なまぐさ坊主の聖地巡礼
プロフィール
Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。
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8月3日(木)
屋根はヤシの葉で葺かれている。こんなんで雨漏りせんのかね。
運動したんで喉カッラカラ。何はともあれ、先ずはビール。お馴染みのライオンビール。シュワシュワと心地よいビールが喉を通った瞬間、まさに砂漠に降る恵みの雨のように心まで潤っていく。
ってんで、今日の昼飯のメニューは、サフランライスにチキンカレー、ダールカレー、オクラカレーと、なんと西瓜のカレー。写真じゃ、どれがどれか分かりません。
午後1時にレストランを出発、30分程でポロンナルワに到着した。紀元前380年頃に建国されたシンハラ王朝は最初アヌラーダプラ(明日行きま~す)に都を置いた。しかし、1017年、南インドのタミル人のチョーラ朝にアヌラーダプラを征服され、やむなくここポロンナルワに都を遷した。ポロンナルワはスリランカで一番の川があり、上下流の交通の要所であるとともに防御にも適し、また、周囲に米作りに適した湖が多いことも遷都の理由だったようだ。遷都したウィジャヤバーフ1世はその後チョーラ王朝を追放しポロンナルワに繁栄をもたらした。しかし、その繁栄も200年余り、チョーラ朝を滅ぼしたタミル人のパーンディヤ朝の攻撃を受け、1255年にポロンナルワを放棄、シンハラ王朝は島の中央部へと退いていった。
最初はパラークラマ・バーフ1世が建設した宮殿跡。ウィジャヤバーフ1世の孫にあたるパラークマラ・バーフ1世は巨大な貯水池を作って灌漑を充実させるとともに、ポロンナルワに多くの寺院を建築して、ポロンナルワの最盛期を築いたスリランカ史上最大の英傑。
宮殿は幅13メートル、奥行きが31メートル、地上7階建てで、部屋数は50。煉瓦を重ねた壁の厚さは約3メートル、36本の柱がホールの屋根を支えていたそうだ。右端にいる赤い服の人と比べれば如何に大きな建物だったかが分かる。現在は3階部分までの煉瓦造りの壁しか残っておらず、木製の床を支える柱がはめ込まれた跡が見られる。4階から上は木造だっため残念ながら残らなかったみたいだ。
宮殿の北東にある閣議場。
僕が撮してたのは、これ。ライオンですね。シンハラ王朝の成立に関してはまた後で書くけど、「シンハラ」は「ライオンの子孫」の意味。
もう一度、閣議場の入場階段の写真を見てもらえますか。階段の上がり口の所にこんな半円形の石があるよね。これムーンストーンって言うんだ。ムーンストーンと言うと女の人は宝石を思い浮かべるかも知れないけど、それじゃなくて仏塔や寺院の入口に敷かれているす半円形の図柄のこと。入り口から悪魔が入るのを防ぎ、内部の本尊を守るためのもので、普通は象(誕生)、馬(老齢)、ライオン(病)、牡牛(死)の4種類の動物が刻まれ、輪廻を表しているそうだ。ところが、写真を見てもらっても牡牛がいないよね。これが、ポロンナルワ時代にはすでにヒンドゥー教がインドから伝わっていた証拠とされる。ヒンドゥー教では牡牛であるナンディがシヴァ神の乗り物として神さまになってるから、外しちゃったみたいだよ。
ジャヤン君が説明しているから、そろそろ入場しようかね。
閣議場の入り口に鎮座する狛犬。でも、これはどう見ても犬ではなくライオン(獅子)だよね。実は古代オリエントでは聖なるものの守護神としてライオンが用いられており、ピラミッドを守るスフィンクスがそのいい例だ。これが中国に伝わり、仏教とともに朝鮮半島を経て日本に入って来た時に、犬と勘違いして高麗犬と呼ばれ、狛犬となったと言われている。
分かりにくいんで拡大してみるね。両手を広げて梁を支えている人のように見えるよね。おっぱいのようなものも見えるんで、これは、たぶん女神ヤクシー(夜叉女)だね。
写真はパキスタンのジョーリアン遺跡の漆喰で造られたストゥコ像。一番下で梁を支えているのが、天を背負う役目を負わされたギリシアの神アトラス。もし、閣議場の基壇のものがアトラスだったら、スリランカにもヘレニズムの影響があるという大発見なんだけど、まあ違うわな。
閣議場のすぐ近くにあるシヴァ・デーワーラヤ。この遺跡の中にある唯一のヒンドゥー教寺院で、13世紀に建てられた。ポロンナルワは、タイやビルマからも修行僧が訪れた国際的な仏教の中心地だったのに、なんでヒンドゥー寺院がここに建てられたのか。二つ説があって、一つは当時の王妃の一人が南インドから迎えたヒンドゥー教徒だったという説。もう一つは南インドのチョーラ人がこの地を侵略したときに建てたという説。
ジャヤン君の説明を聞いて、「ふ~ん」と言ってみんな次に行っちゃったけど、僕だけ後ろに回ってみた。なんでか、って。ここが本当にシヴァ神を祀ったお寺か確認するため。
そう、これがシヴァ神の象徴。まあ~、いやらしい、なんて言わないでね。純粋に学問的興味から確認しただけですから。みんなにも説明してあげようと思ったんだけど、向こうのほうに行っちゃった。せっかくの機会だったのに、残念。
石像を詳しく図解するとこうなる。シヴァ神の持つエネルギーの象徴とされているリンガとヨーニ。リンガは男性のおちんちんで、ヨーニは女性の〇〇〇〇。リンガとヨーニがどういう状態かわかるよね。白い液体らしきものがかかっているけど、これが何かはご想像にお任せします。
つまり、シヴァ神は破壊の神として有名だけど、破壊しなければ次の新しいものは生まれて来ないんで、シヴァ神は創造の神でもあるんだ。リンガとヨーニは人間を創造するものだから、シヴァ神のシンボルだ、という訳。お分かり?
スリランカの土産物屋はインドみたいにしつこくない。インドでもお馴染みの透かし彫りの象。象の中に子象がいる。1個5,000円と最初からふっかけてきた。インドで買ったもっと質のいいものがうちにあるし、「要らない」と断ったんだけど、なっちゃんが欲しそうな顔をしている。しゃあないんで、結局1,000円で買った。爺ちゃん、孫に甘いね。(つづく)
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午前11時15分、シーギリヤを出発してポロンナルワに向かう。岩山を登り降りして腹も減ったことだし、途中大きな掘っ立て小屋みたいなレストランで昼飯。
屋根はヤシの葉で葺かれている。こんなんで雨漏りせんのかね。
運動したんで喉カッラカラ。何はともあれ、先ずはビール。お馴染みのライオンビール。シュワシュワと心地よいビールが喉を通った瞬間、まさに砂漠に降る恵みの雨のように心まで潤っていく。
待ってても誰も料理を持って来てくれない。しゃあない、料理取ってくるか。
ってんで、今日の昼飯のメニューは、サフランライスにチキンカレー、ダールカレー、オクラカレーと、なんと西瓜のカレー。写真じゃ、どれがどれか分かりません。
午後1時にレストランを出発、30分程でポロンナルワに到着した。紀元前380年頃に建国されたシンハラ王朝は最初アヌラーダプラ(明日行きま~す)に都を置いた。しかし、1017年、南インドのタミル人のチョーラ朝にアヌラーダプラを征服され、やむなくここポロンナルワに都を遷した。ポロンナルワはスリランカで一番の川があり、上下流の交通の要所であるとともに防御にも適し、また、周囲に米作りに適した湖が多いことも遷都の理由だったようだ。遷都したウィジャヤバーフ1世はその後チョーラ王朝を追放しポロンナルワに繁栄をもたらした。しかし、その繁栄も200年余り、チョーラ朝を滅ぼしたタミル人のパーンディヤ朝の攻撃を受け、1255年にポロンナルワを放棄、シンハラ王朝は島の中央部へと退いていった。
最初はパラークラマ・バーフ1世が建設した宮殿跡。ウィジャヤバーフ1世の孫にあたるパラークマラ・バーフ1世は巨大な貯水池を作って灌漑を充実させるとともに、ポロンナルワに多くの寺院を建築して、ポロンナルワの最盛期を築いたスリランカ史上最大の英傑。
宮殿は幅13メートル、奥行きが31メートル、地上7階建てで、部屋数は50。煉瓦を重ねた壁の厚さは約3メートル、36本の柱がホールの屋根を支えていたそうだ。右端にいる赤い服の人と比べれば如何に大きな建物だったかが分かる。現在は3階部分までの煉瓦造りの壁しか残っておらず、木製の床を支える柱がはめ込まれた跡が見られる。4階から上は木造だっため残念ながら残らなかったみたいだ。
右側に白い部分が見られるのは漆喰の跡だ。漆喰の跡は壁の外部にも見られ、アメリカ合衆国大統領官邸のようなホワイトハウスだったことが分かる。
宮殿の北東にある閣議場。
閣議場の入場階段。みんな古の大臣よろしくジャヤン君に続いて閣議場に入場して行くけど、僕は撮影に余念がない。何を撮してるかって?
僕が撮してたのは、これ。ライオンですね。シンハラ王朝の成立に関してはまた後で書くけど、「シンハラ」は「ライオンの子孫」の意味。
だからスリランカの国旗にもライオンが描かれている。ちなみにライオンの周りにある4枚の葉っぱは菩提樹で仏教徒を表し、緑と橙色の帯は少数派のイスラーム教徒とヒンドゥー教のタミル人を表してるんだってさ、なっちゃんに教えてもらいました。世界史の先生も脱帽。
もう一度、閣議場の入場階段の写真を見てもらえますか。階段の上がり口の所にこんな半円形の石があるよね。これムーンストーンって言うんだ。ムーンストーンと言うと女の人は宝石を思い浮かべるかも知れないけど、それじゃなくて仏塔や寺院の入口に敷かれているす半円形の図柄のこと。入り口から悪魔が入るのを防ぎ、内部の本尊を守るためのもので、普通は象(誕生)、馬(老齢)、ライオン(病)、牡牛(死)の4種類の動物が刻まれ、輪廻を表しているそうだ。ところが、写真を見てもらっても牡牛がいないよね。これが、ポロンナルワ時代にはすでにヒンドゥー教がインドから伝わっていた証拠とされる。ヒンドゥー教では牡牛であるナンディがシヴァ神の乗り物として神さまになってるから、外しちゃったみたいだよ。
ジャヤン君が説明しているから、そろそろ入場しようかね。
閣議場の入り口に鎮座する狛犬。でも、これはどう見ても犬ではなくライオン(獅子)だよね。実は古代オリエントでは聖なるものの守護神としてライオンが用いられており、ピラミッドを守るスフィンクスがそのいい例だ。これが中国に伝わり、仏教とともに朝鮮半島を経て日本に入って来た時に、犬と勘違いして高麗犬と呼ばれ、狛犬となったと言われている。
だから日本の神社に置かれている狛犬も実はライオン(獅子)なんだ。ただし、左右同じに見えるけど、厳密に言うと口を開けている右側の「阿形【あぎょう】」は獅子で、口を閉じている左側の「吽形【うんぎょう】」が狛犬なんだってさ。
ライオンはこんな所にもいる。閣議場の基壇部分のレリーフで、一番下に象、その上にライオン、さてもう一つ上には?
分かりにくいんで拡大してみるね。両手を広げて梁を支えている人のように見えるよね。おっぱいのようなものも見えるんで、これは、たぶん女神ヤクシー(夜叉女)だね。
写真はパキスタンのジョーリアン遺跡の漆喰で造られたストゥコ像。一番下で梁を支えているのが、天を背負う役目を負わされたギリシアの神アトラス。もし、閣議場の基壇のものがアトラスだったら、スリランカにもヘレニズムの影響があるという大発見なんだけど、まあ違うわな。

閣議場の中に入ると石柱が林立している。一番奥に王さまが座り、左右の各石柱には彫刻が施されており、大臣の名前が刻まれている。その前に大臣たちが座り、王さまと喧喧諤諤の話し合いをしたんかね。
爺ちゃんはジャヤン君の説明も聞かずに写真撮ってるのに、なっちゃんはちゃんと説明を聞いてる。偉いね~。
ジャヤン君の説明を聞いて、「ふ~ん」と言ってみんな次に行っちゃったけど、僕だけ後ろに回ってみた。なんでか、って。ここが本当にシヴァ神を祀ったお寺か確認するため。
そう、これがシヴァ神の象徴。まあ~、いやらしい、なんて言わないでね。純粋に学問的興味から確認しただけですから。みんなにも説明してあげようと思ったんだけど、向こうのほうに行っちゃった。せっかくの機会だったのに、残念。
石像を詳しく図解するとこうなる。シヴァ神の持つエネルギーの象徴とされているリンガとヨーニ。リンガは男性のおちんちんで、ヨーニは女性の〇〇〇〇。リンガとヨーニがどういう状態かわかるよね。白い液体らしきものがかかっているけど、これが何かはご想像にお任せします。

つまり、シヴァ神は破壊の神として有名だけど、破壊しなければ次の新しいものは生まれて来ないんで、シヴァ神は創造の神でもあるんだ。リンガとヨーニは人間を創造するものだから、シヴァ神のシンボルだ、という訳。お分かり?
スリランカの土産物屋はインドみたいにしつこくない。インドでもお馴染みの透かし彫りの象。象の中に子象がいる。1個5,000円と最初からふっかけてきた。インドで買ったもっと質のいいものがうちにあるし、「要らない」と断ったんだけど、なっちゃんが欲しそうな顔をしている。しゃあないんで、結局1,000円で買った。爺ちゃん、孫に甘いね。(つづく)
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