なまぐさ坊主の聖地巡礼
プロフィール
Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。
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8月2日(水)
午前5時起床、5時45分にホテルを出て仏歯寺に向かう。仏歯が祀られている部屋の扉が開かれるのは、午前5時30分、午前9時30分、午後6時30分の1日3回だけ。これをプージャー(仏への礼拝のこと)と言うんだけど、これに合わせての早起き。10分ほど歩いて、到着した。あたりはまだ暗い。
なかなか来れるところじゃないんで、3人で記念撮影。このお寺は服装にかなり五月蠅い。僕は坊さんだから黒い布教服で構わないんだけど、一般の参拝者はスカートや短パン、ノースリーブはは禁止で、色も白っぽいものでないと駄目。柄も入っていてはいけないというんで、デパートに2回も行って苦心惨憺して探して来たのがなっちゃんの服。なんかイスラーム教徒みたいだ。
イルミネーションされた八角堂が美しい。
明るい時に見ると真っ白。この八角堂は最後のキャンディ王スリー・ウィクラマ・ラジャシンハが王の休憩所として建てたそうだが、イギリス植民地時代には拘置所として使われていたそうな。現在はヤシの葉の写本(貝葉経)が所蔵された図書館になっている。
ああ、まだ仏歯寺の由来を話してなかったよね。仏歯寺は正式にはダラダー・マーリガーワ寺院と言う。ダラダーは仏歯、マーリガーワは宮殿のこと。仏歯と呼んでいるのは、ブッダの遺体を火葬にした際に手に入れた犬歯のことだそうだが、眉毛に唾。ちなみに中村元先生の説ではブッダの入滅は紀元前383年。スリランカではさらに160年ほど前の紀元前544年としており、仏教国のスリランカの暦ではこの年を紀元元年とするので、スリランカでは今年は2561年なんだ。
まあ、真偽のほどは別にして、この仏歯はインドのオリッサ州にあったカリンガ国の王が祀っていたんだけど、4世紀にグシーバとの戦いに敗れた王が娘ヘーマ・マーラ(王子さんだという説もあるそうだ)に仏歯を持って、スリランカに逃れるように遺言。ヘーマ・マーラは頭髪にこれを隠してスリランカに持ち込み最初の都であったアヌラーダプラに奉納された。仏歯は王権の権威を保証する証とされ、都の変遷とともにスリランカを移動し、1590年にキャンディの仏歯寺に祀られたというわけだ。現在残っているのはナーランドラ・シンハ王が18世紀初頭に建てたもので、300年ほど前の建築物で僕のお寺よりもちょっと古い(笑)。
話が長くなっちゃったね。さあ、本堂の中に入ろう。ああ。靴のままじゃ駄目だよ。ちゃんと靴を脱いで入らないと。入場料は1,000ルピー(750円)。裸足になって、両側に壁画が描かれている通路を通って中へ。
すでにたくさんの人がお参りしている。すぐにご宝前に行けるのかと思ったら、2階に案内された。
どうも、この建物の2階に有り難い仏歯が祀られているらしい。
待たされるのは僕らのグループだけかと思ったら、どやどやと30人以上の団体さんが入って来た。どこの国の人かわからんけど、先に入っていた僕らを押しのけて座りやがった。そのせいで僕らの座る場所が無くなった。
仕方なく立って待つ。手に持っているのはお供えする蓮の花。日本の蓮とは趣が違う。手に1,000ルピー持ってるけど、なんで持っているのか忘れちゃった。お賽銭かな?
待つこと50分。もう足が痛くて我慢できないぞっという時に、ようやく下に降りることができた。いよいよ仏歯の祀られているところに向かう。地元の参詣者のみなさんがお供えする仏供を品定めしながら取り合ってる。もうバーゲンセールのようなごった返しようだ。どれでも功徳は変わらんと思うけどね。
すでにお参りが終わった人達かね。床にへたり込んでる。
この後いよいよ仏歯とご対面~となるんだけど、人波に押されるようにして、あっと言う間に前を通り過ぎたんで、写真を撮っている暇がなく、この写真はネットからの借り物。写真に写っている上半身裸の男性たちが、ものすごい音量で太鼓とラッパを奏でるのですが、これが物凄い迫力。
これも借り物。宝石がちりばめられた金製の豪華な容器で、ダーガバ(仏塔)の形をしている。これが七重になっているそうで、一番小さな箱に仏歯が収められているそうだ。1時間近く待って、この前をたった数秒で通り抜けた。「なにごとのおはしますかは知らねども かたじけなさに涙こぼるる」という西行の歌を思い出した。知らない方がいいこともある。(つづく)
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