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なまぐさ坊主の聖地巡礼

プロフィール

ホンジュン

Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
 毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴ってまいりましたが、これからしばらくは世界史のミラクルワールドをお届けします。

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インド洋の真珠スリランカーアヌラーダプラ③

8月4日(金)

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 本堂を出て宝物館に向かう途中の岩の裂け目。写真じゃよく分からないけど、上のほうに何やら黒いものがへばりついている。よ~く眼を凝らして見ると、なんとこれが蝙蝠【こうもり】の大群。昼間だから出て来ないだろうけど、夕方になっていっせいに飛び出してきたら、さぞかし気持ち悪いだろうね。僕のお寺でも昔は夏の夕方には飛び回っていたもんだけど、最近はさっぱり見なくなった。森の環境が悪くなってるんだろうね。

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 宝物館には寺院北側の王宮庭園で発見されたと言われる見物が二つある。一つは「イスルムニヤの恋人」と名づけられた恋人の像で5世紀頃の作品とされている。この男女は紀元前2世紀にこの地を治めていたドゥッタガーマニーの息子サーリヤ王子と、その恋人マーラと言われ、歴史書『マハーヴァンサ』に、そのエピソードが書かれている。どんな二人かって、気になるよね。

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 さあ、これが噂のお二人さん。マーラは美貌だがカーストが低く、周囲は二人の恋を認めようとしなかった。しかし、王子は諦めきれず、王子の身分を捨ててマーラと一緒になったんだって。ブ仏教ではカーストを否定している。その仏教を国の宗教としたシンハラ王朝で、カーストの違いが結婚の障害になったという話はちょいと信用できないんだけどなあ。建前と本音の違いかね。

 独立後インド初の首相となったネルーは公的にはカーストを否定していたが、娘インディラがカーストの低い男性と恋に落ちた時に結婚を許さなかった。これもまあ、建前と本音の違いということだ。マハトマ=ガンディーがその男性を自分の養子とすることで二人は結婚を許された。だから、ネルーの娘なのにインディラ=ガンディーなわけなんだよ。知ってた?

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 もう一つの「王族の像」はサーリヤ王子とマーラの結婚後のものだ。中央にドゥッダガーマニー王とその妻、王の左側にサーリヤ王子、王の妻のかたわらにマーラ。しかし、マーラのカーストが低かったために、この像の中では隅に慎ましく彫られているにすぎない、と『地球の歩き方』なんかには書いてある。

 だけど、王のすぐ左手にいる人物は誰なのか、という疑問がわいてくるの僕だけか。手に払子【ほっす】らしきものを持っているんで坊さんかなと思うけど、髪の毛は長いみたいだし。これ一体だーれ?もう一つ、王は王子の結婚に反対したのに、なんで4人が仲良く像におさまってるのか、という疑問。

 もっと根本的な疑問としてマーラという女性が本当にいたのか?普通にマーラといったら、ブッダが菩提樹の下で悟りを開くための瞑想に入ろうとした時に、それを妨害しようとした魔神のことを指す。だから、マーラは固有名詞ではなく、王子を誘惑する欲望を指しているのかな、と僕は思うわけです。ちなみに、マーラがブッダの修行の邪魔をした故事から、坊さんの修行の妨げになる欲望の象徴として、男性のチン◯◯を「魔羅」と呼ぶんだよ。

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 宝物館の脇から裏手に出て、展望台になっている岩山のてっぺんに向かう。今にも落ちてきそうな岩が頭上に。そう言えば、落ちてきそうで落ちない奇岩として有名だった南阿蘇村の「免の石」が、2016年の熊本地震で落ちちゃったけど、この岩大丈夫なんだろうね。

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 岩と岩の間にマッチ棒みたいなものがいっぱい並んでるけど、これがつっかい棒となって上の岩が転がってくるのを防いでるんだって。ほんな、アホな。

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 岩山の中腹には仏足石。ブッダが亡くなってから500年程は仏像が造られることが無かったので、代わりに菩提樹や仏足石が崇拝の対象となった。ブッダの足はご覧の通り扁平足。真ん中に彫られている法輪はブッダの教えを意味しており、指先には卍も彫られている。

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 ようやく岩山のてっぺんに到着。こうして上から見ると、まさしくロック・テンプル。岩山をうまく利用してお寺が造られている。

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 展望台から東の方角にはアヌラーダプラの町全域が見渡せる。

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 西の方角に広がる湖は灌漑用に掘られたティッサ・ウェワ湖。スリランカには灌漑用貯水池であるウェワが中小規模のものも含めると1万にものぼり、三毛作を可能にし、農業生産を飛躍的に向上させた。5世紀、グプタ朝のインドに経典を求めて旅した東晋の坊さん法顕は、帰路は海路をとりスリランカに立ち寄っている。帰国後に著した『仏国記』に当時のアヌラーダプラの溜池と灌漑技術、水管理の方法についての詳細な研究が残している。遣唐使として中国に渡った空海はこの本を読み、帰国後に香川県の満濃池の大改築を行ったという。スリランカの灌漑技術が日本に伝えられたとしたら、日本はえらい昔からスリランカのお世話になっていたわけだ。

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 ここにも綺麗な花が咲いている。黄色いシャワーを浴びているように見えるので、ゴールデン・シャワー。

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 見事な菩提樹の木。言うまでもなくブッダはこの木の下で悟りを開かれたのだが、上座部仏教では仏像よりも重要視されている。この国の仏教徒にとって誇りとされる菩提樹は、このアヌラーダプラにあるのだが、今からその菩提樹を参拝にいく。どんな菩提樹か、って。それはあとのお楽しみ。(つづく)

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テーマ:海外旅行 - ジャンル:旅行

【 2018/04/02 06:12 】

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