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なまぐさ坊主の聖地巡礼

プロフィール

ホンジュン

Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
 毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。

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インド洋の真珠スリランカーダンブッラ石窟寺院①

8月2日(水)

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 午後1時30分にスパイスガーデンを出発、50分ほどでダンブッラに到着。ダンブッラはマータレーの北46キロ、文化三角地帯の三角の重心の位置にある。石窟寺院は高さ180メートルほどの岩山の頂上付近にあり、正規の参道は380段ほどの階段を登らなければならない。そんなとこ登ったら足が壊れてしまって、明日シーギリヤ・ロックに登れなくなるから、横着して脇道を中腹までバスで行き、そこから坂道を登った。それでもかなりしんどい。

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 われわれを最初に出迎えてくれたのはお猿さん。頭頂部の毛が帽子のように見えるから、スリランカの固有種のトクモンキーだ。小猿だけかと思ったら、周りには大人の猿がいてこっちを睨んでいる。なっちゃんがおしっこしたいと言うんで、その辺の藪でさせようとしたら近づいて来る。猿と目を合わせると襲ってくることがあると奥村君に聞いているので、猿のいない所まで我慢させた。

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 10分ほどで石窟寺院の入り口に到着。

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履き物を預け、裸足になって境内を進む。

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 6色の仏旗がはためている菩提樹。仏旗は左から青、黄、赤、白、橙、そして一番右の列には5色を上から順番に並べた縞模様となっており、1885年にコロンボ委員会で仏教のシンボルとして採択された。

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 この岩山には多くの洞窟があり、現在80ほど確認されている。これらの洞窟は紀元前3世紀頃からすでに修行僧が生活するためのビハーラ窟として使われていたそうだ。紀元前1世紀、シンハラ王朝第19代国王のワラガムバー王はタミル人によってアヌラーダプラから追放され、この洞窟で保護されたそうだ。15年後にアヌラーダプラへ帰還した国王は、感謝の念を持って礼拝を行うためのチャイティア窟を造営したのが、この石窟寺院の始まり。インドのアジャンター石窟よりはやや新しい。

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 小さなカメラマン、いやカメラウーマンも撮影に余念がない。

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 さあ、中に入るよ。ダンブッラ石窟寺院は全部で5窟あるが、先ずは第1窟から。正式にはデーワ・ラージャ・ヴィハーラ、「神々の王の寺」で、ダンブッラでは一番古い石窟。

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 この窟の主は涅槃仏。全長約14メートルと巨大な涅槃仏で、狭い窟内に目一杯に横たわっておられる。インド最大の涅槃仏はアジャンター第26窟のもので全長7メートルだから、その2倍もある。したがって、全身をカメラに収めるのは難しい。

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 足元から撮すとこんな具合で、今度はお顔がよく見えなくなってしまう。こんな大きな仏像をあとから運び込むことは出来ないから、この涅槃仏が壁と同じ自然石に彫られたものだということが分かる。ところで、この涅槃仏の身体は黄金色なのに、足の裏は真っ赤。花火のような花模様がいくつも描かれている。仏足には普通は法輪を描くんだけど、この模様は法輪らしくない。スリランカの仏教徒が法輪を花模様と間違ったんかね。

 スリランカで仏像の足の裏を赤くするのは、紀元前5世紀にヴィジャヤ王がインドから到着した際に、彼の手のひらが真っ赤であったことに由来していると「地球の歩き方」には書いてある。でも、ネットで見るとヴィジャヤ王の足の裏がスリランカの赤土で赤く染まったからだとなっていて、こっちの方が信憑性があるけど、王さまの足であってブッダの足ではない。

 スリランカは赤道に近いため太陽光線の強さは半端ではない。滞在中の最高気温は38度で、最近の日本でもそれに近い気温の日があるから、さほど驚かないが、なんせ日差しは強い。スリランカのお寺では靴を脱いでお参りするので、戸外の日当たりだといくら靴下を履いていても足の裏が焦げそうになる。

 実はブッダはスリランカを遊行して歩かれており、足の裏が火傷して真っ赤になっちゃったと思いたい気持ちが足の裏を赤くさせたというのが僕の説だけど、どう?

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 ブッダの足の指をよく見てもらうと、やや右足と左足がややずれているのが分かるよね。これは、ブッダでも自身をもう制御できない状況になった、つまり、亡くなってしまったことを意味している。

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 ところが、ブッダのお顔をアップにすると、どう見ても眼を開けていらっしゃる。眼を開けたまま涅槃に入られたんか?下半身は亡くなったけど、上半身はまだ生きておられる?なんか不自然だけど、まあいいか。

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 第1窟には他に5体の仏像が置かれているが、ブッダの足元に立っている赤い衣を着た像は弟子のアーナンダ(阿難)だそうだ。そーなんだ。(笑)

 アーナンダはブッダの従兄弟にあたり、ブッダの晩年から亡くなるまでの25年の間、片時もブッダのそばを離れることなく誠心につかえ、その教えを最も多く記憶していたということから、「多聞第一」とされている。でも、ちょっと疑問が残るな~。
 
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 何故かと言うとね、日本で描かれる涅槃図の中の阿難は写真のように、ブッダが亡くなった余りの悲しみで気絶してしまった姿で描かれる。

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 これはクシナガラの涅槃堂のアーナンダ。涅槃仏の台座に彫られているが、このアーナンダは気絶はしていないが、悲しみに暮れている様子はうかがえる。でも、ダンブッラのアーナンダ像は悲しんでいるようには見えないし、おまけに突っ立ってる。なんか違うと思うんですけどね。

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 天井にはびっしりとフレスコ画が描かれていて、狭い空間なのでやや息苦しい。

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  やっと第1窟を出てほっとする。と、第1窟の左側に見慣れた神さまの絵が。右の神さまはヒンドゥー教の3大神の一つであるヴィシュヌ神。ガルーダという鷲に乗ってるはずなんだけど、なんか鳩みたいに見えるね。左の神さまはヴィシュヌ神の奥さんのラクシュミーだろうね。仏教では吉祥天。赤い蓮に乗っておられるので間違いないだろうけど、後ろになんで孔雀がいるんだろう。

 管理人さんがいるんで、怒られるかと思って内部の写真は撮らなかったんだけど、中にはブッダとともにヴィシュヌ神が祀られており、第1窟の「神々の王の寺」の名前の由来になっている。スリランカはインドの影響を強く受けており、当然ヒンドゥー教が入って来ていても不思議ではないんだけど、スリランカは仏教国だという固定観念があって、まさかヒンドゥー教の神さまが祀られているとは思いもしなかった。やっぱ、現地に来ないと分からんこと一杯あるよね。目から鱗が落ちちゃった。(世界史の教師なのに勉強不足)。

 このあと第2窟から第5窟まで続くんだけど、読んでるみんなは退屈だろうから、続きはまた今度ね。(つづく)

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テーマ:海外旅行 - ジャンル:旅行

【 2017/12/05 12:15 】

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