なまぐさ坊主の聖地巡礼
プロフィール
Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。
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8月3日(土)
具合の悪いことに、『地球の歩き方』の地図はホテルとリュステム・パシャ・ジャーミィとの間でページが切れている。ホテルを出る時に出会った日本人のご婦人が、「みなさん、右手の方に行かれましたよ」と教えてくれたのだが、地図を見る限り左に行った方が近そうだ。というわけで、ホテルを出て左手へ歩き出した。
朝食はパンとチーズ・ソーセージに目玉焼き。何種類ものチーズがあったので、たくさん取ってきたんだけど、これがメチャ塩辛い。家庭では塩抜きして食べるそうだが、塩抜きしてしまうと保存が効かなくなるので、ホテルではそのまま出している。これじゃ、血圧上がっちゃうよ。
ガラタ橋はイスタンブールの市民が鯖釣りを楽しむ場所として日本人にも知られている。海風にあたりながら、しばらく風景を楽しんで、ホテルに帰った。
具合の悪いことに、『地球の歩き方』の地図はホテルとリュステム・パシャ・ジャーミィとの間でページが切れている。ホテルを出る時に出会った日本人のご婦人が、「みなさん、右手の方に行かれましたよ」と教えてくれたのだが、地図を見る限り左に行った方が近そうだ。というわけで、ホテルを出て左手へ歩き出した。
歴史を感じさせる建物が続く。カメラのシャッターをさかんに切りながら、早朝の町歩きを楽しんだ。
ところが、いつまで経ってもそれらしい建物が見えてこない。 出会ったおっさんに地図を見せながら聞いたら、あっちの方だと言う。それで、そっちの方に15分ほど歩いたけど、見つからない。そのうち、ミナレット(礼拝の時間を告げるための塔)とドームが見えたので、これに違いないと、そっちの方に向かって歩くのだが、なんだか同じ所をぐるぐる廻っているようで、いっこうに入口らしいものが見つからない。どんどん時間が過ぎていく。朝飯までにホテルに帰れなくなってしまう。と、今度はホテルへの道を聞いて廻る始末。結局1時間ほど歩いたが、分からずじまいに終わり、「人の言うことを聞いて、右へ行かないからよ」と、家内にこっぴどく叱られてしまった。
朝食はパンとチーズ・ソーセージに目玉焼き。何種類ものチーズがあったので、たくさん取ってきたんだけど、これがメチャ塩辛い。家庭では塩抜きして食べるそうだが、塩抜きしてしまうと保存が効かなくなるので、ホテルではそのまま出している。これじゃ、血圧上がっちゃうよ。
レストランは6階にあり、さわやかな潮風が吹き込んでくる。眼下にはボスフォラス海峡や金角湾が一望でき、豪華クルーズ船も停泊している。最高のスケールだ。星、五つです!
午前8時30分。市内観光に出発するまでかなり時間があるので、希望者だけ添乗員の奥村君に町中に連れて行ってもらった。
最初にホテルから歩いて5分程のスィルケジ駅へ。『オリエント急行殺人事件』に出て来るので有名な駅だ。名探偵ポワロがこの駅からカレー行きのオリエント急行に乗り、列車内で起きた殺人事件を解決するという、アガサ・クリスティの名作だ。デヴィッド・スーシェがポワロ役を務めた映画は何度も見た。一度は乗ってみたいと思っていた豪華列車だが、現在はロンドン~ヴェネツィア間を走っているだけで、イスタンブール~ヴェネツィア間は走っていないそうだ。ところが、1年に一度だけ5泊6日の日程で走るそうで、お二人さまで844,000円(ホテル代込み)。と~んでもない、乗れるわけないじゃん。
まだ時間があるので、トラムに乗ってみた。トラムは路面電車のことで、自動販売機でジェトンというコイン型チケットを買って乗る。1枚3リラ(日本円165円)。プラットホームにある改札機にジェトンを入れれば、OK。どんだけ乗っても3リラだが、ホテルに帰る都合もあるので、たった1駅だけ乗り、ガラタ橋近くのエミノニュ駅で降りた。
ガラタ橋はイスタンブールの市民が鯖釣りを楽しむ場所として日本人にも知られている。海風にあたりながら、しばらく風景を楽しんで、ホテルに帰った。
午前9時50分、バスを降りてイスタンブール歴史地区の観光開始。まずはスルタンアフメット・ジャーミー、内壁を飾る2万枚以上のタイルが青色を主体としているのでブルーモスクの愛称で親しまれている。日本の観光寺は拝観料をとるが、イスラーム教のモスクは寄付金は歓迎するが、拝観料は取らない。宗教施設はすべての人々に救いの手を差し伸べるためにあるのだから、これが当然の姿。わが日蓮宗の総本山・久遠寺も拝観料は取らない。靴を脱ぎ、女性はスカーフをして入る。
イスラーム教の女性は家族以外の男性に肌や顔を見せてはいけないので、黒いブルカやチャドルと呼ばれるヴェールで髪や肌を覆って外出する。これが女性蔑視だという意見があり、フランスでは法律でブルカが禁止されているが、僕はそう思わない。だって、黒いヴェールからのぞく瞳ほど魅惑的なものはないし、女の人にしたってスッピンで外出できるからいいと思うんだけどね。僕がかかっている皮膚科の女医さんもいつもマスクをしていて、つぶらな瞳で見つめられるから、もの凄い美人だろうと思い込んで病院に通っている。実は素顔はまったく違っていたりしてね。(笑)
イスラーム教の女性は家族以外の男性に肌や顔を見せてはいけないので、黒いブルカやチャドルと呼ばれるヴェールで髪や肌を覆って外出する。これが女性蔑視だという意見があり、フランスでは法律でブルカが禁止されているが、僕はそう思わない。だって、黒いヴェールからのぞく瞳ほど魅惑的なものはないし、女の人にしたってスッピンで外出できるからいいと思うんだけどね。僕がかかっている皮膚科の女医さんもいつもマスクをしていて、つぶらな瞳で見つめられるから、もの凄い美人だろうと思い込んで病院に通っている。実は素顔はまったく違っていたりしてね。(笑)
まあ、冗談は別にして、トルコは建国の父アタテュルクがいちはやく女性解放を進め、イスラーム世界で初めて女性参政権を認めた国なので、ブルカ姿を見かけることはほとんどない。ごく普通に黒髪や金髪を風になびかせて町中を歩いているが、モスクの中はそうはいかず、スカーフだけは着用しなければならず、外人観光客も例外ではない。この日はイスタンブールに2000人乗りのクルーズ船が到着したそうで、中は多くの人でごったがえして大混雑。高さ43m、直径27.5mの大ドームに、4つの副ドーム。260にものぼる小窓があり、ステンドグラスから淡い光が差し込み、まるで天国にいるみたいだ(日蓮宗の坊さんがそんなことを言ったらいけません)。ポカンと口を開けて、上ばかり見ていたら首が凝ってしまった。
ブルーモスクはミマール・シナンの弟子であるメフメット・アーが1616年に建造したモスクなのだが、実はミナレットが6本ある。世界史を教えて38年目になるが、長い間「モスクにはアザーン(礼拝の呼びかけ)のため、東西南北に4本のミナレットがあります」と教えてきた。えっ、6本もあるの、なんで?当然、建造を命じたスルタンのメフメット1世が自分の権勢を誇るため。しかし、メッカからお叱りを受けたそうだ。「ミナレットは必ず4本にしなければならないのだ。」メフメット1世は言い訳をする。「あの~、僕は黄金(アルトゥン)のミナレットを造れと命じたんだけど、メフメット・アーが馬鹿だから、6(アルトゥ)本のミナレットを造っちゃったんです。今さら壊せませんし、ご免ね。」メッカのほうでは「駄目だ駄目だ。壊せ。」と言えなかったんですね。なんせ、スルタンはメッカにとっては大パトロンですからね。(つづく)