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なまぐさ坊主の聖地巡礼

プロフィール

ホンジュン

Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
 毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。

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天空の僧院ータクティバイ寺院跡

8月26日(土)

2006_0826シルクロード 文子0126 

 午前9時40分、シャンカルダールに到着。バスを降りて畑の中をしばらく歩くと、高さ27メートルの堂々たるストゥーパが見えてくる。作家の井上靖もここを訪れ、「いかにも動かぬような坐りの貫禄はみごとである」(『クシャーン王朝の跡を訪ねて』)と記している。朝日を背に受けた姿が、いかにも逞しい。

2006_0827シルクロード 本淳20100  2006_0827シルクロード 本淳20099

 このストゥーパは上軍王塔といわれ、玄奘三蔵も『大唐西域記』にそのいわれを記している。仏陀が涅槃の後、その舎利を八国に分けたことは皆さんもご存じだと思うが、その一つを烏仗邦【うじょうこく】(ウディヤーナ)の上軍王(ウッタラセナー)が受けて、ここに埋葬したそうだ。

 シャー君が説明を始めようとした時、お盆の上にいっぱいコインを乗せた髭面のおっさんが、どこからともなく現れて、コインを買わないかと声をかけてきた。見ると世界史の教科書に載っているカニシカ王のコインと同じようなものがあるではないか。カニシカ王はクシャーン朝の全盛期を築いた国王で、アショーカ王とともに仏教を保護した国王としてその名が知られている。いわゆるガンダーラ美術も彼の時代に花を開いた。

    P1040177.jpg P1040178.jpg

 彼の言い値は1枚50ドルであったが、30枚程あった中で、状態の良いものを2枚40ドルで買った。そのうちの1枚は、たぶんだけど、表が象に乗った王で、裏がシヴァ神。本物かって?学校の授業で生徒に見せるんだから偽物でいいんです。もし、本物だったら本当は大問題。出土品の国外持ち出しは厳禁だから、盗掘品の故買ということになり、これは犯罪。でも本物だったらいいなあ、と今でも時々手にとってニヤリと笑っている。

2006_0827シルクロード 本淳20105 

 昼食後、世界遺産に登録されているタクティバイ寺院跡を見学した。紀元前2世紀から7世紀にかけて繁栄した、ガンダーラで最も壮大な山岳仏教遺跡であるが、仏教寺院だけでなく、医学・天文学の研究も行われていたそうだ。「天空の僧院」と称されるように、いくつもの丘や尾根に沿って仏塔・奉献塔・集会室・瞑想室など平石積みの遺構が広がっている。

2006_0826シルクロード 文子0130 

 身延山の菩提梯【ぼだいてい】とまではいかないが、かなり急な階段を自らの足で歩いて登らなければならない。気温は38.7℃。吹き出る汗を拭いながら、青息吐息で、一段二段と数えながら登る。

2006_0827シルクロード 本淳20109  2006_0827シルクロード 本淳20110

 シャー君の説明のあと、添乗員の奥村君が補足説明をする。「アショーカ王の帰依により僧侶は豊かな生活が可能になったため、次第に数も増え、生臭坊主が多くなりました。そのため寺院は町中を離れて、山岳地帯に造られるようになりました」と、明らかに僕のほうを見ながら話をする。ああ、そうですよ。僕はどうせ生臭坊主ですよ~だ。

 見事なガンダーラ仏が一体だけ置かれているが、これはレプリカ。発掘された本物はすべて博物館に運ばれている。日本ではオークションで時々ガンダーラ仏を見かけるが、みんなこの辺りから国外に持ち出されたものだ。30㎝ほどのガンダーラ仏(もちろん本物)が、10年前は150万円、20年前だと20万円くらいで売られていたそうだ。そんな頃に来れば良かった。う~ん、残念。

2006_0827シルクロード 本淳20117 

 さらに上に登ると景色が素晴らしいとのことで、疲れるのが嫌だという怠惰な連中を残して、11名が挑戦。また階段を踏みしめながら登る。325段まで数えたところで階段が崩れてしまっており、あとは急な坂道が続く。Tシャツが汗でぐっしょり。もう限界と思った時、ようやく頂上部に出た。目の前に広がるガンダーラ平野。素晴らしい眺望に思わず見とれてしまう。吹き抜ける風が心地よい。下に残った連中には何も言うまい。どうせ、僻み根性で人の言うことを素直に信じないんだから。(つづく)



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【 2013/11/21 10:23 】

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