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なまぐさ坊主の聖地巡礼

プロフィール

ホンジュン

Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
 毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。

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世界史のミラクルワールドー神の子・洪秀全③

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太平天国天王府(模型)

 1853年3月に南京を占領した太平軍は、南京に太平天国の首都「天京」を造営した。天王・洪秀全は清朝の両江総督が使っていた官署に入り、そこを改築して「天王府」とした。その他の諸王もそれぞれ壮麗な王府を築いた。

  広西の山中で苦しい生活をしていた彼らが、天下の半分を奪い取り、王を名乗って宮殿に住むことになったのである。

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玉座に座る洪秀全

 「宮禁」と呼ばれた天王府には、「金竜城」という内城と「太陽宮」という外城が造られ、金竜城には「金竜殿」という金色に輝く宮殿が造営された。この宮殿の奥深くに住んだ洪秀全は、もはや社会の動きに直接触れることはなかった。煩瑣な儀式を経て天王に会えるのはごく少数の指導者だけとなった。

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洪秀全の女たち

 太平天国は、一般には女性問題に厳しい姿勢を要求していながら、洪秀全は天京の宮殿に60人の美女をはべらせて享楽の日々を送ったという。

楊秀清 
楊秀清

 天王府がもっとも壮麗な宮殿であったことは言うまでもないが、東王以下の諸王も同様に王府を造営して、天京の中にあたかもいくつかの独立国があるかのようであった。中でも楊秀清の東王府は天王府に匹敵するほどの規模であったが、天京に首都を造営してからの体制づくりはこの楊秀清の指導力のもとで行われ、天王・洪秀全の動きはあまり目立たなくなってしまう。

ダウンド 
蕭朝貴

 1848年のことであったが、拝上帝会の幹部の馮雲山が清朝の官憲に捕われると、洪秀全は救出のために広州に赴いた。これにより会員に動揺が広がったため、楊秀清は独断でヤハウェの託宣(「天父下凡」)、次いで蕭朝貴がイエスの託宣(「天兄下凡」)を行ったところ人心を静めることに成功した。馮雲山の釈放により広西に戻ってきた洪秀全は楊の「天父下凡」と蕭の「天兄下凡」を認め、この二人が拝上帝会の指導権を握ることになった。

 拝上帝会の実質的な創始者である馮雲山がいちはやく戦死し、「天兄」の言葉を伝えた西王・蕭朝貴が死亡すると、「天父」の言葉を伝える機能を認められている楊秀清の力は、天王の権威によってもとうてい抑制しえなくなった。

 楊秀清は「天父下凡」を行うことによって、諸王や高位の官員を叱責し、処罰することがあった。天王・洪秀全も、下凡した天父には逆らうことはできない。最後の下凡は1856年8月のことであった。天王は東王の宮殿に呼びつけられ、そこで、信仰の足りなさを責める「天父」の言葉を伝えられた。天王が他の王の館に出向くのは異例なことであった。清軍との戦いの全体を指揮し、天国の行政を支配していた東王は、天王と並ぶ権威を求めていた。それから半年余り経った9月2日、天京に大事件が発生した。

韋昌輝 
韋昌輝

 北王・韋昌輝の部隊が東王府を襲撃し、楊秀清を殺害するとともに、その配下の兵士や関連のある者2万人を皆殺しにしたのである。地主と炭焼きという二人の出身階級の違いが投影されていたのだろうか。こうして、東王に代わって北王の恐怖政治が行われた。 

石達開 
石達開

 この残虐を責めた翼王・石達開をも北王は粛清しようとし、翼王が逃げると、彼の母・妻子ほか何十人もの人々を殺害した。洪秀全はこれらをただ眺めているだけであった。

 韋昌輝の恐怖政治は2カ月間続いたが、石達開が4万の兵をもって天京に迫ると、人心を失っていた北王はあえなく倒され、処刑された。その首は翼王に届けられ、その身は2寸(約6センチ)四方に細切れにされたという。9月から11月までの間に東王、北王の配下の老若男女、約4万人が命を失ったと言われる。

 ところが、この石達開も洪秀全に嫌われ、失望した彼は『三国志』の時代の蜀のような独立国をつくろうと、四川へ去った。こうして5人の王はすべて洪秀全のもとから消えた。その後の太平天国を、忠王・李秀成のような若い指導者が支えるが、かつての活力はだんだん衰えていくのだった。(つづく)

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テーマ:歴史 - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2021/02/12 05:16 】

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