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なまぐさ坊主の聖地巡礼

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ホンジュン

Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
 毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。

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世界史のミラクルワールドー奇跡のジョージア人・スターリン①

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少年期の肖像画(1894年)

 スターリンは本名をヨシフ=ヴィサリオノヴィチ=ジュガシヴィリといい、1879年12月21日、ジョージア(かつては日本ではグルジアといわれた)のゴリと言う小さな町の貧しい靴直し職人の子として生まれた。

 母の希望で10歳で神学校に入り将来は聖職者になるはずであったが、豊かな言語の才能に恵まれ、母語であるジョージア語の他にロシア語も話せるようになり、あらゆる本を読むようになった。その中で他民族の支配を受け続けるジョージア人の苦難の歴史を知り、民族主義者となり、ツァーリズムにも批判的な言動をするようになったため神学校を追放された。

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 グルジアはカフカス地方(コーカサス山脈の南麓)にあり、西を黒海に面している。

 2008年のグルジア紛争以降、反ロシア感情が高まったグルジアは、ロシア語の「グルージヤ」に近い国名表記でなく、「ジョージア」とするように各国に要望した。2009年に来日した同国外相は、日本にも国名変更を要請したが、日本政府はアメリカのジョージア州との混同の可能性もあり、変更には慎重だった。
 
 安倍首相はグルジアのマルグベラシビリ大統領と会談し、グルジアの国名表記を同国の要請に応じて英語表記に基づいた「ジョージア」に変える方針を示し、2015年に法改正されて公式にジョージアが用いられるようになった。

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左から黒海・臥牙丸・栃ノ心

 話は本題から外れるが、2004年1月場所で新入幕をはたし、大相撲初のヨーロッパ出身関取となった黒海は、最高位小結まで進んで2012年に引退した。黒海に続いてグルジアからの大相撲入門が続き、幕内力士も臥牙丸、栃ノ心と続いた。栃ノ心は2018年1月場所で優勝、7月場所でついに大関に昇進したが、在位7場所で大関から。栃ノ心は少年期のスターリンと似ているような気がするが……。

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若い頃のスターリン

 都会に出て労働運動にかかわるようになってからレーニンの著作を読んで感銘を受け、職業的な社会革命家になる道を選んだ。ストライキを指導して地下活動で頭角を現し、その活動を知ったレーニンは「奇跡のジョージア人」と呼んだという。その間、何度も官憲に捕らえられシベリア流刑になったが、何度も脱走に成功している。

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フィンランドのタンベレで初めてレーニンと会う(1905年)

 コーカサス地方のボリシェヴィキ責任者となったスターリンは、フィンランドで開催されたボリシェヴィキの会議に出席して初めてレーニンに会い、その行動力を認めたレーニンは彼を「鋼鉄の男」を意味するスターリンというあだ名で呼んだ。

 その名の通り、その後のスターリンはレーニンとボリシェヴィキの資金の獲得などの裏の危険な仕事をこなすようになり、故郷ジョージアでは銀行強盗を働いて大金を奪取することに成功した。さらに麻薬売人と手を組んで売春宿を経営したり、かなりきわどいことをしている。彼はそれらを革命のため、と正当化したが、さすがにレーニンから諫められて非合法の資金集めからは手を引いた。このような危険を顧みない行動力だけでなく、語学や文才もあり、演説でも人を惹きつけ、次第にボリシェヴィキの中枢をしめるのようになったのだった。

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流刑地でのスターリン

 その後も逮捕されてシベリア流刑となり、流刑地で第一次世界大戦の勃発、そしてロシア二月革命(三月革命)を迎える。ニコライ2世が退位、臨時政府が成立して恩赦によってペテルブルクに戻り、大歓迎を受けた。

 遅れて亡命先のスイスから封印列車でペテルブルクに戻ったレーニンは、ただちに戦争を内乱に!と呼びかけ、臨時政府を倒す武装蜂起の準備に着手、スターリンとトロツキーの二人が動き回り、遂に十月革命(十一月革命)を成功させ、スターリンは民族人民委員、トロツキーは外務人民委員を分担することとなった。(つづく)

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テーマ:歴史 - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2021/07/27 05:09 】

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