なまぐさ坊主の聖地巡礼
プロフィール
Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。
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怨み
「かれはわれを罵った。かれはわれを害した。かれはわれにうち勝った。かれはわれから強奪した。」という思いをいだく人には、怨みはついに息【や】むことがない。
「かれはわれを罵った。かれはわれを害した。かれはわれにうち勝った。かれはわれから強奪した。」という思いをいだかない人には、怨みはついに息【や】む。
実にこの世においては、怨みに報いるに怨みを以てしたならば、ついに怨みの息むことがない。怨みをすててこそ息む。これは永遠の真理である。
『ダンマパダ』3~5
国内外で起きた事件や現代の世相についての僕なりの意見を、ブッダの言葉を通じて語って今回が22回目となる。約1年になるが、ここに来て行き詰まってしまった。そのわけは人間の怒りと貪りの心が引き起こす事件ばかりで、引用するブッダの言葉が限られてしまうからだ。まあ、人間は貪・瞋・痴【とん・じん・ち】の三毒にまみれた存在だから、当然といえば当然なのだが。
またもテロである。1月にパリで風刺週刊誌シャルリエブド本社襲撃など連続テロが起きてから僅か10カ月。11月13日(日本時間14日)、またもパリでイスラム国による同時多発テロが発生し、129名が死亡し、352名が負傷した。目撃者によると、実行犯は「オランドが決めたシリアへの軍事介入を許さない」と叫びながら、自動小銃を発射し続けたという。これに対する報復として、フランスは15日、イスラム国の事実上の首都となっているシリアのラッカへの大規模な空爆を行った。
怒りに対する怒りの応酬である。ブッダは言う、「怨みに報いるに怨みを以てしたならば、ついに怨みの息むことがない」と。いくらテロリストをたたいても、空爆を受けて家族を失った者がまたテロリストとなる。敵には限りがなく、すべても敵をうち倒すことは誰にも出来ない。しかし、もし憎しみや怨みを克服できたならば、人の心は安らぎを得ることができ、敵をうち倒したに等しい。なぜならば、敵そのものが消滅するからだ。憎しみと復習の連鎖を止めるには、発想の転換をするしかないとブッダは言っているのだ。
2年前に亡くなったマンデラ元大統領も、「生まれながらにして肌の色や出身や宗教を理由に他人を憎む人は誰もいない。憎しみは後から学ぶものであり、もし憎しみを学ぶことができるなら、愛することも教えられるはずだ。会いはその反対の感情よりも、人間の心にとって自然になじむものだから「と語った。27年間も獄中にあったマンデラは憎しみを愛に変えて、南アフリカに虹の国を創った。
そもそも、シリアを含む中東の地は、オスマン帝国が支配していた100年前までは、イスラム教徒・キリスト教徒・ユダヤ教徒が平穏にクラス地域だった。オスマン帝国が宗教に寛容であったからだ。しかし、第一次世界大戦中、秘密裏に結ばれたサイクス・ピコ共栄で、大戦後この地は国際連盟による委任統治の名のもとにイギリスとフランスの植民地となった。もちろん、石油などの利権を求めてのことである。フランスは第二次世界大戦後、植民地時代の償いであるかのように旧植民のイスラム系移民を多く受け入れてきたが、実際は労働力不足を補うためであった。
イスラム国によるテロはもちろん許すことはできないが、彼らの怒りの根底に植民地支配され、貧困へと追いやられた怨みがあることを忘れてはならない。イギリスやフランスが植民地支配を行い、多くの富を搾取してきたことに対する、反省と償いの言葉を表明したことが一度でもあっただろうか。怒りや貪りの心は無智から来る。イスラムを正しく理解し、彼らを貧困への追いやった謝罪の気持ちを持たない限り、複数の連鎖は限りなく続く。

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