なまぐさ坊主の聖地巡礼
プロフィール
Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。
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8月20日(日)
管理人のおじさんに貰った胡瓜をかじりながらクムトラ千仏洞を見学したあと、午後6時40分スバシ故城を訪ねた。
管理人のおじさんに貰った胡瓜をかじりながらクムトラ千仏洞を見学したあと、午後6時40分スバシ故城を訪ねた。
故城と呼ばれているが、クチャ川を挟んで西岸と東岸の二つに分散して建立された大寺院の跡である。中国語の標識にも、「蘇巴什仏寺遺址亦称・昭怙厘大寺・俗称・蘇巴什古城」と書かれている。前にも書いたように探検家スタインは、玄奘三蔵の記した『大唐西域記』に「荒城の北四十余里、山の入り込みに接し、一つの河を隔てて二伽藍【がらん】あり、昭怙釐【しょうこりん】と名づけ、東西相対す」とあることから、スバシ故城をジャクリ(昭怙厘・雀離)大寺と考え、標識も彼の説によっている。しかし、最近の研究では、キジル千仏洞がジャクリ大寺であるとする説が有力になって来ているそうな。
中国仏教史上の基本史料である『出三蔵記集』には、「王新僧伽藍という寺には九十人の僧がおり、その中に年少の沙門で字を鳩摩羅という者がある。才は大にして高明で、大乗を学んでいる」とあり、王新寺という寺院名も出て来るのだが、スバシ故城がジャクリ大寺でないとすると、この王新寺にあたるのであろうか。ジャクリ大寺か、王新寺か?王新寺か、ジャクリ大寺か?まあ、どっちでもいいか!!
西寺の西方には高さ20mほどの巨大な仏塔跡がある。1978年、この塔の周辺から墓が発見され、棺材の放射性炭素測定から、仏塔は3世紀には建立されていたことが明らかにされている。ということは、羅什の生きた時代にこの塔はすでに存在したことになり、ジャクリ大寺であろうが、王新寺であろうが、この空間に羅什が身を置いていたことは疑いようがない。いま僕の頬をなでている風は羅什の頬もなでたのだろうか。
全盛期には3000人もの僧たちが生活していたというが、今は荒れ果てた広大な敷地に、倒壊した日干し煉瓦の寺院址が点在するのみである。全国重点文物保護単位に指定されているわりには、手入れも行き届いておらず、何十年か後にはすべて崩れ落ちて沙漠に同化してしまうのではないだろうか。
午後7時頃という遅い時間であったためか、見学者はわれわれ一行の他に一組のカップルだけ。夕陽を背にした仏塔がシルエットとなり、余計に寂しさが募る。時の流れとは何と残酷なものか。
しかし、それがこの世の真理であり、釈尊の最後の言葉も、「もろもろの事象は過ぎ去るものである。怠ることなく修行を完成なさい」であった。
午後7時頃という遅い時間であったためか、見学者はわれわれ一行の他に一組のカップルだけ。夕陽を背にした仏塔がシルエットとなり、余計に寂しさが募る。時の流れとは何と残酷なものか。
しかし、それがこの世の真理であり、釈尊の最後の言葉も、「もろもろの事象は過ぎ去るものである。怠ることなく修行を完成なさい」であった。
午後7時20分、スバシ故城をあとにしてバザールへ。シルクロードにいるぞ、という実感がわく。ウイグル族の子供たちも、出迎えてくれた。
ナンの売る店、西瓜を無造作に山積みにしてある店。羊の足をぶら下げてある肉屋。
そして、シルクロードと言えばシシカバブ(羊の串焼き)。兄ちゃんが手早くスパイスを振りかけて、焼き上げていく。1串に肉片6切で、2元(30円)。とにかく安くて、美味い。これでビールがあれば最高なんだが、イスラーム圏なのでアルコールはおいてない。 う~ん、残念。

午後8時45分、ホテルに帰って夕食。メインは子羊の丸焼き。遊牧民が客人を迎える際の最高のもてなしが子羊の丸焼き。家長が自らナイフで子羊をさばき、眼肉を客人の皿に取り分けるのが礼儀だが、ここはホテルなのでコックさんにやってもらう。これを気持ち悪いと言ってはならない。その民族の文化なのだから、郷に入っては郷に従え、喜んで食さなければならない。でも、羊が「なんで私を殺したのよ~」と言わんばかりに、恨めしい目で睨んでいるような気がして、なかなか箸がすすまない。でも、思い切って食べてみると、これが実に美味い。だって、鯛でも眼肉が一番美味いと言いますもんね。おまけに1頭につき2個しかない貴重品。僕は6年前に食べているので、今回が初体験の人達に譲った。
でもどうしても譲れないのが、羊の脳味噌。これが濃厚な味でなんとも言えない珍味。鱈の白子をもっと濃くした味というか、白子とチーズのハイブリッドというか、まあ食べてみないと分かんないなあ。とにかく美味いんだって。写真の手は人が食べてるのを、横から頂戴している僕の手。まあ、それくらい美味いんだって。嘘だと思う方は、今度シルクロードに行って食べてご覧。(つづく)
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