なまぐさ坊主の聖地巡礼
プロフィール
Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。
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写真はローマのカピトリーノの丘にある美術館が所蔵する「カピトリーノの雌狼」で、世界史の教科書や資料集には必ず掲載されている像なので、皆さんも一度は目にされたことがあると思う。ロムルスとレムスの双子の兄弟が狼の乳房から乳を飲んでいる。今回はこの二人の兄弟の話をしよう。
ミケーネの王アガメムノンの率いるギリシア軍が小アジアに遠征、トロイアとの10年にわたる戦争の後、その都を攻め滅ぼした。このお話は前にしたが、実は話には続きがある。灰燼に帰したトロイアにあっても、生き残った僅かばかりの人びとがいる。その中に王族の血を引く武将アエネイスがいた。トロイアの英雄ヘクトルの亡霊が夢に現れ、祖国の祭祀を守ってほかの地に新しい都を建てるように諭す。
トロイアを脱出するアエネイス
父を背負い、息子の手を引いて、旅立つアエネイス。母たる美の女神ウェヌスは彼を見守るのだが、トロイアを恨む女神ユーノーはその陥落後も執念深く落人をすら苦しめる。アエネイスは多年にわたって地中海世界を放浪し、艱難辛苦の冒険の末にイタリア半島にたどり着いた。北上してラティウムに達し、テヴェレ川をさかのぼってラテン人の住む土地に迎えられる。しかし、トロイア人とラテン人の間ではもめ事が度重なった。長く激しい戦いの末に、やがて平和が訪れる。アエネイスはラテン人の王の娘ラウィニアを娶り、新しい都を建設する。その都は妻の名にちなんでラウィニウムと名づけられた。
ここまでが、ウェルギリウスの建国叙事詩『アエネイス』で語られる。それ以後の伝説では、アエネイスの息子アスカニウスがアルバ・ロンガに都を遷し、アエネイス王家は長くラテン人を支配した。やがておよそ200年後のアルバ王プロカスは、二人の息子のために遺産を財宝と王国の二分。兄ヌミトルは王国を選び、弟アムリウスは財宝を選ぶ。しかし、腹黒い弟は兄の王位を奪い、兄の子孫を根絶やしにしようとした。男子は殺され、娘のレア・シルヴァはウェスタ女神の巫女【みこ】にされた。この巫女は生涯を処女で過ごさなければならなかった。
でも、森の川辺で居眠りをしていたレアを、通りかかった軍神マルスが見初めて犯してしまう。やがて身籠もったレアは双子の兄弟を産んだ。アムリウスは怒り狂い、彼女の双子をテヴェレ川に流す。
だが双子を入れた籠は無花果【いちじく】の枝に引っかかって漂着。そこに一匹の雌狼が近づき、双子に乳を与えた。
その後、双子は羊飼いに発見され、羊飼いの夫婦は双子が狼の乳房(ルーマ)から乳を飲んでいたところから、双子をロムルスとレムスと名づけて育てた。
彼らは成人すると自分たちの素性を知り、若者を率いてアルバ・ロンガを攻略、祖父ヌミトルに復位してもらう。しかし、彼らの野望はそれに留まらなかった。自分たちが拾われた場所に新しい都を建てることにする。ロムルスはパレティーノ丘を選び、レムスはアヴァンティーノ丘を選んだ。どちらが新都の支配者となるべきか。彼らはその決定を鳥占いの神意に仰ぐ。曙のさすころ鷹が現れ、アヴァンティーノ丘には6羽、パレティーノ丘には12羽がとまる。神意はこの地の支配者にロムルスを選んだのである。
ロムルスは2頭の牛に引かせた犂【すき】で都の聖域(ポメリウム)を決め、そこに周壁をめぐらした。神意の賭けに不満だったレムスは周壁を壊して飛び越えてしまう。
怒ったロムルスはレムスを殺し、聖域を侵す者は死刑にすると宣告した。絶大なる支配者をなったロムルスにちなんで、この新都はローマと名づけられたという。ということは、ローマは乳房、つまりおっぱいの変形だということだ。
この伝説上の出来事は前753年4月21日のこととされる。いまでもこの日は、ローマの住民にとって永遠の都の誕生を祝う祭りの日に当たる。
ここまでは、あくまで伝説だが、歴史家が考えるローマの建国は150年ほど後のことになる。イタリアでは前1000年頃に鉄器時代が始まるが、テヴェレ川河畔の7つの丘にしだいに集落が発達し、前600円頃にこれらの集落が合体して都市を形成したと考えられている。
パレティーノの丘
テヴェレ川と7つの丘に守られた地域が古代ローマの中心地になり、パレティーノの丘の北に、ローマの政治・経済の中心となる広場フォロ・ロマーノが築かれた。この小さな都市が地中海世界を支配する大帝国へと発展していくのである。
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