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なまぐさ坊主の聖地巡礼

プロフィール

ホンジュン

Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
 毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。

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法華経化城喩品第7 化城宝処の譬え

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 たとえば、男性出家者たちよ、ここに500ヨージャナ(1ヨージャナは約15㎞)に及ぶ荒野と森林があって、宝の島に行くために、人々の大集団がそこに入って来たとしよう。そして、それらの人々の中には、明晰で、博識で、賢明で、聡明で、荒野の難路に精通している一人の道案内がいた。その人が、その隊商を荒野から脱け出させるとしよう。

 その時、その人々の大集団は、疲れ果て、疲弊し、恐れ、おののいて、次のように言った。

 『さて、友よ、道案内の人よ、指導者よ、あなたは察知してください。実に私たちは疲れ果て、疲弊し、恐れ、おののき、不安になっているということを。やはり、私たちはみんな引き返させましょう。ここから、荒野と密林は極めて遠いところまで続いています』と。

 すると、男性出家者たちよ、方便に巧みであるその道案内の人は、それらの人々がそこから引き返したいと思っていることを察知して、次のように考えた。

 『実に、これらの苦悩している人たちが、あのように卓越した宝の島に行かないことがないように』

 
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 その道案内の人は、それらの人々を憐れんで巧みなる方便を用いた。100ヨージャナ、あるいは200ヨージャナ、あるいは300ヨージャナを過ぎ去って、その道案内の人がその荒野の中央に神力によって都城 とじょう化作 けさした。そこで、その道案内の人は、それらの人々に次のように告げるであろう。

 『あなたがたは、恐れてはならない。引き返してはならない。あれは、多くの人々の住むところである。あそこで、休息するがよい。あなたたちにやるべきことが何かあるならば、そのすべてを、あそこでやりなさい。あそこで安らぎに達し、あそこで休息して快適に過ごすがよい。さらに、やるべきことがある人は、あの卓越した宝の島へ行きなさい』

 すると、男性出家者たちよ、森林の中に入り込んでいたそれらの衆生は、不思議な思いにとらわれ、驚くべき思いを抱いて、『私たちは、荒野と森林から脱け出した。ここで安らぎに達し、快適に過ごすことにしよう』と考えるであろう。

 そこで、男性出家者たちよ、それらの人々は、神通力で作り出されたその都城に入り、とうとうたどり着いたという思いを抱き、荒野をやっと抜け出したという思いを抱いて、『安心した』『落ち着くことができた』と考えた。そこで、その道案内の人は、それらの人たちが十分に休息を取ったのを知って、神通力で作り出したその都城を消滅させるとしよう。消滅させた後で、それらの人たちに次のように言った。

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『衆生よ、あなたたちは来るがよい。その卓越した宝の島は近いのだ。しかしながら、この都城は、あなたたちの休息のために私が神力によって化作したものである』と。

 男性出家者たちよ、まさにこのように、正しく完全に覚った尊敬されるべきブッダは、あなたたちと、あらゆる衆生にとっての道案内なのである。そこで、男性出家者たちよ、正しく完全に覚った尊敬されるべきブッダは、次のように考えるのだ。

 『脱け出すべきであり、脱出し、立ち去るべきこの煩悩の森林は広大である。実にこれらの人たちが、ブッダの知は唯一であることを聞き、〈達成されるべきこのブッダの知は、多くの困難が伴っている〉と考えて、走って引き返すことがないように、ブッダの知に近づこうとしないことがないように』

 そこにおいてブッダは、衆生が薄弱な志を持っていることを知って、あたかもその道案内の人が、それらの衆生の休息のために神通力で都城を化作して、衆生が休息をとった後に、『実は、これは神通力で作り出された都城である』と語ったように、まさにそのように、ブッダもまた、衆生の休息のために卓越した巧みなる方便によって途中に二つの涅槃の境地、すなわち声聞の涅槃の境地と、独覚の涅槃の境地を教示し、説き明かすのである。
 
 男性出家者たちよ、それらの衆生がその二つの涅槃に留まっているならば。まさにその時、ブッダもまた次のように説き聞かせるのである。

 『しかしながら実に、男性出家者たちよ、あなたたちはなすべき義務を成し遂げたのでもなく、なすべき仕事をなし終えたのでもないのだ。けれども、あなたたちにとってブッダの知はここから近くにあるのだ。あなたたちが到達したと思っている涅槃は、真実の涅槃などではないということを観察し、熟慮するがよい。しかるに、男性出家者たちよ、真実の乗り物はただ一つであるのに三つの乗り物をブッダが説くということ、それは正しく完全に覚った尊敬されるべきブッダたちの巧みなる方便なのだ』と」(つづく)

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テーマ:仏教・佛教 - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2022/09/02 05:22 】

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