なまぐさ坊主の聖地巡礼
プロフィール
Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。
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8月3日(土)
アザーンの声で目が覚めた。アザーンは「アッラーフ・アクバル(神は偉大なり)」で始まる、礼拝(サラート)への呼びかけ。「アシュハド・アン・ラー・イラーハ・イラーッラー(アッラーの他に神は無しと私は証言する)。………」政教分離を国是としたトルコ共和国の父アタテュルクは、アザーンをトルコ語で行うよう定めたが、しばらくしてアラビア語に戻ってしまったそうだ。
今何時?4時20分。昨日ベッドに入ったのが12時をまわっていたから、4時間しか寝てないじゃないの。もう少し寝かせてよ。「ハイヤー・アラッサラー(いざや礼拝に来たれ)、ハイヤー・アラッサラー」。わかった、わかった、起きますよ。なにしろ泊まっているホテルが、ガラタ橋近くの旧市街地にあり、周りには多くのモスク(トルコ語ではジャーミィ)があるので、アザーンの声がうるさいのは仕方がない。
ホテルはレガシー・オットマン・ホテル。1911年に完成した歴史的建造物ワクフ・ハンを改装した五つ星ホテルだ。
シナンはカッパドキアのキリスト教徒の村に生まれている。24歳の時にデウシルメという少年徴集制度によって徴用され、イスラーム教に改宗させられ、イェニチェリと呼ばれる兵士団に入れられた。やがて建築家として頭角をあらわしたシナンは、100歳で亡くなるまでの間に477の建築作品を造った。イスタンブールで有名な建築と言えばもちろんユスティニアヌス大帝の命により建てられたアヤ=ソフィア。ドームの直径が31m。これを超える直径32mのドームを持つセリミエ=ジャーミィを87歳の時に建てた。まさに至難(シナン)の業である。ちなみにミマールは建築家のこと。夢枕獏がシナンについて小説を書いていると知ったのは、つい最近。飛行機の中でやっと読み終えた。
セリミエ=ジャーミィはガイドのシネムさんの故郷エディルネにあり、今回のコースには残念ながら入っていない。スレイマニエ=ジャーミィは当然コースに入っている。ところが、ホテルのすぐ近くにシナンが設計したモスクがあるのだ。リュステム・パシャ・ジャーミィ。素晴らしいイズニックタイルをふんだんに使ったモスクらしいが、訪れる観光客は少ないと、『地球の歩き方』に書いてある。今回の旅も旅行社はいつもながら大阪のトラベルサライ。添乗員は奥村雅堂君。彼とのつきあいは平成9年のインドの時からだから、もう15年以上になる。彼にリュステム・パシャ・ジャーミィはコースに入っているか聞いたら、分からないという答え。ホテルのすぐ近くだし、恐らくコースには入れてないだろう。なら、自分で行くしかないと、午前6時、『地球の歩き方』を手に家内と二人で散歩に出た。(つづく)
アザーンの声で目が覚めた。アザーンは「アッラーフ・アクバル(神は偉大なり)」で始まる、礼拝(サラート)への呼びかけ。「アシュハド・アン・ラー・イラーハ・イラーッラー(アッラーの他に神は無しと私は証言する)。………」政教分離を国是としたトルコ共和国の父アタテュルクは、アザーンをトルコ語で行うよう定めたが、しばらくしてアラビア語に戻ってしまったそうだ。
今何時?4時20分。昨日ベッドに入ったのが12時をまわっていたから、4時間しか寝てないじゃないの。もう少し寝かせてよ。「ハイヤー・アラッサラー(いざや礼拝に来たれ)、ハイヤー・アラッサラー」。わかった、わかった、起きますよ。なにしろ泊まっているホテルが、ガラタ橋近くの旧市街地にあり、周りには多くのモスク(トルコ語ではジャーミィ)があるので、アザーンの声がうるさいのは仕方がない。
ホテルはレガシー・オットマン・ホテル。1911年に完成した歴史的建造物ワクフ・ハンを改装した五つ星ホテルだ。
瀟洒なヨーロピアンスタイルの外観、中は吹き抜けになったロビーに、豪華ななシャンデリアやソファー。「星五つです」と言いたいところだが、昨晩風呂に入ろうとしたら、バスタブの栓がない。栓を持ってきて貰って、お湯を張ろうとしたら、お湯が抜けていってなかなk貯まらない。その上にお湯が茶色。パキスタンのフンザのホテルでもお湯が茶色だったが、あの時はフンザ川の濁り水が入り込んだんだろうということで、フンザ温泉と洒落てみたが、今度は間違いなく水道管の錆。結局お湯が透明になったのは三日目。我慢して入って、お湯を抜こうとしたら、今度は抜けない。その上、付いているはずの歯ブラシはないし、掛け布団もない。まあ飯は不味くないので、外観五つ星、内容四つ星ですな。
ミマール・シナンという人物をご存知だろうか?世界史Bの用語集にも出てこないマイナーな人物だが、その名前を初めて知ったのは今年の2月、NHKの「世界遺産・時を刻む」であった。オスマン帝国全盛期のスルタン・スレイマン1世の命でスレイマン=モスク(トルコ語だとスレイマニエ=ジャーミィ)を建てた建築家。これだけなら、フーンで終わるだろうが、彼について調べていくうちに、シナンという人物にどんどん引き込まれていった。 シナンはカッパドキアのキリスト教徒の村に生まれている。24歳の時にデウシルメという少年徴集制度によって徴用され、イスラーム教に改宗させられ、イェニチェリと呼ばれる兵士団に入れられた。やがて建築家として頭角をあらわしたシナンは、100歳で亡くなるまでの間に477の建築作品を造った。イスタンブールで有名な建築と言えばもちろんユスティニアヌス大帝の命により建てられたアヤ=ソフィア。ドームの直径が31m。これを超える直径32mのドームを持つセリミエ=ジャーミィを87歳の時に建てた。まさに至難(シナン)の業である。ちなみにミマールは建築家のこと。夢枕獏がシナンについて小説を書いていると知ったのは、つい最近。飛行機の中でやっと読み終えた。
セリミエ=ジャーミィはガイドのシネムさんの故郷エディルネにあり、今回のコースには残念ながら入っていない。スレイマニエ=ジャーミィは当然コースに入っている。ところが、ホテルのすぐ近くにシナンが設計したモスクがあるのだ。リュステム・パシャ・ジャーミィ。素晴らしいイズニックタイルをふんだんに使ったモスクらしいが、訪れる観光客は少ないと、『地球の歩き方』に書いてある。今回の旅も旅行社はいつもながら大阪のトラベルサライ。添乗員は奥村雅堂君。彼とのつきあいは平成9年のインドの時からだから、もう15年以上になる。彼にリュステム・パシャ・ジャーミィはコースに入っているか聞いたら、分からないという答え。ホテルのすぐ近くだし、恐らくコースには入れてないだろう。なら、自分で行くしかないと、午前6時、『地球の歩き方』を手に家内と二人で散歩に出た。(つづく)