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なまぐさ坊主の聖地巡礼

プロフィール

ホンジュン

Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
 毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。

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フンザの満天の星空と大宴会

8月23日(水)

2006_0826シルクロード 文子0013 
 2時間半を費やして、ようやくスストに到着。時差があるので、時計は3時間逆戻りして午後4時15分を指している。今度の旅行で一番心配していたパキスタンへの入国審査が始まる。というのも、パキスタンは厳格なイスラーム教の国で、飲酒は禁じられているのだ。イスラーム教では飲酒罪は鞭打ち80回の刑となる。つくづく日本人に生まれて良かったと思う。外国人がこっそりと飲むのは許されているが、国内への持ち込みは禁止されている。したがって、入国審査の際に酒類が見つかれば没収されてしまう。
 一日たりとも晩酌を欠かしたことの無い者としては耐えられるものではない。そこで、荷物検査があった時に備え、焼酎をミネラルウォーターのペットボトルに詰め替えて(これをミネラル焼酎と呼んでいる)、スーツケースに忍ばせてあるのだ。

 ハラハラドキドキで入国審査に臨んだが、中国の係官とは大違いで、えらい友好的。笑顔で握手を求め、どこから来たのかと聞いてくる。パスポートチェックも5,6人だけやって、あとは省略。そんな訳だから、税関も荷物検査なしでOK。パキスタンのガイドさんが賄賂を渡したのか、Iさんの77歳のお母さんが車に酔って具合が悪かったのを見て審査をさっさと済ませたのか、我々の到着がずいぶん遅れたのが幸いしたのか分からないが、まあいずれにしても、焼酎は無事国境を通過した。ホッと一安心である。

2006_0824シルクロード 本淳0298 
 我々を出迎えたのはマイクロバス2台。二日前の土砂崩れのため大型バスが通行出来なくなったそうだ。一般ツーリスト用のバスで、パキスタン北方政府のものだそうだが、その1台には「政府登録長門市湯本温泉 あなたの明日に 西京銀行」と書いてある。パキスタンでは日本語が書いてある中古車がモテモテらしい。

 午後5時、やっと昼食(夕食の間違いではありません)。中国で午前8時に朝食を食べてから12時間も経っている。途中ナンしか食べていないので、カレーが身に染みるほど美味い。


2006_0824シルクロード 本淳0339 

 パキスタンのガイドはフェイサル=シャー君。イスラマバードの国際近代語大学を卒業した27歳の好青年だ(シャー君はexciteブログにパキスタン便りを書いてるんで是非読んであげて下さい)。彼の案内でフンザへと向かう。予定よりかなり遅れているので、運転手さんは70キロのスピードでぶっ飛ばす。シャー君による簡単ウルドゥー語(パキスタンの国語)講座が始まった。 「サラーム(こんにちは)」「サラーム」、「シュークリア(ありがとう)」「シュークリア」。全員中学生になった気分で声を揃える。

2006_0824シルクロード 本淳0299
 
 雪を抱いた美しい山が見えたので、名前を聞いたら、名前は付いていないと言う。パキスタンには8,000メートル級が5峰、7,000メートル級が25峰、6,000メートル級は約100峰もあり、それ以下の山には名前が無いのだそうだ。3,776メートルの富士山が聞いたら赤面しそうな話だが、高いばかりが能じゃないよね。
2006_0824シルクロード 本淳0301 
 フンザへの途中、パスー氷河を見学。パスー氷河は25キロもあり、毎年2~3㎝動いているそうだ。
 午後8時、フンザの中心地カリマバードに到着。思わぬトラブルもあり、タシクルガンから11時間もかかってしまった。しかし、贅沢を言ってはいけない。
 1902年にこの地を踏破した大谷探検隊の3人はミンタカ峰越えでフンザに入ったのだが、タシクルガンから9日間を要したのである。本多恵隆の日記には「空気希薄。喘喘【せんせん】として進まず。一行頭痛また嘔吐を催す。」とあり、その苦労が偲ばれる。

500_25913291[1] 
 泊まったホテルはダルバール・ホテル。昔はミールと呼ばれるフンザの王様の別荘だったそうだ。何はともあれ、全員無事フンザまで来れたことを祝しての晩餐会となった。フンザの住人はイスラーム教徒のくせに酒には五月蝿【うるさ】くないそうだが、ホテルに置いてある中国産ワインが1本なんと50ドル(6,000円)。荷物検査をしなかった係官に感謝、感謝である。日本からはるばる持って来たウイスキー・焼酎で乾杯。しこたま飲んだ後、ホテルの屋上でさらに二次会。満天の星の下で、心ゆくまでフンザの夜を楽しんだ。

 部屋に戻って風呂に入ろうと蛇口を捻ったら、フンザ川と同じ鉛色の湯が出て来る。いつまで経っても透明にならない。でも、この濁りはカラコルム山脈の岩を削ったミネラル分で、決して汚れではない。じゃ、フンザ温泉じゃないか。ゆっくり浸かり、長い一日の疲れを癒した。(つづく)



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【 2013/11/27 00:20 】

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