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なまぐさ坊主の聖地巡礼

プロフィール

ホンジュン

Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
 毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。

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ポタラ宮のトイレ

8月6日(水)

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 午後3時、いよいよ今回の旅のメインであるポタラ宮へ。

 ポタラ宮はマルポリ(チベット語で「赤い山」の意味)の南斜面に建つダライ・ラマの宮殿で、敷地面積は41ヘクタール(東京ドームの約9倍)、高さ117メートルもあり、垂直ベルサイユと称される。ブラッド・ピット主演の映画「セブン・イヤーズ・イン・チベット」でご覧になった方もおいでだと思うが、あれはアンデス山脈に造った偽物だそうだ。

ポタラ宮 

 ポタラ宮は1645年、ダライ・ラマ5世の時に建築が始まり、50年の歳月をかけて完成した。それ以来、300年にわたりチベットの聖俗両界の中心地であったが、1959年にダライ・ラマ14世がインドに亡命してからは主がいない。5つの宮殿の屋根は金めっきの銅瓦が葺いてあり、金色に耀き、気勢が雄偉である。

ダライ=ラマ14世

 チベットで一番偉い坊さんであるダライ・ラマ(ダライは「大海」、ラマは「上人」という意味)は観音菩薩の化身とされ、人々を救うために転生【てんしょう】を繰り返していると信じられている。現在の14世は本名テンジン・ギャムツォ。チベット北東部のタクツェルという小さな農村に生まれ、2歳の時に13世の生まれ変わりと認定された。

日光 

 観音菩薩が住んでいる浄土をポータラカというが、これのチベット訛【なま】りがポタラである。ところで、日本ではポータラカは補陀落【ふだら】と表記される。この補陀落が訛って「二荒」【ふたら】、これが音読され、ついで別の字が当てられて、「日光」となった。「日光見るまで結構言うな」の日光とポタラ宮はともに観音菩薩の浄土なのである。

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 息を切らせて長い階段を上り、ようやく入場口に到着。

看板 

 黒板に「通告。今年7月1日より8月15日までは入場料を50元とする」と書かれている。SARS騒ぎで観光客が減ったため、普段の半額にするというのだ。やったー、SARSも悪いことばかりではない、と一瞬喜んだが、よく考えてみれば、トラベルサライの必要経費が減るだけで、僕には何の関係のないことだと気がついた。

ダライラマ5世廟塔 
ダライ・ラマ5世廟塔
 ポタラ宮は宗教儀式が営まれた紅宮と、ダライ・ラマが政務を執り行った白宮をメインとした複合建築物で、その内部には1000以上の部屋があり、迷宮のように入り組んでいる。極彩色に彩られた部屋と長い廊下いっぱいに装飾された壁画、1万体にも及ぶ仏像、1万幅余りのタンカ(布に書かれた仏画)、立体マンダラなど、おびただしい数の宝物が収蔵されている。 中でも圧巻は歴代ダライ・ラマ9人のミイラが安置されている廟塔である。特に5世の廟塔は高さ12.6メートルもあり、3,721キログラムの黄金と1万点以上のダイヤ・瑪瑙【めのう】・翡翠【ひすい】・宝石・珍珠で飾られている。現在の金相場は1グラム4,300円だから、黄金だけで、ドヘー、160億円にもなる。

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 ガイドの李さんの流暢でかつ時々誤りのある日本語の案内で、狭い廊下を上がったり降りたりして、そのごく一部を見て回った。初めのうちは感心することしきりであったが、次から次へと目に飛び込んでくる目映【まばゆ】いばかりの仏像や廟塔は、500グラムのステーキを次から次へと出されて喰えと言われているようで、次第に気持ち悪くなった。

 と同時に、便意をもよおした。李さんにトイレの場所を教えてもらって、駆け込んだまではよかったが、入ってみてびっくり。

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汚い写真でご免なさい
 8畳敷きぐらいの部屋の真ん中にぽっかりと二つの穴が開いている。ただ、それだけである。どっちを向いて坐ればいいのかも分からない。まあ、どっちでもいいやと、股を開いて足場をつくって下を見て、またびっくり。

 何と最下層らしきところまで吹き抜けになっているのだ。つまり、このトイレは断崖絶壁に張り出して造られており、排泄物は30メートルも落下して、岩に激突する仕組みになっているのだ。小さい方だと、風に吹かれて霧状になり、虹がかかるかもしれない。二度と出来ない体験となりそうだ、と思いながら、おもむろにベルトを緩めた。と、そこへ中国人が入って来て、私の前に立ち、ベルトを緩め始めたのだ。中国人の男とお見合いしながら気張る気は毛頭無い。一挙に便意はどこかに飛んでしまい、這々の体でトイレを逃げ出した。

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 ポタラ宮を参観し十分に満足した後、午後7時より「火鍋」の夕食。火鍋は本来、重慶の名物料理で、要するに日本の「しゃぶしゃぶ」である。四川盆地の中央に位置する重慶は、武漢・南京と合わせて「中国の三大かまど」と呼ばれ、40℃を超す日もある。その暑い夏に、汗だくになりながら、唐辛子で真っ赤になった鍋をつつき、暑気払いするのである。成都では麻婆豆腐を優先したため、食べる機会がなく、ラサでの火鍋となった。

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 火鍋は普通、牛肉や羊肉がメインだが、ガイドの胥さんが連れて行ってくれたのは、「野山菌火鍋」。なんだかバイ菌みたいな名前だが、茸のことである。まあ確かに茸は菌類だから間違いないのだが、名前は余り美味そうではない。ところが、これが絶品。日本ではなかなか口に出来ない「松茸」や「編笠茸」をはじめ、名前の知らない茸がいっぱい。熱々のところを、唐辛子とごま油のきいたタレをつけていただく。

火鍋

 高地も二日目ということで、紹興酒も存分にいただいて、大満足であった。ウー、ゲップ。ごちそうさんでした。(つづく)




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【 2014/01/17 14:25 】

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