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なまぐさ坊主の聖地巡礼

プロフィール

ホンジュン

Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
 毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。

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世界史のミラクルワールドー夜空の星をも併合したい・セシル=ローズ

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セシル=ローズ

 セシル=ローズは1853年、イングランド東南部のハートフォードシャーに、牧師の5男として生まれた。16歳の時に結核に罹り、南アフリカ東部のナタールにあって棉花栽培を計画していた兄ハーバートのもとに身を寄せた。

 セシルが19歳の時にローズ兄弟は棉花栽培から手を引き、ケープ植民地北部のキンバリーに移り、発見されて間もないダイヤモンド鉱の試掘を始めた。

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 兄ハーバートは1873年にキンバリーを去ったが、ローズは同地に留まり、ダイヤモンド採掘で着々と成功を収めた。1880年、ローズはチャールズ=ラッドとデビアス鉱山会社を設立、採掘権を買い取ったり、採掘権保有者と合併をはかり、鉱区を拡大して行った。

 1891年には、世界のダイヤモンド生産の90パーセントを占めるまでになった。

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ジョン=ラスキン

 ローズはダイヤモンド業者として不動の地位を確立する一方、母国の名門オックスフォード大学に入学する。日頃から「経歴を作らなければならない」と口癖のように言っていた。鉱山師と学生という二足のわらじをはき、キンバリーとロンドンの間を頻繁に往来し、1881年に8年かかって学士号を取った。

 経歴作りのため8年も通ったオックスフォード大学で、当時の若者に圧倒的人気のジョン=ラスキン教授の教えは、その後のローズの生き方に大きな影響を与えた。

 ラスキンの次の言葉はローズを植民地主義の先兵として、大英帝国の栄光に向けて駆り立てた。

 「開拓者たちよ、もし人あって、報酬を求めることなく、ただイギリスのためにのみその身を銃火にさらすことあれば、この人こそ、イギリスの子孫をして祖国を熱愛させ、かつ熱帯の空の輝き以上に輝かしい祖国の栄光の中に微笑ましめる人であろう」

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 1887年には、ブール人国家のトランスヴァール共和国で発見された金鉱の経営に参加し、さらに電信・鉄道・新聞などの諸企業に投資して90年代の南アフリカ経済を支配した。

 その一方で、ローズはケープ植民地の議員のポストを狙っていた。その手段としてケープタウンの有力紙を買収してあった。豊富な運動資金を使って世論誘導に努めた。ローズはかつて「私は人生において“取引”することのできなかった人をみたことがない」と平然と語っていた。平たくいえば「お金を断られたことがない」と言いたかったようだ。

ローズは1881年に議員になってからも惜しみなく金員をばらまいた。議員の中でも有力な地位につき、1890年、ついに目指すケープ植民地首相の座に就いた。

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 イギリス政府は、カイロとケープ植民地を結ぶアフリカ縦断政策を推進しようとして、ケープ植民地の北方に遠征軍を送り、ポルトガルの勢力を排除し、さらにセシル=ローズを派遣してイギリス領植民地に編入した。

 彼が獲得した地は後に彼の名をとってローデシア(現在のザンビアとジンバブエ)と名付けられた。

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ジェームソン事件

 1895年、ローズはイギリス南アフリカ会社の軍隊の支援を得、友人であるジェームソンにヨハネブルクスで蜂起を煽動させ、トランスヴァール政府を転覆させるという、きわめて粗暴な陰謀を主導した。

 ジェームソンは、実行を延期するよう、また、ヨハネスブルクでの蜂起は実現が不可能であることを確証したメッセージを未然に送ったにもかかわらず、1895年12月29日、「ジェームソン侵攻事件」として後世に名をとどめる奇襲を強行し、兵とともに捕らえられてしまった。

 襲撃失敗はローズには手痛い打撃であった。彼がその陰謀に荷担したことは明らかであったため、1896年1月首相辞任を余儀なくされた。
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アフリカ縦断政策を唱えるローズを描いた当時の風刺画

 ローズは熱心な帝国主義者で、その著書の中で「神は世界地図がより多くイギリス領に塗られることを望んでおられる。できることなら私は夜空に浮かぶ星さえも併合したい」、と豪語した。

 またローズは人種差別主義者でもあった。彼はアングロサクソンこそ最も優れた人種であり、アングロサクソンにより地球全体が支配されることが人類の幸福に繋がると信じて疑わなかった。


 ローズは生涯独身であったため、遺産の大半600万ポンドは、遺言により各種公共事業に寄付されたが、重要な寄付の一つにオックスフォード大学ローズ奨学資金がある。そのため、大学の学寮のひとつオリオル・カレッジでは正面玄関上部に巨大なセシル=ローズ像が立っている。

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オックスフォード大学のローズ像

 2020年6月、米国ミネアポリス近郊でおきた白人警官による黒人男性ジョージ=フロイド暴行死亡事件に端を発した一連のデモがその人種差別の起源でもある欧州、英国へと飛び火し、各地で奴隷貿易や白人至上主義に関連した銅像がデモ参加者や暴徒によって引きずりおろされたり、落書きされたり、ブリストル湾に投げ込まれたりした。

 オックスフォード大学内のローズ像は、すでに2016年に学生の中から植民地主義者・差別主義者の銅像は撤去すべき、との声が起こっていたが、その時は大学当局はそのまま保存すると決定していた。しかし、今回の運動の盛り上がりを受け、銅像を撤去する決定を下した。

 元英国保守党のダニエル=ハンナンはツイッタ―上で「(奨学金制度による)ローズの寛大さは、何千人もの若者が教育を享受することを可能にしました。ローズの死からわずか5年後に最初の黒人学生が奨学金を得てもいる。恩人をこのように扱う大学にだれが寄付をしますか?」と述べた。

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テーマ:歴史 - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2021/04/06 05:08 】

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