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なまぐさ坊主の聖地巡礼

プロフィール

ホンジュン

Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
 毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。

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仏のはからい 法華証明鈔①

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波木井の御影(身延山久遠寺蔵)

法華証明鈔ほっけしょうみょうしょう

弘安5年(1282)2月28日、61歳、於身延、和文

 日蓮は南条時光が大病で伏しているとの報を聞き、自らの病状も顧みず、筆をとってしたためたのが、この手紙である。末代悪世に『法華経』を受持する者は、過去に十万億の仏を供養した人であると釈尊が語り、それを多宝仏が「皆是れ真実」と証明し、十方の諸仏も証明したことだと述べ、その『法華経』を心中より信じてきて仏となるべき南条時光を悩ます鬼神を厳しく叱責し、直ちに南条時光の病を治せと命じている。

                  法華経の行者 日 蓮  花押

 末代悪世まつだいあくせに法華経を経のごとく信じまいらせ候者をば、法華経の御鏡

にはいかんがうかべさせ給ふと拝見つかまつり候へば、過去に十万億まんのく

仏を供養せる人なりと、たしかに釈迦仏の金口きんく御口おんくちより出でさせ給ひ

て候を、一仏なれば末代の凡夫はうたがいやせんずらんとて、ここより東

方にはるかの国をすぎさせ給ひておはします、宝浄世界の多宝仏、わざ

わざと行幸みゆきならせ給ひて釈迦仏にをり向ひまいらせて、妙法華経皆是真みょうほけきょうかいぜしん

じつ証明しょうみょうせさせ給ひ候き。

 この上はなにの不審か残るべき。なれどもなを球究末代の凡夫はをぼ

つかなしとをぼしめしや有りけん十万の諸仏をしあつめさせ給ひ

広長舌相こうちょうぜっそうと申して無量劫むりょうこうよりこのかたながくそらごとなきひろく

ながくおおいなる御舌おんしたを、須弥山しゅみせんのごとく虚空おおぞらに立てならべ給ひし事は、

おびただしかりし事なり。

 かう候へば、末代の凡夫の身として法華経の一字二字を信じまいらせ

候へば、十万の仏の御舌を持物たもつものぞかし。いかなる過去の宿習にてかか

る身とは生まるらむとよろこびまいらせ候上、経文は過去に十万億の仏にあ

いまいらせて供養をなしまいらせて候ける者が、法華経ばかりをば用ひま

いらせず候けれども仏くやうの功徳莫大なりければ、謗法ほうぼうの罪に依りて

貧賤ひんせんの身とは生れて候へども、又この経を信ずる人となれりと見へて

候。

 これをば天台の御釈おんしゃくに云く、〔「人の地に倒れてかえって地よりたつがご

とし」〕等云云。地にたうれたる人はかへりて地よりをく。法華経謗法

の人は三悪さんなくならびに人天にんでんの地にはたうれ候へども、かへりて法華経の

御手にかゝりて仏になるとことわられて候。

【現代語訳】

多宝如来の証明

                          法華経の行者 日 蓮  花押

 仏が入滅なされてのち、世も末となって濁った悪い事の多い世に、法華経を経文の通

りに信仰する人が、法華経の鏡にはどのように映って見えるかといえば、過去の世で永

い間に十万億の仏を供養した人があると、確かに釈迦仏が自ら法師品の中でおっしゃっ

ておられる。しかしただ一人の仏の言葉だということになると、末世の凡夫は疑いの心

を持つであろうと考えられ、ここより東の方へ遥かにいくつもの国を過ぎた彼方にある

宝浄世界の※ 1宝仏が、わざわざおいでになられ、釈迦仏とご対面なされ、「妙法蓮華経

はみなこれ真実なり」と証明なされたのである。

 こうした点から考えても、このうえ何の疑問も残らぬはずである。それなのになお末

代の凡夫は頼りないものとお考えになられて、十方の諸仏を召集なされ、※ 2
長舌相とい

って無限の長い昔から今日まで嘘を言ったことのない広く長い御舌を、※ 3
弥山のように

大空に向かって立てられた事は、非常に大事な意義をもったことであった。

 このような次第であるので、末代の凡夫の身として法華経の一字でも二字でも信じるな

らば、十方の仏の御舌(つまり法を)たもつことになるのである。私はどのような過去

の世からの因縁によって、このような有難い身として生まれてきたのかと悦んでいる次

第である。そのうえ経文によると、過去に10万億の仏に会いたてまつって、供養をした

功徳により、法華経だけを信用したわけではないが、仏を供養した功徳があまりに大き

かったので謗法の罪によって今生には貧しく身分の低い者として生まれたのであるが

またこのように法華経を信ずる人となったものとみえる。

 この事を妙楽大師の法華文句記会本では「人が地に倒れて、かえって地より起き上が

るようなものだ」と解釈している。すなわち地に倒れた人はかえってその地から立ち上

がるものである。法華経を謗った人は地獄・餓鬼・畜生の三悪道に堕ち、ならびに人・

天の間をさまよい地に倒れるけれども、かえってそれが縁となり法華経の御手に導かれ

て、ついに仏に成ることができるとおっしゃっておられるのである。(つづく)

【語註】
 
 ※1 多宝仏:
多宝如来のこと。宝塔品で大地から大宝塔に乗って湧き出し、法華経の
           説法が「皆これ真実である」と証明した仏。東方宝浄世界の教主。

 ※2 広長舌相:仏の身に備わる十二相のひとつで、うそいつわりを言わないことの現
      われとされる。神力品に説かれている。真実で虚妄のないことを証明する舌相で
          ある。
 
 ※3 須弥山:仏教の宇宙観で、この宇宙の中心をなす巨大な山のこと。頂上に帝釈天
           の宮殿があるといわれている。

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テーマ:仏教・佛教 - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2023/10/05 05:37 】

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