なまぐさ坊主の聖地巡礼
プロフィール
Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。
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8月24日(木)
午前4時起床。えらく早く起きたのには訳がある。今回の旅行で目にしたかった名峰は6つあるのだが、そのうちの3つをこのフンザで見ることが出来る。秀峰ラカポシ(7,788メートル)、北杜夫の作品『白きたおやかな峰』の舞台となった名峰ディラン(7,273メートル)、豪放なウルタル(7,388メートル)の3つである。朝日に輝く峰々の写真を撮ろうというのだ。そのために新しいデジタル一眼レフカメラと三脚を用意してきた。
皆さんの迷惑にならないよう足を忍ばせてホテルの屋上に上がった。まだ真っ暗だが、空には星一つ見えない。厚い雲に覆われているようだ。三脚にカメラをセットし、祈るような気持ちで5時10分の日の出を待った。次第に空が白々として来たものの、雲が切れる気配はなく、そのうちポツポツと雨が落ちてきた。遠くで雷鳴も聞こえる。クッショー、我々18人の中に絶対に雨男か雨女がいる。一体、誰だ~っ。
感激のあまり涙がウルタルじゃなかった、ウルウル。
午前4時起床。えらく早く起きたのには訳がある。今回の旅行で目にしたかった名峰は6つあるのだが、そのうちの3つをこのフンザで見ることが出来る。秀峰ラカポシ(7,788メートル)、北杜夫の作品『白きたおやかな峰』の舞台となった名峰ディラン(7,273メートル)、豪放なウルタル(7,388メートル)の3つである。朝日に輝く峰々の写真を撮ろうというのだ。そのために新しいデジタル一眼レフカメラと三脚を用意してきた。
皆さんの迷惑にならないよう足を忍ばせてホテルの屋上に上がった。まだ真っ暗だが、空には星一つ見えない。厚い雲に覆われているようだ。三脚にカメラをセットし、祈るような気持ちで5時10分の日の出を待った。次第に空が白々として来たものの、雲が切れる気配はなく、そのうちポツポツと雨が落ちてきた。遠くで雷鳴も聞こえる。クッショー、我々18人の中に絶対に雨男か雨女がいる。一体、誰だ~っ。
仕方ないので、小雨降るフンザの村を散策することにした。7,000メートル級の山々に包まれた渓谷の急斜面に、段々畑と石積みの家々が張り付くようにして村がある。急勾配の道を少し登ったが、標高2,500メートルということもあり、すぐに息が上がってしまう。結局、ホテルの周りを歩いただけで、部屋に戻った。
フンザは世界の秘境。最後の桃源郷と言われ、宮崎駿の『風の谷のナウシカ』のモデルになったとされ、宮本輝の『草原の椅子』の舞台ともなった。ポプラ並木の緑が美しく、爽やかな風が吹き抜けていく。今回は季節が違うが、春ともなればアンズ・桃・リンゴの花が咲き乱れ、沙漠を旅して来た者にとってまさに桃源郷であったに違いない。昨日は暗くなってからフンザの村に入ったが、家々に灯る明かりが暗闇に点在し、まるで瞬く星か蛍のように見え幻想的でさえあった。
午前6時半を過ぎてもう一度屋上に出てみた。神々しいばかりの銀嶺が、雲間から姿を現しているではないか。
感激のあまり涙がウルタルじゃなかった、ウルウル。

ウルタル山麓にバルチット古城が見える。ミールと呼ばれたフンザ王のかつての住まいだ。フンザの人々はブルシュ族と呼ばれ、ペルシア人の妻とともに、この地に住みついたアレクサンダー大王の末裔とも言われ、言葉もウルドゥー語ではなくブルシャスキー語を使う。要するにパキスタン人ではない謎の人々で、1974年までミールが治めていた。
フンザは長寿の村としても知られ、数年前まで平均寿命が100歳を超えていたという。常食にしているアンズがいいとか、ミネラル分をいっぱい含んだ水がいいとか、長寿の原因についてはいろいろ言われている。しかし、道路事情が良くなって近代文明が入り込んで来た途端に、平均寿命が一気に下がって80歳になったというから、結局長生きの秘訣は粗食にあったのだ。(つづく)
フンザは長寿の村としても知られ、数年前まで平均寿命が100歳を超えていたという。常食にしているアンズがいいとか、ミネラル分をいっぱい含んだ水がいいとか、長寿の原因についてはいろいろ言われている。しかし、道路事情が良くなって近代文明が入り込んで来た途端に、平均寿命が一気に下がって80歳になったというから、結局長生きの秘訣は粗食にあったのだ。(つづく)
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