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なまぐさ坊主の聖地巡礼

プロフィール

ホンジュン

Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
 毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。

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サガイン①ーおっぱいパゴダ

8月21日(水)

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 昨日泊まったのは「メルキュール・マンダレー・リゾート」。マンダレーヒルの麓に立つマンダレーの最高級ホテルだが、昼間に小休憩をとったのと、あとは寝ただけ。今回の旅では、朝早くにホテルを出て夜9時頃に次のホテルに入る、の連続なので、ホテルの中を見て回る時間がない。

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 今日も朝6時50分に朝食。焼きそばにベーコン、サラミ、ソーセージ、卵という、何の変哲もない食事をとって、午前9時ホテルを出発してバスでサガインに向かう。

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 サガインはマンダレーの南西約15kmにある。そもそもは1322年、バガン王朝が滅びた混乱に乗じてシャン族の王がここを都と定めたが長くは続かず、1364年にはインワに遷都されてしまった。その後、1760年から1764年の短い期間、アウランパヤー王の後を継いだナウンドージー王によって、一時的にコンバウン朝の王都となったが、その後顧みられることはなかった。しかし、パゴダや僧院は次々に建設され、現在では仏教修行の中心地となっている。

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 午前9時50分、エーヤワディー川を渡り、サガインの町に入る。マンダレーとザガインを結ぶ約1.2kmのインワ(アヴァ)鉄橋は、1934年にイギリスが建設したが、第二次世界大戦中の1942年、侵攻してきた日本軍に利用されないようにとイギリス軍の手で爆破された。戦後10年近く経過した1954年、中央に単線の鉄道線路、その両側が1車線ずつ走る共用橋として再建された。老朽化が進んだため、2008年にはこの橋の北側に新しい鉄橋が建設されたが、僕らが渡っているのは新しい橋のようだ。

 右手前方にサガインヒルが見えている。 

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 午前10時6分、カウンムードー・パゴダに到着。高さ45mもある、サガインで最大の仏塔だ。1636年にインワ王であるターロン王が建てたそうだが、別名「おっぱいパゴダ」。確かに女性の胸に見えないことはない。それもそのはず、インワ王の王妃の胸をモデルにして造られたという話がある。

 新たなパゴダの設計の命を王から受けた設計士がいた。ところが、どのような形にしようか迷い、なかなか決められないでいた。そんなある日、たまたま彼の目の前で王妃のロンジーがはだけて、彼女の乳房が見えてしまった。その美しい乳房の形を目にした、設計士はこの形にすることを思いついたんだってさ。

 この話を現地の日本語男性ガイドが、日本から来た男性観光客たちに面白おかしく「おっぱいパゴダ」と紹介してしまったために、日本人の間ではその名が流布してしまったらしい。

 でも、添乗員のO君によると話はぜんぜん違う。第二次大戦中、日本軍はイギリス領インド帝国への侵入をめざしインパール作戦を実行した。詳しいことは次回お話しするが、この作戦に失敗し、インドからビルマに敗走した日本兵が「おっぱいパゴダ」と呼んだそうだ。ミャンマーにはパゴダが山ほどあるが、どれもこれもよく似た形をしている。でもこのパゴダだけ形が違っていて、敗走する日本兵とって重要な目印となった。「おっぱいパゴダ」を目指して懸命に逃げる日本兵にとっては、母親のもとに逃げるような思いもあったのかも知れない。そう考えると、嫌らしい名前じゃなく、悲しい名前だよね。

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 でも、「おっぱいパゴダ」などけしからんと言った奴がいる。ミャンマーの軍事政権の連中だ。そこで、2010年に政府高官が参拝するのにあわせて、サガイン管区政府が3億5400万チャット(約2500万円)もの巨費を投じ、金色へ塗り替えてしまった。それが、この写真だ。

ミャンマーでは通常、数年おきにパゴダの外壁を塗り替える。これはスリランカも一緒。パゴダをピカピカの美しい状態に保つことは仏教徒として功徳を積むことになり、多額の寄付を投じる人も多い。歴史あるパゴダであっても色を変えるというのもよくある話だ。とりわけ、金色への塗り替えは好まれる。
 
 ところが、カウンムードー・パゴダについては違った。地元住民を中心に「白いのが伝統」「急に金色になって落ち着かない」、そして「何より、王妃の胸を金色に塗るなんて失礼だ」などといった大ブーイングが起きたのだ。さらには、「ブッダや王妃が夢に現れ『白に戻してほしい』と訴えてきた」と主張する市民が次々現れるまでに。このような話がSNSを通じて拡散したことも相まって、ついには60を超える市民団体が署名運動を行うに至り、2018年1月に政府へ嘆願書を提出した。サガイン管区政府も高まる反対の声に抗しきれなかったのだろう。ついに塗り替えることとなり、2018年12月から工事を始め、僕らが今見ている白に戻った。

 前置きがながくなってしまった、さあ中に入ろう。

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 銀ピカピカの参道。ミャンマーの人は金ピカが好きなのに、参道が銀ピカなのには何か意味があるんかね。土産物屋さんが軒を連ねているけど、売り子の姿があまり見えない。インドの土産物屋はしつこくまとわりついて来るが、ミャンマーの土産物屋は、「売る気があるの?」と聞きたくなるほど大人しい。

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 花屋さん。日本と違い花束ではなく、花びらを糸で繋いだレイ状のものを売っている。

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 おじさんがひれ伏すようにお祈りしている。

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 ミャンマーにしては珍しく、日本人好みのする落ち着いた仏像だ。大乗仏教なら文殊菩薩と普賢菩薩を脇侍とした三尊像だが、3体とも降魔成道印を結んだブッダだ。上座部仏教には菩薩像はない。

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 ミャンマーの賽銭箱。日本と違い、透明で中身が丸見え。たくさんのお札が入っている。これ見せ金になって、案外いいかもね。うちの賽銭箱も透明なプラスチック製にしよう。


この賽銭箱がいくつもあって、どれに入れるか迷ってしまう。ビルマ文字だから読めないけど、上と下では書かれている内容が違う。ゼイヤ君が「賽銭箱によって行き先が違います」と言ってたけど、全部がこのパゴダの収入になるのではなさそうだ。

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 建物から外に出ると、目の前におっぱいが、いやパゴダが。
高さ46mもあるから、スケールが違う。パゴダの周りを時計回りに歩きながら、参拝していく。

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 こちらは単独のブッダ像。姿が美しい。

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 パゴダを取り囲むようにして土産物屋が軒を連ねている。こちらの店にはたくさんのタナカの木が積んである。このパゴダの周辺で採れるタナカは、質がよいと評判なんだそうだ。

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 こちらは白いお顔のブッダ像。

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 この仏像の前にいる動物は虎だから、月曜日の祭壇だ。奥さんは月曜日生まれなんだ。

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 前にも書いたけど、僕は日曜日生まれ。日曜日を象徴するガルーダだけど、クドードゥ・パゴダと同じように弱々しいガルーダだ。

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 パゴダ建築の由来を書いた石碑だけど、ビルマ語なのでまるっきり読めやしない。欧米人観光客が増えれば、英語表記のものも設置されるだろうけど、僕は英語も読めないしな。学生時代にもっと勉強しときゃ良かったよ。後悔先に立たず、だ。

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 こちらはお参りの準備ですかね。全員ロンジー姿です。

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 こちらはお参りの最中。お経本を開いて読んでますね。
 
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 ちょっと覗き込んでみましたが、何が書いてあるのやらさっぱり。うちのお寺にも毎日これだけの信者さんが来てくれたらねえ。羨ましいよ。おっぱいパゴダからの中継でした。(つづく)

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【 2020/03/10 05:24 】

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