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なまぐさ坊主の聖地巡礼

プロフィール

ホンジュン

Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
 毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。

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古都バガン⑥ーアーナンダ寺院

8月19日(月)

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 午後4時5分、ホテルを出て近くの漆工房へ。ミャンマーの漆器はバガン王国が栄えていた頃から少し後の時代、14世紀から18世紀頃にかけて、タイ北部から漆器作りの技法が伝わり、定着したらしい。エーヤワディー川流域で豊富な竹と、シャン丘陵で採れる漆を組み合わせて作られる。

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 わが石川県は日本屈指の漆器生産地で輪島塗や山中塗がある。おっちゃんが一生懸命に制作中だが、あまり興味がわかない。

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 「タナカ」を塗ったお姉さんたちは小刀で模様を彫っているようだ。お義理みたいに30分ほど見学して工房を後にした。

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 午後4時55分、アーナンダ寺院に到着。アーナンダ寺院はバガンを代表する、最大かつ最もバランスの取れた美しい寺院とされている。1090年、バガン朝第3代チャンスィッター王の手で建てられた。

 チャンスィッター王は国内の政治的統一を維持し、バガン朝の最盛期を現出させた王である。王はモン人とビルマ人との融和統合に努め、仏教を篤く信仰した。しかし、王宮内では祭儀にはバラモン僧が関与し、王もヒンドゥー教などの供儀を執り行っていたようである。都城下ではヴィシュヌ信仰、大乗仏教、それにタトゥンからの上座部仏教が共存し、モン文化の影響が濃厚であった。

 
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 入り口の両側に何となく色っぽい2体の像がある。日本のお寺で門の両脇においでになると言えば、仁王さま、金剛力士だ。3年間に行ったスリランカでは聖域を護るガードストーンというのがあって、これが金剛力士像の原形とされている。そのガードストーンにはヤクシャ(夜叉)やその女性形であるヤクシーが彫られているんだけど、それと関係あるんかな。

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 本堂は一辺が63mの正方形で、東西南北4つの入り口がある。中に入ると目の前に黄金の仏像が。お賽銭がいっぱい。あっ、紙幣だからお賽札か。ん、また両脇に像が立っている。

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 これはもう間違いなく、スリランカで見た聖域を護るヤクシー像だよ。

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 アーナンダ寺院の本堂中央にはシュエジーゴン・パゴダと同じように、「過去四仏」の立像がそれぞれ四方を向いて収められている。高さは9.5mもある。

 この仏像は西を向いておられるGotama(釈迦牟尼仏)だ。右手は施無畏印で、左手は与願印。お釈迦さまの代表的なハンドサインで、「施無畏印」は相手の畏れをなくすサインで、「与願印」は相手の願いを聞き届けようという姿勢を表している。

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 仏像の前には1対の金箔の貼られた造花。ミャンマー版の常花だろうね。うちのお寺のご本尊にも常花が供えられている。日本の常花とデザインは違うけど、蓮の花だよね。

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 回廊の壁面には天井近くまで多くの壁龕【へきがん】があり、仏像が安置されている。その数1500というから、驚く。

 実は白い壁の下には壁画があるんだって。第二次世界大戦中に農民がこのお寺に逃げてきて、ここで煮炊きしたので壁全体が痛んでしまったそうだ。それを戦後修復の知識がなかったので、とにかく真っ白に漆喰を塗ってしまったそうだ。 

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 この像は降魔成道印を結んでいるから、ブッダが悟りを開くところだね。ということは、両腕を引っ張っているのは悟りの邪魔をしようとしているマーラ(悪魔)だろうね。

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 この像は転法輪印(説法印)を結んでいるから、ブッダがサールナートで初めて説法をしているところだ。でも初転法輪はコンダンニャをはじめ5人の修行者に対して行われたのに、説法を聞いている修行者は4人しかいない。一人足りないよ。

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 一部に壁画も残っているが、保存状態があまり良くない。

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 南を向いておられるKassapa(カッサパ仏=迦葉仏)。さっきの釈迦牟尼仏と印相が違うよね。両手を絡めておられるけど、こんな印相は見たことがない。どなたか、ご存じの方がおいでたら、教えてください。

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 これは東を向いておられるkonagamana(コーナーガマナ仏=倶那含牟尼仏)。左手は自然にさげており、右手は親指と中指で輪を作っているけど、こんな印相も見たことがないな。

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 北を向いておられるKakusandha(カクサンダ仏=倶留孫仏)。南のカッサパ仏と同じような印相を結んでいるけど、実は南方の2体は創建当時のままで、東西の2体は火事で焼けてしまい、造り直されたもんなんだ。ひょっとしたら、その時に印相を変えた可能性もある。

 下に写っている人間を比べて仏像の大きさが分かると思うけど、その大きさといい、美しさとい、圧巻でした。

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 アーナンダ寺院は、ビルマとインドの建築様式を融合させたスタイルであり、ギリシャの十字のレイアウトを持つエレガントさを兼ね備え、完璧に計算された対称の構造になっている。

 最も特徴的なのは、中央にそびえる高さ51mの尖塔の黄金に輝く美しい「シカラ(sikhara)」だ。北インドをルーツとしているシカラからも、インドから影響を受けていることが分かる。また、シカラすべての側面には、仏像が安置されている5つの壁龕があり、さらにそのトップには傘型の尖塔装飾品である「hti(ティ)」が飾られている。

 バガンで最も美しく中心的な建造物とされて、その圧倒的な印象から「ビルマのウェストミンスター寺院」とも称されているのだそうだ。

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 ところで、なんでアーナンダ寺院と言うんだろうか。アーナンダと言えば、ブッダの従弟で十大弟子の一人である。漢訳仏典では阿難と書かれるが、ブッダが亡くなるまで25年間身の回りの世話をし、「多聞第一」と称された。寺の名前はアーナンダ寺院となっているが、実はアーナンダとは何の関係もないそうだ。なんだ、ソーナンダなんだ。(笑)

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 珍しい花を見つけた。これ何の花かわかる?沙羅双樹の花なんだって。ブッダは沙羅双樹の下で亡くなったんだよね。平家物語の冒頭部、「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。」でも有名だ。

 沙羅双樹の花の色は白だそうだ。でも、この木の花は赤い。不思議に思って調べたら、この木は沙羅双樹ではなく、ホウガンノキといって、南米ギアナ原産の木なんだってさ。それが何故か、ミャンマーだけでなくスリランカ、タイ、カンボジアで崇められている。それも入滅の時の聖木ではなく、ブッダ聖誕の木としてね。

 もう一つ、ブッダにまつわる木と言えば、お悟りを開いた時の菩提樹。スリランカでは菩提樹が崇拝の対象となっていて、ストゥーパ(スリランカではダーガバと言う)はあまり重視されていない。ところが、同じ上座部仏教の国でありながら、ミャンマーはパゴダだらけだけど、菩提樹を見かけることはなかった。

 お国によって随分違いがあるもんだね。(つづく)

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テーマ:海外旅行 - ジャンル:旅行

【 2020/02/11 05:27 】

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