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なまぐさ坊主の聖地巡礼

プロフィール

ホンジュン

Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
 毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。

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世界史のミラクルワールドー神の子・洪秀全①

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洪秀全

 アヘン戦争が終わって数年後のことである。30歳をちょっとこしたぐらいの男が、広州から50キロ余り北の花県地方を行商しながら、「上帝」を崇拝しようと説教し回っていた。

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璽太平天国の玉

 その男は、自分は上帝すなわちヤハウェの子であり、イエスの弟だとも称した、後に使用した太平天国の玉璽にも、「天兄基督」と記されている。

 その説教というのは、「土地も食物も衣服もみな天主である上帝のもので、上帝はこれらを誰にも平等に分け与えてくださるのだ。だから、上帝を信じれば貧乏人はいなくなり、生きているうちは地上の天国に暮らせるし、死んだら天上の天国に昇れるのだ。」という教えであった。

 男の名は洪秀全といった。広東省花県の貧しい村に生まれた。


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科挙の合格発表

 洪秀全は小さい頃から賢かった。大きくなると村の塾の先生をしながら、役人になるために科挙を3度受けた。だが、みな失敗し、1837年の3度目の失敗のあと落胆のあまり高熱を出し、40日も寝込んでしまった。

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ヤハウェ
 この時、彼は夢を見た。……天上の立派な宮殿に連れて行かれると、金髪の老人がいた。老人は、世界の人類はみな自分の子で、自分が養っているのに、それを忘れて悪魔をを崇拝している。おまえは、これでその悪魔を退治せよう、と言い、一振りの剣をくれた……。

 病気が治ると、洪秀全はこの夢のことを忘れ、塾の教師と、4度目の科挙の受験勉強で6年が過ぎた。その間にアヘン戦争が起こり、中国は敗れて不平等な条約を押しつけられた。その1843年、洪秀全は広州で4度目の試験を受けたが、またも落第した。

ダウンロド 
『勧世良言』

 情けないやら腹立たしいやらで、やりきれない毎日をおくっていた洪秀全は、ある日、以前に広州の街頭でプロテスタント宣教師から貰った『勧世良言』という題名の、中国語で書かれたキリスト教入門書を何気なしに読んだ。ところが、そこに書かれてある話は、なんと病気の時に見た夢とよく似ているではないか。


 驚きが静まったあと、洪秀全は自分に悪魔を退治せよと語った、あの夢に現れた老人は上帝ヤハウェであり、老人の側にいて自分を励ましてくれた人がイエスなのだ、そして、自分はヤハウェの第二子なのだと信じるようになった。

 以上の話は、香港に住んでいた宣教師ハムバークの『洪秀全の幻想』(1854年)によって、世に知られるようになった。

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馮雲山
 さて、このように考え出した洪秀全には、役人になることも、そのための受験勉強をすることも、もう無意味になった。人々に偶像崇拝を止めさせ、上帝だけを信仰するようにするのが自分の使命だと、かたく信じた。

 さっそく塾の孔子像を取っ払った。それを非難され、村を追われた。だが、それぐらいではくじけはしない。親戚の洪仁玕【こうじんかん】や、科挙に失敗を重ねて不平の塊になっていた馮雲山【ふううんざん】を仲間にして布教を始めた。しかし、花県での反響は少なかった。


ロード 
福建省の客家集落

 そこで、彼らは隣の江西省の南東部に移った。そこは山間の僻地で、客家【はっか】と呼ばれる貧農や炭焼き・鉱山労働者など、他所からの移住者が多かった。客家の者は、古くから住む本地の人々に蔑まれることが多く、客家と本地人の衝突がよく起こった。

 洪秀全や馮雲山も広東省の客家の出身であるだけに、彼らの説く「拝上帝教」は、広西の客家の間に浸透していった。(つづく)


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テーマ:歴史 - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2021/02/05 05:19 】

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