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なまぐさ坊主の聖地巡礼

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ホンジュン

Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
 毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。

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拉薩(ラサ)、標高3,650メートル!

8月5日(火)

 午前5時起床、6時にホテルを出て空港へ。毎日寝不足で、ふ~らふら。午前7時30分、いよいよチベット自治区の首都・拉薩【ラサ】に向けて出発。成都・拉薩便は午前7時20分を始発に、10分おきに4便もある。豊かになった中国人の国内観光ブームがおきているからだ。

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 えらく朝の早い便だと思われるだろうが、日中になって気温が上がると、空気が薄くなって揚力が下がり、飛行機が飛べなくなるそうだ。それもそのはず、ラサの標高は3,650メートル。富士山とほぼ同じ高さに位置するのだ。

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機上から望むミニヤ・コンカ峰

 飛行機は飛び立って20分もしないうちに大雪山脈にさしかかる。1934年、国民党に追われた中国共産党の紅軍は、中国南部の瑞金【ずいきん】から西北部の延安【えんあん】に拠点を遷した。長征【ちょうせい】と呼ばれるが、距離にして1,250キロ、地球の一周の約3分の1にあたる。その間に、紅軍は24の川を渡り、18の山脈を越えた。その一つが、7,556メートルのミニヤ・コンカ峰を最高峰として4,000メートル級の山々が連なる大雪山脈である。彼らは高山病や寒さ・飢えに苦しみ、時には自分の排泄物までをも食料として、この山脈を越えた行ったのだ。『中国の赤い星』を書いたエドガー・スノーは、2年以上におよんだ逃避行を「長征に比べれば、ハンニバルのアルプス越えは、休日のピクニックに過ぎない」と表現した。苦難の末に延安に到達した紅軍は、やがて国民党を破り、1949年に中華人民共和国を樹立する。その共産党が、今や帝政時代の官僚と何ら変わりない振る舞いをしているのは、歴史の皮肉である。

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 雲海から顔を覗かせる峰々を身ながら、そんなことを考えているうちに、1時間半余りでクンガ空港に到着した。夢にまで見たラサである。タラップを降りて、チベットの大地を踏みしめた。頬にあたる風が心地よい。

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 添乗員の奥村君は、とにかくゆっくり行動するようにと注意を促す。空気中の酸素濃度が地上の80%しかないのだ。確かに心臓の鼓動が少し速くなったような気はする。

王さん 

 空港で出迎えてくれた現地ガイドの李玉峰さん(なかなかのチベット美人だと思ったら、重慶の人だった)の案内で、バスでラサ市内へと向かった。バスはヤルツァンポ川の支流キチュ川沿いに走る。ヤルツァンポ川はチベット人にとって母なる川。遠くカイラスに源を発し、チベット高原を東に流れ、やがてプラマプトラ川と名前を変えて南流し、バングラデシュでガンジス川と合流する大河である。

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 川岸や、家々の屋上や岩山と、いたる所で五色の旗が風にはためいている。魔除けと祈りのためにかけられた、経文を記したタルチョと呼ばれる旗だ。タルチョが一度風になびけば一度読経したことになるのだという。五色は赤・白・青・黄・緑で、赤が火、白が雲、青が天空、黄が大地、緑が川を意味しているそうだ。

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 ラサへの途中、ネタンの磨崖大仏に立ち寄った。 岩に白い紙くずのようなものが貼りついているが、チベット文化独特のカタと呼ばれるスカーフである。 ファッション的な使い方ではなく、相手へ渡す事で心からの敬意を現すの為のもので、仏さんにもお供えする。

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 釈迦牟尼仏の高さは10メートル弱。日本の仏さんと違い極彩色に彩られており、なんとなくユーモラスなお顔だ。白いのはお香を焚くための献香炉。

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 ここの岩山にもタルチョがはためいている。

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 たぶん、真ん中が不動明王。左手は3面8臂だから、日本だと馬頭観音ということになるんだけど、馬の顔が見えない。右手はターラ菩薩かな?分かりませ~ん。

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 抜けるような青空に、ぽっかり浮かぶ白い雲。雲の影を映す岩山と、その懐に点在する緑の農地。チベットらしい車窓の風景に食い入るように見入っているのだが、いつしか睡魔が襲ってくる。ここ数日の疲れと酸欠状態のため、いやが上にも眠気をもよおすのだ。そこに「寝てはダメですよ」の声が飛ぶ。起きている間は身体が順応して高地での呼吸をするが、眠ることで地上での呼吸に戻ってしまい、血中酸素が不足して高山病を引き起こすのだそうだ。高山病にかかると、頭痛・倦怠感・食欲不振。吐き気といった症状が現れ、ひどい時には死に至る。昨日から予防のために「高原安」という、そのものズバリという名前の薬を飲んではいるが、やはり心配である。心配ではあるが眠い。雪山で遭難したパーティのように、お互いに「眠っちゃいかん」と励まし合いながら、1時間40分もかかってバスは漸くホテルに着いた。(つづく)

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【 2014/01/22 14:45 】

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