なまぐさ坊主の聖地巡礼
プロフィール
Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。
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3月2日(日)
午前9時20分、ヒマラヤ遊覧飛行で天空を征したような気分になって、こんどは心を浄めるためボダナートへ。 カトマンズ渓谷にある高さ36メートルのネパール最大のストゥーパ(仏塔)だ。
このストゥーパはマンダラの構造をしている。4層の台座は地、直径27メートルの半円球のドームは水、西方を見据えるブッダの智慧の目が描かれた部分と13層の尖塔は火、その上の円形の傘は風、先端の小尖塔は空という、宇宙を構成する5大エネルギーを象徴しているんだって。地・水・火・風・空を「五大」とか「五輪」と言うんだけど、五輪と言ったってオリンピックじゃない。五輪と言ったら宮本武蔵の『五輪書』を思い浮かべる人もいると思うけど、その五輪だよ。
もともとこのあたりはタマン族と呼ばれた人々が住む静かな農村だった。かつてカトマンズとラサを結ぶヒマラヤ越えの交易が盛んだったころは、チベットからの商人や巡礼者は必ずこここに立ち寄って、無事にヒマラヤ越えが出来たことを感謝し、帰りには再び寄って旅の安全を祈ったそうだ。
ところが、1960年ころから多くのチベット人がこのあたりに住みつくようになる。なぜかって?1951年、人民解放軍がチベットに侵攻、「チベットは昔から中国の領土だった」という理由でチベットを制圧してしまう。このあと多くのチベット人が大量虐殺されていったんだけど、1959年に堪りかねたチベット人がついに蜂起する。しかし、中国はこれを徹底的に弾圧したため、ダライ=ラマ14世がインドに亡命した。この時に多くのチベット人がインドやネパールに亡命、ボダナートの周りにも多くのチベット人が集まって来て、だんだん賑わいを見せるようになった。だから、ボダナートの周りにはゴンパと呼ばれる僧院や土産物屋・喫茶店・宿屋などが軒を連ねている。ちょっとボダナートの周りを歩いてみよう。あっ、分かっていると思うけど、必ず右周りだよ。
屋根の上に法輪と「金色臥鹿」が金色に輝いているから、ゴンパ(僧院)だね。ちょっとチベット仏教の勉強してみようか。チベット仏教は昔ラマ教なんて呼ばれ、なんか怪しい宗教みたいに言われていた時代もあったけど、7世紀にインドから直輸入された正真正銘の正統派仏教。8世紀にインドから来た パドマサンバヴァ(グル・リンポチェ)が伝えたのがニンマ派(紅帽派)。13世紀にはサキャ派という派が力を持って、モンゴル帝国を懐柔することに成功。座主のパスパがフビライに国師として迎えられ、パスパ文字を作ったというのは世界史で勉強したよね。14世紀になると堕落したニンマ派にかわり、ツォンカパが戒律の厳しいゲルク派(黄帽派)を開いた。これが現在チベット仏教で一番大きな勢力となっていて、ダライ=ラマはゲルク派の座主なんだ。ボダナートの周りにはこのゲルク派・ニンマ派・サキャ派に加えカギュ派のゴンパもあって、チベット仏教の博覧会みたいになっている。時間があれば、1軒1軒ま覗いてみたいけどね。
マニ車があったので、廻してみる。マニ車については「チベット紀行」に詳しく書いたので、そっちを読んでね。
観光客が餌をやるから、やたらに鳩がいる。僕たちも餌を買って、鳩にあげる。これも功徳だよ。
両替商がいたので、5ルピー紙幣を200枚買った。買ったという表現はおかしいけど、正規のレートよりも高く手に入れたから、やっぱお金でお金を買ったんだよね。全部新券。何に使うかって?僕に教えられた生徒ならみんな分かってるよね。定期試験の成績優秀者にあげるご褒美だよ。これ貰った優秀な子は、これ読んでるかな。(つづく)
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