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なまぐさ坊主の聖地巡礼

プロフィール

ホンジュン

Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
 毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。

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インレー湖④ーファウンドーウー・パゴダ

8月22日(木)

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 午後3時40分にガーペー僧院を出て、20分でファウンドーウー・パゴダに着いた。ファウンドーウー・パゴダはガーペー僧院と同じく水上僧院だが、規模がまったく違い、こちらは随分大きい。「ファウンドーウー」というのは「筏」のことで、バガン時代に王が筏でやってきて降りた場所とされている。

 安置されている仏像は13世紀のものということで、かなり古いパゴダなのだが、建物そのものは1952年に建てられた新しいものだ。とは言っても僕の生まれた年だから、67年も前のことになる。

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 まずは花を買い求める。最近墓参りするのに花持って来ない人が増えたけど、花・線香・蝋燭は墓参りの必須アイテムですよ。

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 2階中央の祭壇(と『地球の歩き方』に書いてあるけど、仏像が安置されているのだから須弥壇が正しい)に、ミャンマーで超人気の仏像が5体安置されている。光って良く見えないので、前に出てみよう。

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 おっとっと、こんな看板が。また女人禁制かよ。もうそろそろ、女性差別は止めなさいよ。女性を禁止する明確な理由なんかないでしょ。伝統だから、というのは理由にならないよ。

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 プラスチックのカバーが光って、良く見えないね。

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 仕方ないんで、皆さんに良く分かるようにネットから拝借して来た。有り難い仏像だと聞いていたけど、金色のダルマじゃないか。なんで、こんなものが有り難いんだ。

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 実は、これが昔の仏像の写真。なんとか仏像の原形は留めているが、金箔が貼られて顔なんかノッペラボウになっている。そう、この後もどんどん金箔を貼られて、その結果、ダルマさんみたいになっちゃったという訳だ。マハムニ僧院の仏像も金箔貼られ過ぎてぼこぼこになってたけど、この仏像も凄い。ミャンマーの人はどんだけ金箔貼りが好きなんだろうね。

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 毎年10月の満月に合わせてファウンドーウー・パゴダ祭りが行われる。伝説の鳥カラウェイを模した黄金の船に4体の仏像を載せて、インレー湖周辺にある20の村々を巡回するそうだ。

 
以前は、5体とも載せて湖を巡っていたらしいが、1965年の祭りの時に、途中で船が転覆し、1体が行方不明になっちゃった。ところが、翌朝、行方不明になった仏像が頭に水草を付けた状態で寺院に戻っていたんだってさ。で、それ以降、1体の仏像は門外不出にしたそうだが、ファウンドーウーパゴダには不思議な力があると信じられるようにり、超人気のお寺になったらしい。

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 午後4時20分にファウンドーウー・パゴダを出て、蓮の織物工房に向かう。インレー湖の浅瀬には高床式の水上家屋が続く。インダー族の家屋は藻や水草が集まってできた浮き島(チュン・ミョー)を集めたものを土台とし、その上に湖岸の土や固定の泥を載せて水中に沈め、浮き島に杭を立てて家屋を建てる。

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 水上生活者は15万人。生活用水はもちろんインレー湖の水だ。洗面、沐浴、炊事、洗濯などはすべて水上の家から下へ降りて来て行なわれる。トイレも水洗といえば、聞こえは良いが、そのままインレー湖に流される。それが、魚の餌になったり、畑の肥料になったり。
 
 しかし、近年、合成洗剤やシャンプーの使用など生活様式の変化、浮畑栽培で使用される化学肥料や農薬等による水質汚染が進み、その水質は生活・飲料水に適さないようになって来ているそうだ。

 ミャンマーの民主化が進めば、この地域にも近代化の波が押し寄せて来る。便利さを追い求めるようになれば、彼らの生活も一挙に崩壊してしまうかも知れない。

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 そんなことを考えているうちに、20分ほどで蓮の織物工房に着いた。蓮の布は50年ほど前に、古くから高貴な花である蓮で作った僧衣を高僧へ寄進するために開発されたそうだ。近年、イタリアのファッションブランドがこの生地を使ったことで、人気爆発。もともと高価だったものが、どんどん値上がりして、現在は1m300ドルもするそうだ。

 先ずはインレー湖で採れた蓮の茎を折って引っ張り、粘りけのある繊維を取り出す。

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 この繊維を何本も縒りあわせて糸を作る。

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 これを昔ながらの機織機で織って出来上がる。蓮の生地は1メートルの布を作るために約1万本の蓮の茎が必要なために、大量生産ができない非常に難しい貴重な生地で1年間に約400メートルしか生産出来ないそうだ。

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 おやっ、シャトルだ。日本語だと杼【ひ】。経糸【たていと】の間に緯糸【よこいと】を通すのに使われる道具だが、1733年にジョン=ケイは「飛び杼」(flying shuttle)を発明し、産業革命がおおいに進展した。このシャトルを1ついただければ、産業革命の授業に使えるのになあ。あっ、そうか。もう引退したんだった。

 蓮布の値段は1m290ドルと弱冠安くはなっているが、それでも高くて買えない。その上、布にはまったく興味がないので、時間をつぶすのに苦労した。

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 午後5時15分に工房を出て、20分あまりでホテルに着いた。ミャンマー最後の宿は「Amata Garden Resort 」。

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 ホテルはインレー湖の東岸にあり、緑に囲まれている。

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 蘭の一種だろうか。うす紫の花が美しい。

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 おやっ、タケノコが生えている。季節は夏なのにね。調べてみたら、ミャンマーのタケノコは雨季の始まりと共に芽を出し、本格的な雨季となる6月上旬から9月下旬が最盛期なんだって。

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 こちらがフロント。見事な鉢に蓮が植えてあり、羨ましい。うちのお寺でも蓮を育てているが、今年は紅蓮は花をつけたが、白蓮は花をつけなかった。

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 こちらがレストラン。

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 なかなかゴージャスだ。

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 午後7時30分より夕食。この地方のシャン料理ということだが、やはり不味くはないが、美味くもない。これからミャンマーの観光客は増えていくだろうから、誰でも口に出来る料理よりも、これがミャンマーだという個性を協調したほうがいいと思うけどな。(つづく)

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テーマ:海外旅行 - ジャンル:旅行

【 2020/04/07 05:38 】

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