fc2ブログ

なまぐさ坊主の聖地巡礼

プロフィール

ホンジュン

Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
 毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。

カテゴリ

最新記事

fc2カウンター

Facebook

月別アーカイブ

最新トラックバック

最新コメント

リンク

検索フォーム

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

厄と功徳 日眼女釈迦仏供養事①

 ダウンロード
波木井の御影(身延山久遠寺蔵)

日眼女釈迦仏供養事にちげんにょしゃかぶつくようじ

弘安2年(1279)2月2日、58歳、於身延、和文

 37歳の厄除けのため釈迦仏の像を造った日眼女の功徳の大きいことを述べ、この釈迦仏を造った功徳によって、現在の災難をはらい、後生は仏になると述べた。厄年は今日、男25,42歳、女19、33歳(数え年)だが、当時は37、57歳も厄年としている。

 御守書きてまいらせ候ふ。

 三界のあじる、教主釈尊一体三寸の木像造立の檀那日眼女にちげんにょ。御供養の御

布施、前に二貫今一貫云云うんぬん

 法華経の寿量品に云はく、「〔或は己身こしんを説き、或は他身を説く〕」

等云云。東方の善徳仏・中央の大日如来・十方の諸仏・過去の七仏・三

世の諸仏、上行菩薩等、文殊師利・舎利弗しゃりほつ等、大梵天王だいぼんてんのう・第六天の魔

王・釈提桓因王しゃくだいかんにんのう日天にってん月天がってん明星天みょうじょうてん・北斗七星・二十八宿・五

星・七星・八万四千の無量の諸星、阿修羅王天神地神山神海神・

宅神・里神・一切世間の国々の主とある人、何れか教主釈尊ならざる。

天照太神・八幡大菩薩もその本地は教主釈尊なり。例せば釈尊は天の一

月、諸仏菩薩等は万水に浮かぶる影なり。釈尊一体を造立する人は十方

世界の諸仏を作り奉る人なり。譬へば頭をふればかみ(髪)ゆるぐ、心

はたらけば身うごく。大風吹けば草木しづかならず、大地うごけば大海

さはがし。教主釈尊をうごかし奉れば、ゆるがぬ草木やあるべき、さわ

がぬ水やあるべき。

 
【現代語訳】
釈迦仏造立の功徳と女人成仏

 お守りを書いて進呈いたします。

 ※ 1界の教主釈尊のたけ3寸の御木像を一体お造りになった檀那日眼女から、ご供養の御

布施として、前に銭二貫、今また銭一貫をお届けいただきました。お礼申し上げます。

 法華経の寿量品に「仏の教えは一切衆生の苦しみを除き、仏の道に導くためのもので

ある。だから仏は、あるいは仏の身を説いたり仏以外の身を説いたりし、あるいは仏の

身を示したり仏以外の身を示したりし、あるいは仏としての行ないを示したり仏以外の

ものの行ないを示したりして、いろいろな教化のしかたをする」と説かれています。し

たがって、東方無憂むう世界の※ 2徳仏も、中央にいらっしゃる大日如来も、広く十方世界の

諸仏も、遠く過去の世に出現された七仏も、さらに三世にわたる諸仏も、それから、※ 3

行菩薩ら本化地涌じゆの菩薩たち、※ 4殊師利のような迹化しゃっけの菩薩、舎利弗らの声聞、三界の

主である※ 5梵天王、欲界に君臨する第六天の※ 6王、忉利天とうりてんを支配する※ 7釈天、あるいは

※ 8天・月天・明星天・北斗七星・二十八宿・五星・七星をはじめとする八万四千の数え

きれないほどの諸星、その他、阿修羅王・天神・地神・山神・海神・宅神・里神といっ

た世界中の諸所の主となっていらっしゃる神々、それら諸尊のどなたが、教主釈尊の

※ 9迹でないことがありましょうか。わが国の祖神おやがみ天照太神や守護神八幡大菩薩もみ

なその本地は教主釈尊なのですよ。たとえば、釈尊は天空に輝く一つの月、諸仏諸菩薩

らはあちこちの水に浮かぶ月の影のようなものです。だから、釈尊のお像一体を造立す

る人は、十方世界に充満する諸仏をお作りする人に他ならないのです。たとえば、頭を

振れば髪の毛がゆれるでしょう。心が起これば体もそれにつれて動きます。大風が吹け

ば草木はざわざわと音を立てますし、大陸に地震が起きれば大海は波立ちます。それと

同じように、お像をお作りして釈尊に喜んでいただければ、諸仏・諸菩薩・天地神明の

すべてが、あなたを護るために腰を上げてくださらないはずがありましょうか。

(つづく)

【語註】

 ※1 三界:一切の衆生が輪廻転生する3つの迷いの世界。最も下が欲界で、食欲・淫
           欲などの欲望のさかんな世界。中間が色界で、欲望を離れたものの世界で清浄な
           物質より成る。最も上が無色界で、物質的なものがなく純粋に精神だけが存在す
           る世界である。三界はさらに25の世界(二十五有)に分けて説かれている。

 ※2 善徳仏:十方(四方と四維と上下)に遍満する仏の国のうちの、東方無憂世界
            の主である仏。

 ※3 上行菩薩:法華経・涌出品【ゆじゅつほん】で地から涌出した菩薩たちの4上
            首(上行無辺行浄行安立行の四菩薩)の代表。日蓮聖人は佐渡流罪以後、
            釈尊から末法濁乱【じょくらん】の世を救うべく依嘱された上行菩薩とは自分
            にほかならないという自覚を不動のものとした。

 ※ 4 文殊師利菩薩:釈尊の左脇に侍して仏の智・恵・証の三徳を司り、智恵の威徳
            を象徴する獅子に乗っている菩薩。過去世において日月燈明仏の弟子妙光菩薩
            であった時に、月日燈明仏の8人の王子を法華経によって順次教化・成仏させ
            たが、その第8子の燃燈仏が釈尊の師であったという。

 ※5 大梵天王:インドの思想で宇宙を創造した最高の神。仏教では色界初禅天の主
           で、帝釈天と並ぶ最高の守護神とする。

 ※6 魔王:魔の王。魔は魔羅【まら】の略で、人の心を乱し、善行を妨げ、不幸をも
           たらす悪鬼神。魔王は欲界第六天である他化自在天の主で、仏道に背き、人々を
           惑わす。

 ※7 帝釈天:釈提桓因と同じ。インドの雷神インドラが仏教にとり入れられ、大梵天
           王と並ぶ最も有力な護法の天神となったもの。漁利天の主で須弥山頂の善見城
        (喜見城)に住み、四天王を率いて仏法を外敵から護る。特に阿修羅王とは激闘を
          した。

 ※8 日天子・月天子・明星天子:それぞれ太陽・月・星を神格化したもので、総称し
          て三光天子と呼ぶ。日蓮は、法華経の行者の守護神として崇めている。

 ※9 垂迹【すいじゃく】:仏・菩薩が民衆を救うため、仮の姿をとって現れること。

↓ ランキング挑戦中  Brog Rankingのバナーをポチッと押してね!
スポンサーサイト



テーマ:仏教・佛教 - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2023/11/02 05:36 】

厄と功徳  | コメント(0)  | トラックバック(0)  |
<< 厄と功徳 日眼女釈迦仏供養事② | ホーム | 命は第一の宝 富城殿女房尼御前御書 >>

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 | ホーム |