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なまぐさ坊主の聖地巡礼

プロフィール

ホンジュン

Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
 毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。

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世界史のミラクルワールドー光の神アフラ=マズダ・ゾロアスター教

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 前550年にアケメネス家のキュロス2世はメディアを滅ぼして独立王国を樹立、さらにリディア・新バビロニアを滅ぼした。続くカンビュセス2世が前525年にエジプトを征服し、オリエント統一を成し遂げた。

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ダレイオス1世の謁見図

 アケメネス朝全盛期の国王がダレイオス1世である。中央集権体制を確立し、エーゲ海からインダス川にいたる最大領土を実現した。帝国を20の州にわけ、サトラップを任命して統治させ、「王の目」「王の耳」と呼ばれた巡察使を派遣して、サトラップの動向を監視させた。

 幹線道路の整備にも力を入れ、「王の道」と呼ばれた。都のサルデスから小アジアのサルデスに至る道路は約2500kmにもおよび、111の宿駅が設けられた。普通は90日かかる行程を早馬では7日で飛ばすことが出来たという。

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 ダレイオス1世が建設したのがペルセポリスの宮殿。アケメネス朝の王は春はスサ、夏はエクバタナ、冬はバビロンで過ごし、その度に宮廷も宝物庫も王とともに移動した。ペルセポリスの用途はよく分かっていないが、新年の祝い(イランの新年は春分の日に始まる)を執り行う場であり、諸民族からの貢納を受け取り、アケメネス朝の王権が神から与えられたことを確認する聖域であったと言われている。この宮殿はアレクサンドロス大王によって焼かれた後は使われることはなく、廃墟となってしまった。現在立っている柱の多くは修復されたものである。

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 ダレイオス1世というと、ローリンソンが楔形文字を解読する際に手がかりとしたベヒストゥーン碑文が有名である。写真はダレイオス1世の戦勝記念碑文のレリーフ。左から3番目がダレイオス1世で、誰かを踏みつけているのが分かるかな。

 実はカンビュセス2世の没後、王統が絶えたため、帝国のあらゆることろで、自ら王と称して反乱をを起こす者が続出した。ダレイオスはこの反乱を鎮圧して、王位を簒奪した。ダレイオスが踏みつけているのが反乱軍の王ガウマータで、右には首に縄をかけられて引き据えられた9人の王が描かれている。

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 その上に彫られている像があるんだけど、見難いので、別の画像で説明するね。羽根の真ん中に光輪があって、そこにおっさんがいるけど、これがゾロアスター教の最高神であるアフラ=マズダだと言われてきた。でも、ゾロアスター教を国教としたササン朝ではこの像は描かれておらず、またヘロドトスもペルシア人は寺院も建てず神像も持たないと言ってるから、どうも違うみたいだ。


 ただ、この碑文では、彼がアラフ=マズダに深い帰依を表明し、自分が王位に就いたのもアフラ=マズダの恵みだと述べているので、アフラ=マズダを信仰していたのは確実だ。

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 ゾロアスター教は、基本的には光明神(善神)であるアフラ=マズダを最高神とする一神教である。また、偶像ではなく、火を最高神の神聖な象徴として崇拝するので拝火教とも言われる。光明神アフラ=マズダに対して常に敵対するのが暗黒神(悪神)であるアーリマンだ。世界を善神と悪神の戦場とみるから、昼と夜の交替もこの2神の抗争と考える。世界の歴史は1万2000年続き、やがて終末には救世主が現れて最後の審判が下され、アーリマンは打ち負かされるとする。そのような世界観はその後のユダヤ教やキリスト教などの一神教に影響を与えたと考えられている。

ちなみに、哲学者ニーチェの著書『ツァラトゥストラかく語りき』のツァラトゥストラはこの宗教の創始者であるゾロアスターのことだよ。

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タタ・モータースのトラック

 ササン朝の滅亡後、イランではイスラーム教が主流になり、ゾロアスター教はほぼその力を失った。しかし、その一部がインドに逃れ、ムンバイを中心にパールスィーと呼ばれる独自のカーストを形勢している。パールスィーはペルシア人という意味だ。現在、パールスィーは約25万人ほどいる。彼らは経済活動に優れており、インド最大の財閥であるタタ=グループの創始者ジャムシェトジー=タタもゾロアスター教徒だ。タタ=グループは現在はムンバイを中心に100社、58万人を雇用、製鉄・自動車・電力会社を主力に約10兆円を売り上げている。

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ムンバイの「沈黙の塔」

 ゾロアスター教では、死体は不浄なものとされる。だから、ササン朝時代には死体は路傍に放置し禿鷹に食わせるか、カラカラに乾燥させるかして骨だけにしてから、摩崖横穴に放り込む曝葬が行われていた。でも、現在ではさすがに路傍に放っておけないので、死体を高い塔の上部において禿鷹が出入りできるような施設が造られている。これを「ダフマ」、英語では「沈黙の塔」という。気持ち悪~。

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 ゾロアスター教は日本に何の関係もなさそうだけど、それがそうでもないんだ。写真は東大寺二月堂の「お水取り」(正式には修二会【しゅにえ】)のシンボルのような行事で、二月堂の舞台で火のついた松明を振り回す「お松明」だ。火の粉が散って迫力があるよね。これどうもゾロアスター教の影響らしい。推理作家の松本清張が『火の路』で唱えた説なんだけど、僕は正しいと思ってる。

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 僕らぐらいの年配の人だったら、「東芝のマツダランプ」という電球があったのを覚えていると思う。子供心に東芝なのに、なんで松田のランプなんだと思っていたら、これが何とMAZDA Lampで、MAZDA はアフラー=マズダのことなんだ。アメリカのゼネラル・エレクトリックからライセンスを得て、東芝が販売していた。アフラ=マズダは光の神だから、電球にはばっちりのネーミングだ。

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 MAZDAと言えば、このエンブレムを思い出すよね。ご存じの通り、自動車メーカーのマツダ株式会社のものだ。創業者である松田重次郎の姓と、アフラ=マズダにちなみ自動車産業界の光明となるよう願って綴られたんだってさ。日本にも結構ゾロアスター教の影響があるんだね。

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テーマ:歴史 - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2019/05/05 05:17 】

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