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なまぐさ坊主の聖地巡礼

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ホンジュン

Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
 毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。

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世界史のミラクルワールドーマラトンの戦い・ペルシア戦争①

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 小アジアのエーゲ海に面するイオニア地方は早くから商業活動が活発で、経済的に豊かであった。そのため、前6世紀前半にミレトスに自然哲学が興り、タレースらの哲学者を輩出するなど、ギリシア世界の中でも先進地域であった。しかし、前6世紀の半ばにアケメネス朝のダレイオス1世の攻撃を受け、その支配下に入ってしまった。

 イオニア地方の諸ポリスは貿易活動を制限されことなどへの不満が強まり、ついに前499年、ミレトスの音頭取りでペルシアへの反乱を起こした。ミレトスから支援を要請されたギリシア本土では、アテネとエレトリアがそれぞれ20隻と5隻の軍船を送ったが、前494年、ミレトスが陥落してこの反乱は失敗に終わった。

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ダレイオス1世
 
 援軍を送ったことが気に食わないダレイオス1世は、前492年、懲罰の意味でアテネとエレトリアに軍隊を送った。これがペルシア戦争の始まりである。第1回のペルシア戦争でペルシアはトラキア地方を侵略したが、海軍がエーゲ海北岸のアトス岬で暴風にあって壊滅、失敗に終わってしまう。憤懣やる方ないダレイオスは前490年、大遠征軍を再度ギリシアに派遣した。

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 ペルシア海軍は今度はエーゲ海の島々をぬって航行し、エレトリアを陥落させた後、アッティカの東岸マラトンに上陸した。迎え撃ったミルティアデス指揮のアテネ軍は重装歩兵部隊の目覚ましい戦いぶりでペルシア軍を敗走させた。この戦闘での死者は、ヘロドトスによれば、アテネ側が192名、ペルシア側が6400名だった。

 かの軍事大国スパルタは何もしなかったのか?いや、そうではない。スパルタはアテネから援軍派遣を求められたものの、満月まで出動してはならないという掟のために援軍出発が遅れ、マラトンに到着したのは戦闘の1日後だった。アテネがスパルタの支援なしでペルシアの大軍を撃退したことで、ギリシア世界におけるアテネの評価が高まることになった。

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 この戦闘の後、アテネの元老に勝利を伝えるために伝令のフィディピディスがマラトンからアテネまでを一気に駆け抜け、「我勝てり」とアテネの勝利を告げると同時に息絶えた。これを記念してオリンピック競技の中に、マラトンとアテネ間の距離を約40キロを走るマラソン競技が始まったと言われるが、これは嘘。

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金沢マラソン

 ヘロドトスの『歴史』には、フィリッピデスという伝令が、マラトンの戦いの直前に、アテネから2日間で走ってスパルタに援軍を要請したという話は出てくるが、勝利を報告してバッタリ倒れた、という話は出てこない。また、古代オリンピックの長距離走は4600m走で、40キロも走っていなかった。

 実はこの話は、近代オリンピック開催を実現させたクーベルタン男爵の友人のブレアルという古典学者が、マラソン競技を提唱したときに援用した伝説に過ぎなかった。事実ではない神話であったが、1869年にアテネで開催された第1回大会で無名のギリシア人ランナーのスピリドン・ルイスが優勝したことで、ギリシア中が沸き立ち、すっかりこの神話が事実として定着した。

 なお、マラソンの距離は大会ごとにまちまちで、だいたい40キロで行われていた。42.195キロを走ったのは、1908年の第4回ロンドンオリンピックの時が最初で、1924年の第8回パリオリンピック以降この距離に統一された。だから、NHK大河ドラマ「いだてん」の金栗四三が出場したストックホルム大会の時も42.195キロではなく、40.2キロだった。日射病で途中棄権しちゃったけどね。

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テーマ:歴史 - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2019/05/22 05:34 】

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