FC2ブログ

なまぐさ坊主の聖地巡礼

プロフィール

ホンジュン

Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
 毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。

カテゴリ

最新記事

fc2カウンター

Facebook

月別アーカイブ

最新トラックバック

最新コメント

リンク

検索フォーム

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

千仞の谷の恐怖ーおしっこちびりそう!!

8月25日(金)

 チラスを出てガンダーラへと向かう。途中、チラスとシャティアールの岩絵を見学する。インダス川沿い200キロにわたり、自然石に菩薩像やストゥーパ(仏塔)など1万点もの線画が描かれている。4~7世紀に彫られたものらしい。

2006_0826シルクロード 文子0079 

 漢字や古代インドのブラーフミー文字、カロシュティー文字、ソグド文字も刻まれているらしい。現在も吊り橋が架かっているが、古代にはこの辺りがインダス川を渡る地点となっていたらしく、法顕もここでインダス川を渡った可能性がある。西暦402年、法顕67歳の時だ。そうした求法僧や巡礼者が旅の安全を祈って彫ったものなのだろう。

2006_0827シルクロード 本淳20027   2006_0827シルクロード 本淳20025

 貴重な文化遺産なのだが、2016年にはチラスの下流40キロのところに大型発電ダムが完成し、水位の上昇により祝えのほとんどが水没してしまうそうだ。残念なことであるが、人々の暮らしには電力は不可欠であり、やむを得ないのかも知れない。

2006_0826シルクロード 文子0081 

 ここでも子供達が寄って来た。教科書らしきものを持っているので、いまから学校に行くところだろうか.。しっかり勉強しろよ。パキスタンの将来は君達の肩にかかっている。

2006_0827シルクロード 本淳20037 

 ところが、通りかかった町の中でパキスタンの将来を担う若者のあらぬ行動を見てしまった。髭面の若い男二人が手をつないでいるではないか。パキスタンでは若い女の子に出会う機会が無いから、もしかして◯◯な関係?えっ、その髭面で、と思ったが、単なるお友達。インドでもそうだが、仲のいい男同士が手をつなぐのはごく普通のこと。お国変われば、常識も変わる。疑ってすんませ~ん。

2006_0826シルクロード 文子0088 

 午前10時、いよいよコヒスタンと呼ばれる山岳民族が住む地帯に入る。コヒスタンとは「山の人」という意味で、主に山羊を飼って生活している。ここに住むパターン族(パシュトゥーン人)はアフガニスタンに住む人々と同族で、古くから勇猛果敢なことで知られ、子供を学校にやる習慣はない。あっ、そうそう。パキスタンにはもともと義務教育は無いんだけどね。

 バスはインダス川を左手にして走るが、しだいに谷は深くなってくる。法顕は葱嶺【そうれい】(パミール高原)を越えた後、陀歴【だれき】国に入っているが、チラス付近にあった国であろうと言われている。その陀歴国から山並みに従って西南方に15日間進み、河を渡って烏蔦【うちょう】国に入った。我々がこれから向かうスワット盆地に栄えたウディヤーナ国である。

2006_0827シルクロード 本淳20042   2006_0827シルクロード 本淳20045

 ところが、陀歴国と烏蔦国の間には、漢代から「懸度の険【けんどのけん】」として知られる、求法僧にとって天竺への最大の難関があった。

 法顕は『仏国記』の中で、次のように書いている。

  「その道は嶮岨【けんそ】で断崖絶壁ばかり、その山は石ばかりで壁の如く千仞【せんじん】の谷をなし、見下ろすと目がくらむほどで、進もうと思っても足をふむ処もない。眼下に川が流れ、辛頭河(インダス)という。およそ渡ること七百、梯【はしご】を渡り、吊り橋を踏んで河を渡った」

 今、まさしくその懸度の険を通っているのだ。鋭角のV字状渓谷が一層深まり、鉛色のインダス川の濁流はカラコルム=ハイウェイの遙か1,500メートル下を流れている。

2006_0827シルクロード 本淳20054 
人がいるの分かる?

 「箱根八里」という曲に千仞の谷という表現があるが、千仞は1,800メートルのこと。箱根だとなんとオーバーなとなるが、ここはまさしく千仞の谷だ。シャー君が「カラコルム=ハイウェイでは、ドライバーの最初の失敗が最後の失敗になります」と説明していたが、まさしくそうだ。転落すれば、恐らく遺体も見つかることはないだろう。

2006_0827シルクロード 本淳20052 
パターン村を背景におふざけ

 上を見ると切り立った絶壁、下を覗くと奈落の底。そんな状態が延々と続く。生きた心地もしない。昨日の恐怖が横綱級だと思っていたが、とんでもない。今日こそ超横綱級、白鳳だ。ちびりそうになったおしっこも、引っ込んだしまった。全員時々悲鳴をあげるだけで、押し黙ったままに、じっと前方を睨んで小さくなっている。(つづく)

スポンサーサイト



【 2013/11/23 10:35 】

ガンダーラ紀行  | コメント(0)  | トラックバック(0)  |
<< チラスの夜も大宴会!! | ホーム | われはこれ塔を建つるものーブトカラ遺跡 >>

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 | ホーム |