fc2ブログ

なまぐさ坊主の聖地巡礼

プロフィール

ホンジュン

Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
 毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。

カテゴリ

最新記事

fc2カウンター

Facebook

月別アーカイブ

最新トラックバック

最新コメント

リンク

検索フォーム

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

真の孝養と仏道をめざして 光日房御書⑥

 ダウンロード
波木井の御影(身延山久遠寺蔵)

光日房御書こうにちぼうごしょ

 又御消息に云く、人をもころしたりし者なれば、いかやうなるところ

にか生れて候らん、をほせをかほり候はんと云々。それ、針は水にしず

む。雨は空にとどまらず。蟻子ありを殺せる者は地獄に入り、死にかばね

(屍)を切れる者は悪道をまぬがれず。いかにいわんや、人身をうけた

る者をころせる人をや。ただし大石も海にうかぶ、船の力なり。大火も

きゆる事、水の用にあらずや。小罪なれども、懺悔さんげせざれば悪道をまぬ

かれず。大逆なれども、懺悔すれば罪きへぬ。所謂いわゆる、粟をつみ(摘)た

りし比丘は、五百生が間牛となる。うりをつみし者は三悪道に堕ちにき。

羅摩 らま王・抜提 ばつだい王・毗楼真 びるしん王・那睺沙 なごさ王・迦帝 かてい王・毗舎佉 びしゃやきゃ王・月光王・

光明王・日光王・愛王・持多人 じたにん王等の八万余人の諸王は、皆、父を殺し

て位につく。善知識にあはざれば、罪きへずして阿鼻地獄 あびじごくに入りにき。

波羅奈 はらな城に悪人あり、其名をば阿逸多 あいったという。母をあひ(愛)せしゆへ

に父を殺し妻とせり。父が師の阿羅漢 あらかんありて、教訓せしかば阿らかむを

殺す。母又、他の夫にとつぎしかば、又母をも殺しつ。つぶさに三逆罪をつ

くりしかば、鄰里 りんりの人うとみ(疎)しかば一身たもちがたくして、祇泹 ぎおん

精舎にゆいて出家をもとめしに、諸僧許さざりしかば、悪心強盛にして

多くの僧坊をやきぬ。然れども、釈尊にひ奉りて出家をゆるし給はり

にき。北天竺に城あり。細石となづく。彼城に王あり。龍印 りゅういんという。

父を殺してありしかども、後に此をおそれて彼国をすてて、仏にまいり

たりしかば、仏懺悔を許し給き。阿闍世あじゃせ王は、ひととなり(成)三毒

じょうなり。十悪ひまなし。其上父をころし、母を害せんとし、提婆達多だいばだった

を師として無量の仏弟子を殺しぬ。悪逆のつも(積)りに、二月十五

日、仏の御入滅の日にあたりて無間地獄くけんじごくの先相に、七処に悪瘡出生し

て、玉体しづかならず。大火の身をやくがごとく、熱湯をくみかくるが

ごとくなりしに、六大臣まいりて六師外道げどうを召されて、悪瘡をいやすべき

やう申しき。今の日本国の人々の禅師律師念仏者真言師等を善知

識とたの
みて、蒙古国を調伏し、後生をたすからんとをもうがごとし。

其上、提婆達多は阿闍世王の本師也。外道の六万蔵、仏法の八万蔵をそ

ら(諳)にして、世間・出世のあきらかなる事、日月と明鏡とに向ふが

ごとし。今の世の天台宗の碩学の、顕密二道を胸にうかべ、一切経をそ

らんぜしがごとし。此等の人々諸の大臣阿闍世王を教訓せしかば、仏に

帰依し奉る事なかりし程に、摩竭提まかだに天変度々かさなり、地夭ちようしきりな

る上、大風・大旱ばつ・飢饉・疫癘えきれいひまなき上、他国よりせめられて、

すでにかうとみえしに、悪瘡すら身に出でしかば、国土一時にほろびぬ

とみえし程に、にわかに仏前にまいり、懺悔して罪きえしなり。


 これらはさてをき候ひぬ。人のをやは悪人なれども、子、善人なれば

をやの罪ゆるす事あり。又、子、悪人なれども、親、善人なれば子の罪

ゆるさるる事あり。されば故弥四郎殿は、たとひ悪人なりともうめる母、

釈迦仏の御宝前にして昼夜なげきとぶらはば、いかでか彼人うかばざる

べき。いかにいわうや、彼人は法華経を信じたりしかば、をやをみちび

く身とぞなられて候らん。

【現代語訳】

罪と懺悔ー弥四郎の救い

 またお手紙に、弥四郎はかつて人を殺害した者であるから、後生はどのような所へ生

まれてくるのか御教示いただきたいとのことですが、針が水の中に沈み、雨が空中にと

どまらないように、蟻を殺した者も地獄に堕ち、死んだ屍体を切った者も地獄・餓鬼・

畜生の三悪道へ堕ちることから免れることはできません。まして、人間を殺したとすれ

ばなおさらのことです。しかし、大石も船の力を借りて海に浮かぶことができ、大火も

水の働きによって消すことがきるように、小さな罪でも悔い改めなければ必ず悪道に堕

ちますが、大きな罪を犯した人でも悔い改めればその罪は消えます。そうした例は大変

多くあります。憍梵波提 ※ 1 きょうぼんはだいは過去世に粟を盗んで牛が食べるように反芻したため、

500生のあいだ牛に生まれかわり、また瓜を盗んだために三悪道に堕ちた者もいます。

羅摩王・抜提王・
楼真王・那沙王・迦帝王・王・月光王・光明王・日光王・

愛王・持多人王などのインド古代の8万余人の諸王は、みな父を殺して王位についた者

ですが、人を導く高僧に会わなかったために、犯した罪を悔い改めることができず、つ

いに無間地獄に堕ちてしまいました。また波羅奈城(バラナシ、ベナレス)に阿逸多と

いう悪人が住んでいましたが、その母に恋慕をいだき、ついに父を殺し母を妻としまし

たので、父の師匠であった阿羅漢がこれを戒めたところ、その阿羅漢をも殺してしまい

ました。ところが母がまた他の夫に嫁いだところ、その母をも殺してしまいました。か

くて、殺父・殺母・殺阿羅漢の三逆罪のすべてを犯したために、近隣の人びとの排斥に

耐えることができず、祇園精舎へ赴き出家することを願いましたが、諸僧が許さなかっ

たので怒り狂った悪人阿逸多はついに多くの僧坊を焼き払ってしまいましたしかし、

釈尊にあい心から過去に犯した罪を悔い改めたので出家を許されたのです。また北イン

ドに細石という城があり、その王を龍印といいました。龍印は父を殺してその位につい

たのですが、後にその罪を恐れ国を捨てて仏のもとに赴き悔い改めたのでその罪を許さ

れました。また中インドのマガダ国の阿闍世王は、生まれつき貪欲とんよく瞋恚しんに愚痴ぐちの三毒

がきわめて強く常に十悪を犯しさらに父を殺し、母をも殺そうとしたばかりでなく、

悪人の提婆達多を師匠として多くの仏弟子を殺しました。こうした人並みはずれた悪事

が重なり、2月15日の釈尊の御入滅の日に、無間地獄へ堕ちる先相として身体の7ケ所

に悪瘡ができました。阿闍世王のその苦しみは全身を大火で焼き、熱湯を浴びせられる

ようでしたので、王に従う6大臣は当時中インドに勢力のあった6人の外道論師を招い

その悪瘡を治療するよう命じましたこれはあたかも、今の日本国の人びとが禅師・

律師・念仏者・真言師らを高僧と信頼して、蒙古国を調伏し、後生を助けてもらおうと

思っているようなものです。その上、阿闍世王の師である提婆達多は外道の六万蔵、仏

法の八万蔵をそらんじて、仏法の教えにも世間の学問にも明るかったことは、あたかも

日月や鏡に向かうようなものでした。今の天台宗の碩学が顕教・密教の二教に通じ、一

切経をそらんじているのと同じです。このような提婆達多や六師外道、6大臣が阿闍世

王を教導したため、阿闍世王は釈尊に帰依することもなく過ごすうちに、摩竭提国に天

変地異が続発し、大風・大旱魃・飢饉・疫病などが続きました。さらに他国から攻め寄

せられ、阿闍世王の身には悪瘡が出て、まさに国は滅びようとしたのです。しかし、阿

闍世王は深く前非を悔い、急ぎ仏の前におもむき懺悔したためにその罪も消えたという

ことです。

 これらのことはさておいて、親が悪人でもその子が善人ならば、親の犯した罪が赦さ

れることもあり、また子供が悪人でも親が善人ならば、子供の罪が赦されることもあり

ます。だから、亡くなられた弥四郎殿がたとえ悪人でありましても、生母の尼御前が釈

尊の御宝前で昼夜に弔われるならば必ず成仏いたしましょう。ましてや、弥四郎殿は生

前、深く法華経を信じていたのですから、今は成仏されてかえって親である尼御前を導

く身となられていることでしょう。(つづく)

【語註】

 ※1 憍梵波提:釈尊の弟子中で解律第一といわれ、戒律を理解することに秀でたと
           いう。

↓ ランキング挑戦中  Brog Rankingのバナーをポチッと押してね!
スポンサーサイト



テーマ:仏教・佛教 - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2023/12/02 05:38 】

真の孝養と仏道をめざして  | コメント(0)  | トラックバック(0)  |
<< 真の孝養と仏道をめざして 日房御書⑦ | ホーム | 真の孝養と仏道をめざして 光日房御書⑤ >>

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 | ホーム |