なまぐさ坊主の聖地巡礼
プロフィール
Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。
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8月21日(月)
午前1時45分起床。とんでもない時間の起床となったのは、クチャ站【たん】(中国では駅のことを站と表記する)午前2時51分発の南疆【なんきょう】鉄道でカシュガル(喀什)に向かうためである。昨夜夕食を済ませて寝たのが、11時半頃だったろうか。3時間ほどしか寝ていないので、とにかく眠い。時間が時間なのでポーターがおらず、皆で手分けしてスーツケースを列車に押し込み、寝ぼけ眼で軟臥車【なんがしゃ】(グリーン寝台)に乗り込み、毛布を被るなり寝てしまった。
羅什も7歳で出家しているが、母の強い願いによるものであった。そして、9歳の時に母とともに辛頭河(インダス川)を渡り、罽賓【けいひん】国(現在のカシミール)に留学している。羅什親子がどの経路をたどったか知られていないが、恐らく我々がこれからとるルートとほぼ同じであったはずだ。我々のように列車・バスを利用する旅と違い、徒歩での旅は9歳の羅什にとってはなはだ困難なものであったに相違ない。天山南路は極度の乾燥地帯をたどっている。1日10キロも歩けただろうか。クチャ・カシュガル間だけで750キロ、恐らく2カ月ほど要したと思われるが、我々はたったの9時間ほどでカシュガルに到着した。
午前1時45分起床。とんでもない時間の起床となったのは、クチャ站【たん】(中国では駅のことを站と表記する)午前2時51分発の南疆【なんきょう】鉄道でカシュガル(喀什)に向かうためである。昨夜夕食を済ませて寝たのが、11時半頃だったろうか。3時間ほどしか寝ていないので、とにかく眠い。時間が時間なのでポーターがおらず、皆で手分けしてスーツケースを列車に押し込み、寝ぼけ眼で軟臥車【なんがしゃ】(グリーン寝台)に乗り込み、毛布を被るなり寝てしまった。
南疆鉄道はウルムチ・カシュガル間1558キロを結ぶ鉄道路線で、1999年に全線が開通している。往年のシルクロード天山南路に沿っており、砂漠地帯を貫く過酷な大地の中を二階建ての列車が走る。6年前はクチャからウルムチまでの夜行列車を利用したのだが、石油会社の要人が乗るという理由で、一方的に軟臥車を硬臥車(一等寝台)に変更させられた嫌な思い出がある。
羅什の母・耆婆は羅什が5歳の時に出家している。夫の鳩摩羅炎も兄である亀茲王・白純も猛烈に反対したが、彼女の意志を覆すことは出来なかった。僧侶であった鳩摩羅炎を還俗させてまで結婚に踏み切った彼女が、なぜ出家したのであろうか?羅什には弗沙提婆【ふさだいば】という弟がいたが、幼くして亡くなったようで、それが動機であったのかも知れない。鳩摩羅炎は再び僧侶となることも許されず、王室の庇護も失い、どこともなくその姿を消すことになったと伝えられている。
羅什も7歳で出家しているが、母の強い願いによるものであった。そして、9歳の時に母とともに辛頭河(インダス川)を渡り、罽賓【けいひん】国(現在のカシミール)に留学している。羅什親子がどの経路をたどったか知られていないが、恐らく我々がこれからとるルートとほぼ同じであったはずだ。我々のように列車・バスを利用する旅と違い、徒歩での旅は9歳の羅什にとってはなはだ困難なものであったに相違ない。天山南路は極度の乾燥地帯をたどっている。1日10キロも歩けただろうか。クチャ・カシュガル間だけで750キロ、恐らく2カ月ほど要したと思われるが、我々はたったの9時間ほどでカシュガルに到着した。
カシュガルは古くは疏勒【そろく】国と呼ばれ、シルクロードの要衝として栄えた。玄奘三蔵もインドからの帰りに訪れており、かのマルコ=ポーロもやって来ている。
午後12時20分、色満賓館(セマン・ホテル)に到着。さっそく、ウイグルの美しい娘さん達が踊りで我々を出迎えてくれた。
色満ホテルとは何とも艶っぽい名前のホテルだが、元ロシア領事館として使用されていた格式のある三ツ星ホテルだ。
しかし、格式があるということは古いということでもある。部屋に入って、案外綺麗だなと思ったまでは良かったんだけど、用を足した後、案の定流れない。悪戦苦闘しても流れない。紙は仕方ないとして、取り敢えず何とか自分の分身を処理して、修理をお願いした。すぐに来てくれたのだが、結局流れない。
でも、腹は立たない。腹が立つどころか、これも旅の楽しみの一つになってしまっている。毎回きちんと流れるほうが異常なのかも知れませんよ!!
昼食中、隣に座っていたT君が突然飛び上がった。何事かと思ったら、どうも太股を虻【あぶ】に噛まれたらしい。この人は虫に好かれているらしく、インド旅行の時もベッドに潜んでいた壁蝨【だに】どもに血を吸われてボコボコにされたことがある。だんだん腫れて来て、痛みもひどくなって来たので、病院に連れて行ってもらうことになった。
彼からあとで聞いたのだが、病院には女性のスタッフしかいなかったそうだ。彼がズボンを脱いで患部を見せようとすると、恥ずかしがって「止めてくれ」と言われたそうだ。結局ズボンを下からまくり上げるという困難な方法で患部を見て貰ったそうだが、さすがイスラーム圏である。カシュガルに住むウイグル族はイスラーム教徒で、イスラーム教徒には、父親と夫以外の男性に肌を見せてはいけないという戒律がある。「男女七歳にして席を同じくせず」の世界にあって、男のパンツ姿を見るなんて、とんでもないことなのである。(つづく)
でも、腹は立たない。腹が立つどころか、これも旅の楽しみの一つになってしまっている。毎回きちんと流れるほうが異常なのかも知れませんよ!!
昼食中、隣に座っていたT君が突然飛び上がった。何事かと思ったら、どうも太股を虻【あぶ】に噛まれたらしい。この人は虫に好かれているらしく、インド旅行の時もベッドに潜んでいた壁蝨【だに】どもに血を吸われてボコボコにされたことがある。だんだん腫れて来て、痛みもひどくなって来たので、病院に連れて行ってもらうことになった。
彼からあとで聞いたのだが、病院には女性のスタッフしかいなかったそうだ。彼がズボンを脱いで患部を見せようとすると、恥ずかしがって「止めてくれ」と言われたそうだ。結局ズボンを下からまくり上げるという困難な方法で患部を見て貰ったそうだが、さすがイスラーム圏である。カシュガルに住むウイグル族はイスラーム教徒で、イスラーム教徒には、父親と夫以外の男性に肌を見せてはいけないという戒律がある。「男女七歳にして席を同じくせず」の世界にあって、男のパンツ姿を見るなんて、とんでもないことなのである。(つづく)
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