで自動的に機械が行うくらいにしか思ってないでしょう。何かあるとすぐに死刑、死刑と言うけどね、それを実際にやらされている者のことを、ちっとは考えてほしいよ」
死刑を容認している人は、国家が法律の下で刑務官に殺人を犯させているのを、容認していることになる。ブッダは言う、「人をして殺させてはならぬ」。
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