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なまぐさ坊主の聖地巡礼

プロフィール

ホンジュン

Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
 毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。

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インドの至宝・獅子柱頭

2月23日(火)

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 写真はアショーカ王柱の柱頭の獅子像(高さ213㎝)。1905年にここサールナートで発見された。

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 現在はサールナート博物館に保存されている。砂岩に彫られた四方を向いた四頭のライオンの下に法輪(ダルマ・チャクラ)が刻まれており、ブッダが世界の四方に向かって法輪を初めて転じた地点であることを示している。柱頭にライオンを用いているのは、百獣の王であるライオンがひとたび吼【ほ】えれば百獣のすべてが従うのになぞらえて、釈尊の説法を獅子吼【ししく】というからだ。
 
 円柱の冠板に帯状装飾として象と駿馬、雄牛と獅子が彫られている。マウルヤ朝はアレクサンドロス大王の東方遠征を機に成立した王朝であり、隣国セレウコス朝シリアとの関係が深く、ヘレニズムの影響がみられる。この獅子像もギリシア彫刻の影響を受けた見事な作品だ。

 1947年にイギリスからの独立をはたしたインドは、紀元前3世紀に彫られたこの獅子柱頭を民族の誇りとして、1950年1月26日にこれを国章と定めた。

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 だから、僕たちがインドで一番お世話になる10ルピー紙幣にも建国の父・ガンディーとともにしっかり記されている。ちなみに2016年現在10ルピーは日本円で16円ほど、四捨五入して20円だ。朝ホテルの枕元に置くチップが20ルピー。たった40円程度なんだけど、インドに来て日が経つにつれて、これが高いと感じるのはなぜなんだろうね。

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 ライオンの下の法輪はインドの国旗の中央部に描かれており、真理と正義によって世界がよく治まることを象徴している

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2001年の映画「アソーカ」のサントラ盤

 アショーカ王はマウルヤ朝第3代国王でマウルヤ朝の全盛を築いた。兄弟を皆殺しにて即位した非道残虐な王であったらしいが、そんなアショーカ王の心を変えたのが即位9年目に起きたカリンガ(現在のオリッサ州にあった国)との戦争だった。この戦争は凄残を極め、カリンガでは10万人、マウルヤ軍も1万人の戦死者を出したそうだ。この戦いによって戦争の悲惨さを痛感したアショーカ王はブッダの教えに深く帰依し、ダルマ(倫理・法)による統治をめざし、その政治方針を広く国民に知らせるために岩壁や石柱に詔勅を刻んだ。

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 即位10年目からはブッダの足跡を訪ねてインド各地を巡礼するとともに、ダルマによる政治が実行されているか確認するため「法の巡幸」を開始した。仏跡地を中心に石柱が建立されたが、当初は30本ほどあったらしい。しかし、インドは地震のある国。ほとんどの石柱は倒壊し、サールナートの石柱も柱頭部分を除いて、発見された場所にそのまま保存されている。

 いつもはあまりガイドさんの説明を聞かないんだけど、今回は時間の余裕もあり奥村君が一生懸命に解説をしてくれたので、耳を傾けてみた。で、初耳だったのが、実は四頭の獅子の上にもともとは大きな法輪が乗っていたという。獅子柱頭は博物館に入って真っ正面に置かれているんだけど、その左後ろに欠けている大きな法輪が置かれている。それが乗っていたという。へえ~~~。

 
何回目のインド旅行の時か忘れたけど、ちゃんと立っていた状態のアショーカ王柱の木製のレプリカを2万円も出して買った。スジャータ・ホテルの売店に置かれている中では一番大きくて高さ45㎝もあり、沙羅双樹製とかなんとか言われて買ったけど、2万円は高すぎるよな。これを学校の授業で生徒に見せてるんだけど、もちろん獅子の上に法輪は乗っていない。長年、生徒に嘘を教えて来たことになる。やっぱ人の話はちゃんと聞かなあかんね。と、深く反省していたら、Hさんがその法輪をコンコンと叩いたたのに、びっくり。材質を確認したかったというんだけど、文化遺産を叩いちゃ駄目ですよ。警備員に見つかったら、えらいことでっせ。

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 この博物館で見逃してならないのは4世紀に彫られたという初転法輪仏。僕はインドで最も美しい仏像だと思っている。奥村君がいつもの調子で、「美しい仏像ですが、ちょっと違和感がありますね。まぶたが垂れていますが、寝不足なんでしょうか。下唇がやや厚いですが、昨日キスをし過ぎたのでしょうか」なんてふざけた解説をしている。僕は蹲踞の姿勢で仏像を拝んでいた。そしたら、「流石、世界史の先生ですね。そうなんです、この仏像は下から見ることを考えて彫られているんんですよ。」

 いいえ、そんな深い知識はありません。足が疲れて立っているのが辛いから、蹲踞していただけで~す。同行している石材店のTさんに、これと同じ仏像を作ったらいくらかかるか聞いたんだけど、見積もりはまだ来ていない。

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 博物館から出てきたら土産物屋の大集団に襲われた。左がソーラーで廻る金ぴかのマニ車。ちょっと僕が興味を示したもんだから、しつこくついて来る。向こうの言い値は2,000円。 「ナヒン チャヒエ」(ヒンドゥー語で要らない)と言っても、引き下がらない。2つでいくらか聞きたくて、指を2本だしたら、右の仏像のレプリカを出してきた。これと合わせて3,000円だという。仏像は初めてインドに来た時に買って、生徒にグプタ様式の仏像だと嘘を言って見せている。もううちにあるから要らないというのに、バスの中まで入り込んで来そうな勢いだ。

 僕のバスのタラップを踏んだ途端に、「ニシェンエン」と言った来た。よし、買った。仏像は学年末試験のことを頼んできたS先生にお土産で渡した。マニ車は寺の本堂前の窓際でて日クルクル廻っている。

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 このあと日蓮宗の法輪寺さんによって一読した。お寺の近くに真っ赤な花をつけた見事な大木が。こんな花今まで見たこと無いな~。火焔樹という花なんだって。いつもはもう少し後の時期に満開になるらしいが、今年は春の訪れが早くてこの時期に満開になっているそうだ。通りでいつもより暑く感じる。あちこち回ってお腹がすいた。ホテルに帰ろう。(つづく)


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テーマ:海外旅行 - ジャンル:旅行

【 2016/05/15 17:52 】

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