なまぐさ坊主の聖地巡礼
プロフィール
Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。
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午前8時30分、ホテルを出発。ようやく雨もあがった。車窓に青空をバックにした美しいラカポシ峰を眺めながら、カラコルム=ハイウェイをギルギットへと向かう。途中、ラカポシ・ビューポイントでシャー君と記念撮影。
時々出合うパキスタンのトラックは菅原文太も腰を抜かすほど、ギンギラギンでド派手だ。車体の側面を極彩色の絵画で飾り、車体の下側に多数の鎖をぶら下げている。走るとこれが道路と接触して、ジャラッジャラと音を出す仕組みになっているのだ。車体価格と同じくらいの金額をデコレーションにつぎ込む奴もいるというから、大した根性だ。
このトラックがまた派手なクラクションを鳴らす。
「ピャー、ピャー、ピー」、「プップピー、プップピー」、「パピー、ポピー、プウー」、「パポー、パポー、ブルル」
なんともけたたましい。バス運転手のラージャ=ムムターズさんが、実際にこの「七色のクラクション」を聞かせてくれたが、パキスタンの運転手達はこれで「お先にどうぞ」とかいった会話を交わしているそうだ。
しばらく、パキスタンのトラック・ショーをお楽しみ下さい。音がないのが残念です。
「ピャー、ピャー、ピー」、「プップピー、プップピー」、「パピー、ポピー、プウー」、「パポー、パポー、ブルル」
なんともけたたましい。バス運転手のラージャ=ムムターズさんが、実際にこの「七色のクラクション」を聞かせてくれたが、パキスタンの運転手達はこれで「お先にどうぞ」とかいった会話を交わしているそうだ。
しばらく、パキスタンのトラック・ショーをお楽しみ下さい。音がないのが残念です。
「ピャー、ピャー、ピー」と聞く度に思わず笑いがこみ上げてくるが、笑ってばかりはいられない。
カラコルム=ハイウェイはパキスタン陸軍工兵隊が中国人民解放軍の協力を得て、1958年に建設を開始し、20年の歳月をかけて1978年に完成した。
カラコルム=ハイウェイはパキスタン陸軍工兵隊が中国人民解放軍の協力を得て、1958年に建設を開始し、20年の歳月をかけて1978年に完成した。
なにせカラコルム山脈の岩山に発破【はっぱ】をかけて切り開いていくという難工事であったため、多くの犠牲者を出し、今も慰霊碑の傍らに彼らの遺体が眠っている。犠牲者の数はパキスタン人800人、中国人200人となっているが、一説によると3000人を超えるとも言われている。
8,000トンを超えるダイナマイトを使用したため、20年間は地盤が安定しないと言われていたが、まだまだ安定していないようだ。一木一草も生えていない岩山は雨水を蓄えることが出来ず、少し大きい雨が降ると土砂崩れが起きる。
いや、そんな規模ではない。土石流と言ったほうが正しい。なにせ家一軒ぐらいの大きさの石がゴロゴロと転がっている。その凄まじさはなかなか分かってもらえないと思うが、写真に写った人影と転がっている石と比べて下さい。ねっ、凄いでしょ。
上を見上げると、道路の真上に覆い被さるように巨岩がいくつもせり出し、落ちる順番を待っているかのようだ。対向車が来れば当然左に寄らなければならないが、道幅は狭くバスが交差するのがやっとだ。めいいっぱい左に寄ったバスの窓から下を見ると、遙か下のほうに鉛色のフンザ川が流れている。ガードレールはない。おしっこをちびりそうになる。
昨日カラコルム=ハイウェイに入った時もちびりそうになったが、今日は一段と迫力がある。昨日の恐怖が序の口なら、今日の恐怖は横綱クラスだ、と思ったのだが‥‥‥‥!?

昨日カラコルム=ハイウェイに入った時もちびりそうになったが、今日は一段と迫力がある。昨日の恐怖が序の口なら、今日の恐怖は横綱クラスだ、と思ったのだが‥‥‥‥!?
午前10時30分、対岸に目をやると、断崖絶壁の中腹に一本の細い道が通っている。カラコルム=ハイウェイが開通するまで使われていた、古【いにしえ】のシルクロードだ。葱領【そうれい】(パミール高原)を越えて罽賓【けいひん】国(現在のカシミール)に入ろうとすれば、9歳の鳩摩羅什【くまらじゅう】が母とともにこの道を通ったことは疑いようがなく、法顕や宋雲も通ったに違いない。
望遠レンズでよく見ると、いたるところで細い道の路肩が崩れている。間違って足を踏み外せば、谷底に転落して一巻の終わりだ。緊張の連続であり、悪天候ともなればさらに危険性が増す。
こんな危険な道を多くの求法僧がインドへと向かい、名も無き多くの伝道僧が逆に中国を目指した。目頭の熱くなる思いと同時に、自分は一体何をしているのかという、自責の念にかられてしまう。(つづく)
こんな危険な道を多くの求法僧がインドへと向かい、名も無き多くの伝道僧が逆に中国を目指した。目頭の熱くなる思いと同時に、自分は一体何をしているのかという、自責の念にかられてしまう。(つづく)
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