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なまぐさ坊主の聖地巡礼

プロフィール

ホンジュン

Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
 毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。

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天空の日中バトル!!

8月23日(水)

 午後12時25分、ようやく検問所を出て中巴公路(カラコルム=ハイウェイ)をパキスタンへと向かう。雪をいただくカラコルム山脈の峰々の壮大な景色を堪能しながら2時間ほど走ったところで、思わぬ敵が現れ、バスはストップした。

2006_0824シルクロード 本淳0243 
 な、な、なんと、舗装工事をしているではないか。アスファルト舗装をするでかい機械(アスファルトフィニッシャーというそうです)が、道路全面を塞いでいる。迂回路はない。工事が終わるまで、4時間も待てというのだ。冗談じゃないよ、4時間も待っていたら日が暮れちゃうよ。だいたいが、中巴公路は中国とパキスタンを結ぶ唯一の幹線道路でしょうが。迂回路を造ってから工事をするとか、それが出来なきゃ片側交互通行にして片側ずつ工事をするとか、それも駄目なら夜間工事にするとか、それが常識ちゅうもんでしょうが。それを、なんだ4時間も待てってか!

 そうだ、中国は賄賂天国。日本でも最近(平成18年のお話)どっかの知事さんが賄賂貰って捕まったけど、中国はそんなもんじゃない。2005年に摘発された人数がなんと4万1447人。(中国で収賄罪は死刑。にもかかわらず、2012年にはもっと増えて、摘発された汚職件数は17万件だそうだ。あきれますね。)作業員に100元も渡せば機械どかしてくれるんじゃないの、というのがみんなの意見だったが、お金を渡そうとしても受け取ろうとしない。下っ端の工事人夫が賄賂を貰って後からそれがバレたら、今よりももっと辺境の地に左遷されてしまうから、頑として受け取らないのだろう。というのが添乗員の奥村君の見解だった。

 だいたいが、工事すると分かっていたんなら、出国審査を正規の時間に始めて、テキパキと処理すれば、こんなことにならなかっただろうが。こんなことで再来年本当に北京オリンピックなんか開催できるのかよ。

 そうこうするうちに、後続のバスやタクシーもやって来るわ、パキスタン側からも次々とバスがやって来て、にっちもさっちもいかなくなった。そんな時、1台のランドクルーザーが道路際の土手から現れて、我々の見ている前で楽々と道路にあがり、タシクルガンの方へと立ち去ったのである。

 それを見た奥村君がとんでもないことを言い出した。「みんなで、迂回路を造りましょう。」
 道路の高さは1メートル弱。路肩にみんなで石を積んだ上、ローラー車を借りて固め、バスを道路から降ろそうというのだ。まあ黙って待っていても埒【らち】が明かない。一丁やるかということで、全員で臨時の道路工事が始まった。

名称未設定-1

 まずは石運びから。適当な大きさの石を探して来て路肩に積み上げていく。簡単な作業だとは言っても、ここは標高4,000メートル。少し動いただけで息が切れる。

2006_0824シルクロード 本淳0245 
 概ね積み終わり、舗装工事の監督に頼んでローラー車で踏み固めてもらう。あれ、ローラー車についているロゴマーク、なんか見たことあるような。車体に「三一重工」と書いてある。なんだ、三菱重工のパクリじゃん。レコードの海賊版を初めバイク・自動車なんでもかんでも日本のものパクッて、どうせ真似するんなら、出入国管理事務所や日本の道路工事関係者のきちんとした仕事ぶりを真似しなさいよ。

 そんな作業を繰り返していると、だんだん周りに人が集まって来た。「日本人馬鹿ネ。ソンナ事シテモ無駄アルネ」と言い足そうな顔でじい~と見ている。「こら、手伝え。お前らも早く行きたいだろうが」「果報ハ寝テ待テヨ。ジタバタシテモ無駄アルネ」

 結局はその通り。何度チャレンジしてもバスは傾いてしまい、道路から降ろすことは出来なかった。我々が諦めかけた時、学生さん3人を乗せたベンツのタクシーが、待っている数台のバスの間をするりと抜けて、我々が造った道を使って下に降りた。

 ナ、ナ、ナンダ!!どうせその先は行けないことは分かっているが、余りの厚かましさに激怒した奥村君、なんと積んだ石を崩し始めたではないか。完全に崩してしまえば、当然タクシーは道路に上がれなくなる。血相を変えて跳んで出て来た運転手(太り過ぎの金日正みたいな顔)が、奥村君に掴みかかった。
 「☆♂◯∞∂§※&♯」
 「これは我々が造った道路だ!」
以下、翻訳版で。
 「コノ道路ハ中国のモノダ!」
 「日本人が石を運んで造ったんだ!!」
 「コノ石ハ中国ノモンダ。文句アッカ!!」 
奥村君、空を指さして、
 「じゃ、この空も中国のもんか!?」
 なんか子供の喧嘩みたい。殴り合いになる寸前までいったが、何とか一旦は収まった。ところが、T君の言った一言に今度は学生さんが激怒。「誤れ」と言って聞かない。4対19での言い争いとなった。罵声と怒号が飛び交う。危うく国際紛争にまで発展するところだったが、結局奥村君が謝って、事は収まった。
 余りにも大きな騒ぎになったためか、結局機械を退かして通してくれることになった。機械退かせるんだったら、最初からそうしろよ!!

 1時間も時間を無駄にしてしまったが、気を取り直して再出発。ところが、この後、タクシー運転手の復讐が待ち受けていたのである。(つづく)


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【 2013/11/27 03:09 】

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