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なまぐさ坊主の聖地巡礼

プロフィール

ホンジュン

Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
 毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。

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タクシー運転手の復讐

8月23日(水)

 臨時の道路工事やら喧嘩やらでお腹がすいた。時計をみたら、もう午後4時だ。お腹がすくはずだよ。手元には腹の足しになるようなものは無いしどうしようかと思った時、タイミング良くアブさんBがナンを配ってくれた。あっ、ウーパール村で趙戈莉さんが買い込んでいたやつだ。なるほど、いざという時の非常食だったのである。

2006_0824シルクロード 本淳0251 

 さあ、一路クンジュラブ峠だ。

2006_0824シルクロード 本淳0261 
 と思ったんだけど、30分ほど走ったら、また検問。いったい何回やれば気が済むんだ。サングラスをかけた若い国境警備兵がバスに乗り込んで来た。18歳ぐらいだろうか。偉そうな顔でパスポートチェックをする。なんでそんなに態度でかいんだよ。ほんまに腹が立つ。

2006_0824シルクロード 本淳0264 
 今度こそ、今度こそ、気を取り直して再再出発。あれっ、再再再かな?車窓に雪を頂く峰々を眺めながら走ること10分、午後4時45分、ようやくクンジュラブ峠に到着。標高は4,693メートル。(私の持って行った高度計では4,450メートル。何でも一番じゃなきゃ気が済まない中国のこと、鯖を読んでいるのかも知れない)。宮本輝の『ひとたびはポプラに臥す』を読んで以来、一度はその地に立ってみたいと思い続けてきた、憧れの峠だ。記念撮影をするためバスを降りようとしたら、国境警備兵が「降りてはいけない」と言う。「いつもここで降りて記念撮影してるじゃないか」と、奥村君がいくら言っても頑として首を縦に振らない。

クンジュラブ峠 
僕達が立つはずだった国境(画像借りてきました)

 くそっ、さっきのタクシー野郎だ。先回りして、後から来る日本人グループをバスから降ろさないよう頼んでいったに違いない。なんと、せせこましい了見だ、喧嘩の原因をつくったのはお前達じゃないか。他人が汗水垂らして造ったものを、なんの断りも無しに利用しようとしやがって。だいたい、どこのお坊ちゃん・お嬢ちゃんか知らないけれど、学生の分際で、タクシーでクンジュラブ峠見学というのは贅沢すぎませんか。親の顔が見てみたいわ。一人っ子政策なんかするから、こんな我が儘で自分勝手な人間ばっかり出来てしまうんだ。ブツブツ、ブツブツ
 ライフルを構えている国境警備兵に逆らえば、撃ち殺されるかも知れない。国境の標識の横に立つことは諦めるしかなかった。

2006_0824シルクロード 本淳0281 

  仕方ないので、5分ほどバスを走らせて記念撮影することにした。パキスタンの国境警備兵がにこやかな顔で出迎えてくれる。中国の警備兵とは雲泥の差だ。2005年に起きたロンドンでの同時多発テロ事件や、ついこの前(2006年)の8月10日にイギリスの旅客機爆破テロ未遂事件の犯人にパキスタン人が多く含まれていたため、パキスタン人というと怖いイメージがあったが、聞く見るとは大違い。中国の警備兵が余りにも憎たらしかったこともあって、髭面の男どもが可愛くさえ見える。

2006_0824シルクロード 本淳0275 

 普通なら「はい、チーズ」とやるところだが、「中国人は大嫌いだ」「ベンツのタクシー、馬鹿野郎」「パキスタン大好き」と叫びながらの記念撮影となった。

2006_0824シルクロード 本淳0278 

 さあ、ここからパキスタンのススト側の国境の町スストまでは80キロ。スストの標高は2,800メートルだから、標高差2,000メートルを一気に下ることになる。

2006_0824シルクロード 本淳0287 

 左手にインダス川の支流であるフンザ川を見ながら、バスはカラコルム山脈の谷を縫うように走る。

2006_0826シルクロード 文子0009 

 カラコルムは「黒い岩」という意味。まさに一木一草も生えていない岩山で、随所に土砂崩れの痕が見える。

2006_0824シルクロード 本淳0292 

 カラコルム=ハイウェイはパキスタン側に入った途端に舗装が無くなり、右側通行から左側通行に変わった。僕はバスの左手側に座る癖があり、必然的に谷底が見える位置になる。崖下数十メートルのところを、鉛色のフンザ川が雪解けの水を集めて荒々しくうねって流れている。道路にはところどころに砂利が散らばっており、ガードレールは無い。もしも、スリップしたら……。自然と足に力が入ってしまう。「日本人観光客を乗せた中国の観光バスがカラコルム=ハイウェイでフンザ川に転落。乗客・乗員21名行方不明」という新聞記事が脳裏を横切った。しかし、この程度の恐怖はまだ序の口だったのである。(つづく)


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【 2013/11/27 01:08 】

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