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なまぐさ坊主の聖地巡礼

プロフィール

ホンジュン

Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
 毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。

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世界史のミラクルワールドー「ラー・イラーハ イッララー」・六信五行②

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 『コーラン』に定められたムスリムが行う儀礼的規範が五行で、信迎告白・礼拝・断食・喜捨・巡礼の5つである。

 ①信仰告白(シャハーダ)は、「アッラーの他に神はなし、ムハンマドはアッラーの使徒である」の章句を声に出して唱えること。アラビア語では、「ラー・イラーハ イッラッラー ムハンマド ラスールッラー」となる。2人以上の証人の前で、これを1度唱えればムスリムになることができるが、これで終わりではなく、常にこれを唱えなければならない。写真はサウジアラビアの国旗だが、聖地メッカの守護を表す剣の上にこの章句が書かれている。

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 ②礼拝(サラー)は1日5回カーバの方角に向かって行われる。写真中央のややくぼんだ部分がカーバの方角を示しており、これをミフラーブという。イスラーム教は偶像崇拝を禁止しているので、モスクの内部には宗教的絵画や彫刻などは一切無く、説教壇ミンバルが置かれているだけである。


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 礼拝には一定の決まりがあり、『コーラン』の章句や神を讃える言葉を唱えながら、①~⑫の順で礼拝を行い、普通は③~⑨の動作を2~4回繰り返す。礼拝は普段は家庭などで個人で行ってもいいが、イスラームの祝日である金曜日には、お昼の礼拝は、モスクに集まってみんなで行うことが奨励される。

時計 
   
 礼拝の時間帯は、1回目は夜明け前、2回目は昼、3回目は日没前、4回目は日没直後、最後は夜となっており、最近は電光掲示板で時間を示しているモスクもある。

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 礼拝が始まる時間を告げる呼びかけをアザーンというが、そのためモスクに付属して建てられたのがミナレットである。ミナレットは普通4本建てられるが、イスタンブルのブルーモスクは6本もある。  

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 アザーンを唱える人を
ムアッジンというが、昔はムアッジンがミナレットに登り、その上からアザーンが行われたが、現在はスピーカーが取り付けられている。

 アザーンの内容は次の通り。「アッラーフ・アクバル(アッラーは偉大なり)」(4回)、「アシュハド・アン・ラー・イラーハ・イッラッラー  (アッラーの他に神は無しと私は証言する)」(2界)、「アシュハド・アンナ・ムハンマダン・ラスールッラー(ムハンマドは神の使徒なりと私は証言する)」(2回)、「ハイヤー・アラッサラー (いざやサラート(礼拝)へ来たれ)」(2回)、「ハイヤー・アラルファラー(いざや成功(救済)のため来たれ)」(2回)、「アッサラート・ハイルン・ミナン・ナウム (礼拝は睡眠にまさる)」(2回)、「アッラーフ・アクバル  」(2回)、「ラー・イラーハ・イッラッラー (アッラーの他に神は無し)」

 これだけの言葉をゆっくりと音を伸ばして唱える。

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ザカートが子供達に配られる(インドネシア)
 
 ③喜捨(ザカート)は困窮者を助けるための義務的な財産税のことで、果実、らくだ、家畜、羊、金銀、商品を所有するムスリムに課せられ、その税率は利益の 2.5~10%である。これとは別に自由喜捨のサダカがある。

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 ④断食(ラマダーン)はヒジュラ暦9月(ラマダーン月)の約1ヵ月間、日の出前から日没まで行われる。2019年は5月5日~6月3日の29日間。この間、飲み食い一切が禁止されるのは勿論、唾を飲み込んだり、タバコを吸ったりするのも禁止。また、アラビア語では「サウム」といい、「斎戒」の意味があり、この期間は性行為・喧嘩・悪口などを慎み、『コーラン』を読んだり施しをしたりすることが薦められる。

 断食は成人ムスリムにとって義務だが、重い病人・高齢者など、体力的に断食に耐えられない人は免除される。その場合、代わりに貧困者への施しをする。また、旅行者・妊娠授乳中の女性・病人など、一時的に断食ができない場合は、時期をずらすことができ、翌年のラマダーンまでに、できなかった日数分の断食を補ってやることになる。子供の場合も第2次性徴があらわれるまでは義務とはなっていない。

 断食は過酷な義務であるが、一定時間欲望を我慢することで、忍耐強くなる。さらに、空腹や乾きを体験することで、恵まれない人々の気持ちを理解し、食べ物や飲み物があることへの感謝の気持ちが生まれる。日没後には食事は出来るが、世界には時間が来ても、食べ物や飲み物を手に入れることができない人たちも大勢いる。断食はそのことを思い出させる。また、民族・国・貧富の差などに関わらず一斉に断食をすることで、世界中のムスリムが一体感を味わうことが出来る。

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 ⑤巡礼(ハッジ)はメッカへの大巡礼のことで、ヒジュラ暦第12月であるズー=ル=ヒッジャ月(巡礼月)の8日から10日の時期を中心に行われる。2019年は8月9日から。ハッジは「タワーフ」(カーバの周りを反時計まわりに7周回る)という行に始る一連の諸儀礼から構成されており、この期間には世界中から300万人程度の巡礼者が集まる。この巡礼者が二手に分かれて礼拝を行うさまは、さぞかし凄いと思うが、メッカの町にはイスラーム教徒しか入ることはできない。

 すべてのムスリムに、少なくとも人生のうちに1回メッカへ巡礼することが義務づけられているが、巡礼は実行できる体力や財力のある者のみが行えるものである。また、世界のムスリムは14億人とも言われているので、サウジアラビア政府は、各国からの巡礼者受け入れ数をムスリム人口の0.1%程度に制限してい。だから、運が良くないと抽選に当たらない。したがって、ハッジはムスリムにとって義務というよりも人生最大の目標となっている。ハッジをすませた者は「ハッジ(巡礼者の意、女性の場合はハッジャ)」と呼ばれ、ムスリムの社会で尊敬を受けることになり、かの鄭和の祖父さんもハッジと呼ばれていた。


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テーマ:歴史 - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2019/09/29 05:18 】

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