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なまぐさ坊主の聖地巡礼

プロフィール

ホンジュン

Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
 毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。

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命は第一の宝 四条金吾殿御返事

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波木井の御影(身延山久遠寺蔵)

四条金吾殿御返事しじょうきんごどのごへんじ
衆生所遊楽御書しゅじょうしょゆうらくごしょ


建治2年(1276)6月27日、55歳、於身延、和文

 南無妙法蓮華経と唱えることこそ最高の喜びであると述べ、苦しみにつけ、楽しみにつけ、題目を唱え続けることを勧めたもの。信仰生活のあり方が簡潔に示されている。

 一切衆生、南無妙法蓮華経と唱うるより外の遊楽なきなり。経に云わ

く「衆生所遊楽しゅじょうしょゆう(衆生の遊楽する所)」云々うんぬん。この文、あに自受法じじゅほうらく

らくにあらずや。「衆生」のうちに貴殿もれ給うべきや。「所」とは、一

閻浮提えんぶだいなり。日本国は閻浮提の内なり。「遊楽」とは、我らが色心・依

正ともに一念三千・自受用身の仏にあらずや。法華経を持ち奉るより外

に遊楽はなし。「現世安穏げんせあんのん後生善処gosyouzennsyo
」とは、これなり。

 ただ世間の留難来るともとりあえ給うべからず。賢人・聖人もこ

のことはのがれず。

 ただ女房と酒うちのみて、南無妙法蓮華経ととなえ給え。

 苦をば苦とさとり、楽をば楽とひらき、苦楽ともに思い合わせて南無

妙法蓮華経とうちとなえいさせ給え。これあに自受法楽にあらずや。

 いよいよ強盛の信力をいたし給え。恐々謹言。

建治二年丙子六月二十七日                                    日蓮 花押

四条金吾殿御返事
 


【現代語訳】

苦をば苦とさとるー唱題と遊楽

 すべての人にとって南無妙法蓮華経と唱えるほかに遊楽はない。法華経には、「わ

がこの土は安穏にして、天人常に充満せり。園林もろもろの堂閣、種々の宝をもって荘しょう

ごんし、宝樹花果多くして、衆生の遊楽する所なり」と示されている。この経文に、自ら

法悦を感ずることでなくてなんであろうか。この衆生の中に、あなたが漏れていないこ

とがあろうか。所とは、この世界である。日本国は世界の内にある。遊楽とは、私たち

の肉体も精神も住む国土もともに、永遠に命をとどめて衆生を救う仏の教えに自身が生

かされているということではあるまいか。だから法華経を信じ、たもつより外に遊楽はな

いのである。「現世安穏・後生善処」現世を安らかに、後生に仏となるというのは、

このことである。

 いかに世間の迫害が、自分の上にふりかかって来ようとも、とりあってはならない。

賢人・聖人と言われる人でも、迫害を受ける事から逃れられないのである。ただ、女房

と酒うち飲みて、南無妙法蓮華経と唱えなさるがよい。苦をば苦と悟り、楽をば楽と心

を大きくひらき、苦しみにつけ、楽しみにつけ、仏に心を思い合わせて南無妙法蓮華経

とうち唱えておられるのがよい。これこそ、法華経を信ずる法悦を自ら感受することで

なくてなんであろう。

 いよいよ強く、しっかりと法華経を信ずる力をもって励むがよい。恐々謹言。

建治二年丙子六月二十七日                     日 蓮 花押

四条金吾殿御返事

【解説】

 この手紙が四条金吾に送られた2年前の文永11年(1274)、日蓮が流罪の地・佐渡か

ら戻られたことに歓喜した金吾は、主君の江間氏を折伏しました。

 しかし、江間氏は日蓮に敵対する極楽寺良観の信奉者であったため、金吾は主君の不

興を買い、遠ざけられることになりました。さらに、同僚からの中傷もあり、金吾は江

間家の中で孤立し、命まで狙われる事態となりました。

 当時、金吾が「大難雨の如く来り候」と漏らしていることからも、大変苦しい状況に

置かれていたことがうかがえる。

 日蓮はこの手紙で、法華経如来寿量品の「衆生所遊楽」の文を引かれ、題目を唱えて

いくことが一切衆生にとって真実の遊楽であることを強調している。「苦をば苦とさと

り」唱題受持のうちに法悦を得る境地は、悲苦を通してこそ証悟し得る精神を明らかに

している。

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テーマ:仏教・佛教 - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2023/10/17 05:39 】

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