なまぐさ坊主の聖地巡礼
プロフィール
Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。
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2月27日(土)
午前7時30分にホテルを出発し、1時間半ほど走ってケサリア仏塔に着いた。インドの旅はこれで7回目なんで、ほとんどが以前訪ねたところばかりで、初めて訪ねるところは数カ所だけ。その中でケサリア仏塔は超の字が5つ付くほど重要な遺跡で、今回の旅で一番楽しみにしていた場所だ。
ケサリア仏塔は円形8層の基壇がピラミッド状に積み上げられ、その上に乳房状のストゥーパが載っているが、現在基壇の底部の直径が188メートル、高さは32メートルある。
仏塔には以前は登ることができたそうだけど、現在は発掘修復中ということで残念ながら登ることはできない。
降魔印は触地印【そくちいん】とも言って、ブッダが悟りを開いた時、悪魔をこれを邪魔しようとしたのを降伏させた時の印相で、右手の指先を地面についている。
定印はブッダが瞑想する時の印相。
ところが望遠で見てみると、どれもこれもすべての仏像の首がない痛ましいお姿。くそっ、イスラーム教徒の仕業だ。インドの仏教は7世紀のヴァルダナ朝以降、しだいに衰退し、12世紀に侵入して来たイスラーム教徒の破壊によって完全に息の根を止められた。その時に受けた被害に間違いないだろう。近年ではターリバンによるバーミヤンの大仏の破壊が記憶に新しいが、自分たちが偶像崇拝しないからって、他の宗教にまでちゃべちゃべ構うんじゃないよ、この馬鹿たれが。
(つづく)
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午前7時30分にホテルを出発し、1時間半ほど走ってケサリア仏塔に着いた。インドの旅はこれで7回目なんで、ほとんどが以前訪ねたところばかりで、初めて訪ねるところは数カ所だけ。その中でケサリア仏塔は超の字が5つ付くほど重要な遺跡で、今回の旅で一番楽しみにしていた場所だ。
ケサリア仏塔はヴァイシャリーの北西約45キロの地にある世界最大級のストゥーパ。恥ずかしながらつい最近まで僕はその存在すら知らなかった。まあ、1998年に再発掘が開始されたばかりで、インド考古局から正式な発表もされていないから、仕方ないと言えば仕方ないんだけどね。
初めて見るケサリア仏塔にわくわくしながらバスを降りると、仏塔は湿地帯と畑のど真ん中に山のように聳えており、まずその大きさに度肝を抜かれる。
最後の旅を歩むブッダがヴァイシャリーを後にした時、ヴァイシャリーの人々はブッダとの別れを惜しんで、どこまでも付いて来たそうだ。あまりに多くの人々が町を出て行ったために、ヴァイシャリーの町は機能不全に陥ったそうだ。ブッダは自分から離れようとしない人々に、托鉢用の鉢を自分の身代わりとして渡して、ついに彼らに別れを告げた。涙ながらにブッダを見送ったヴァイシャリーの人々は、ブッダと別れたこの地を記念して、ブッダの鉢を祀ったそうだ。(『大パリニッバーナ経』にはこのエピソードは記載されていない)
その後、紀元前3世紀のアショーカ王の時に最初のストゥーパが建てられ、4世紀のグプタ朝時代に拡張され、8世紀のパーラ朝時代に現在の形になったと考えられている。
初めて見るケサリア仏塔にわくわくしながらバスを降りると、仏塔は湿地帯と畑のど真ん中に山のように聳えており、まずその大きさに度肝を抜かれる。
最後の旅を歩むブッダがヴァイシャリーを後にした時、ヴァイシャリーの人々はブッダとの別れを惜しんで、どこまでも付いて来たそうだ。あまりに多くの人々が町を出て行ったために、ヴァイシャリーの町は機能不全に陥ったそうだ。ブッダは自分から離れようとしない人々に、托鉢用の鉢を自分の身代わりとして渡して、ついに彼らに別れを告げた。涙ながらにブッダを見送ったヴァイシャリーの人々は、ブッダと別れたこの地を記念して、ブッダの鉢を祀ったそうだ。(『大パリニッバーナ経』にはこのエピソードは記載されていない)
その後、紀元前3世紀のアショーカ王の時に最初のストゥーパが建てられ、4世紀のグプタ朝時代に拡張され、8世紀のパーラ朝時代に現在の形になったと考えられている。
遺跡の周りをぐるっと半周してみる。現在発掘調査が進んでいるのは遺跡の半分だけ。写真の通り左半分はいまだに草や灌木が生い茂った小山状態。
敷地内にあるガジュマルの木
ケサリア仏塔は円形8層の基壇がピラミッド状に積み上げられ、その上に乳房状のストゥーパが載っているが、現在基壇の底部の直径が188メートル、高さは32メートルある。
世界史の教科書にも出てくる有名なジャワ島のボロブドゥールは方形6層の基壇の上に、円形3層の基壇が載り、その上にストゥーパが立つ。底部の直径が111.5メートル、高さが31.5メートル。なんとケサリア仏塔のほうが大きいんだ。
ところが、1861年にカニンガムの調査隊が発掘調査した時には、底部の直径が225メートル、高さが52メートルもあったんだってさ。
ところが、1861年にカニンガムの調査隊が発掘調査した時には、底部の直径が225メートル、高さが52メートルもあったんだってさ。
それが、まず1934年の地震で一番てっぺんの舎利を納めたストゥーパ部分が壊れちゃった。これでもともと20メートルほどあったのが、半分くらいになっちゃったんだって。その上、ガンジス川の支流ガンタッキ河の氾濫によって2層分が埋もれてしまい、9メートル低くなった。で、合計20メートルも低くなったというわけなんだけど、そうするとケサリア仏塔はもともとは10層あったということだ。
これまた教科書に出てくるサーンチーのストゥーパ。これが高さ16.5メートルだから、ケサリア仏塔はその3倍。いやはや、世界最大級に間違いなしだ。
インド政府は現在発掘・修復作業を進めているが、インドのやることだから遅遅として進まない。全貌が明らかにされて完全修復され、ヴァイシャリーやクシナガラからのアクセスが良くなれば、ボロブドゥール並みに観光客がやって来るだろうけど、その頃は僕は涅槃に無いってしまってるね。間違いなく。
敷地内にあるヒンドゥー教寺院の祠
仏塔には以前は登ることができたそうだけど、現在は発掘修復中ということで残念ながら登ることはできない。
残念と言えば、もっと残念なことがある。2層から6層にかけてボロブドゥールと同じように 仏龕【ぶつがん、仏像を祀るためのくぼみ】が設けられており、その中にテラコッタ製の仏像が安置されている。すべてブッダ像で、降魔印【ごうまいん】か定印【じょういん】。
降魔印は触地印【そくちいん】とも言って、ブッダが悟りを開いた時、悪魔をこれを邪魔しようとしたのを降伏させた時の印相で、右手の指先を地面についている。
定印はブッダが瞑想する時の印相。
ところが望遠で見てみると、どれもこれもすべての仏像の首がない痛ましいお姿。くそっ、イスラーム教徒の仕業だ。インドの仏教は7世紀のヴァルダナ朝以降、しだいに衰退し、12世紀に侵入して来たイスラーム教徒の破壊によって完全に息の根を止められた。その時に受けた被害に間違いないだろう。近年ではターリバンによるバーミヤンの大仏の破壊が記憶に新しいが、自分たちが偶像崇拝しないからって、他の宗教にまでちゃべちゃべ構うんじゃないよ、この馬鹿たれが。

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