なまぐさ坊主の聖地巡礼
プロフィール
Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。
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ブッダを知りませんか?
小さいながらもカピラ国という一国の王子であり、だれしもが望む男の子も授かって、そと目にはシッダールタは幸福の絶頂にあった。ところがシッダールタの心はうつうつとして、ラーフラの笑顔を見てもひとつも心躍らず、深く人生の問題に悩んでいた。
そしてついに、29歳のとき、愛する妻も子も、王子としての地位も捨て、シッダールタは出家修行者となった。今でもインドにはサドゥーと呼ばれるヒンドゥー教の修行者がいる。
この写真、ネパールで出会ったサドゥーだけど、シッダールタもこのんな感じだったんかね。いや、これは観光客相手の偽サドゥー。もっと真面目な修行者だろう。
仏伝によれば、ある夜、シッダールタは奴僕のチャンダカとともに愛馬カンタカにまたがり城をあとにし、郊外のアヌーピヤ林で王子の衣を脱ぎ猟師の衣と交換し、髪を剃り落としてしまう。
「若く、髪黒々とたのしい青春にみちた人生の春、両親は納得せず、涙を流して泣き、嘆いたが、私は髪と鬚を剃りおとし、袈裟を身にまとい、家を出て家なき生活に入った。」(『中部経典』)
仏伝によれば、ある夜、シッダールタは奴僕のチャンダカとともに愛馬カンタカにまたがり城をあとにし、郊外のアヌーピヤ林で王子の衣を脱ぎ猟師の衣と交換し、髪を剃り落としてしまう。
「若く、髪黒々とたのしい青春にみちた人生の春、両親は納得せず、涙を流して泣き、嘆いたが、私は髪と鬚を剃りおとし、袈裟を身にまとい、家を出て家なき生活に入った。」(『中部経典』)
王舎城南城壁
髪を剃り落としたシッダールタはラージャガハへと向かった。ラージャガハはカピラヴァットゥから640キロも離れた、現在のビハール州ラジギールだ。今でこそ寂れた田舎町になってしまってるけど、当時はマガダ国の都として繁栄を誇る大都会だった。「ラージャ」は、みんなも知っているマハラジャのラージャで王さまのこと。「ガハ」は家のことなんで、漢訳仏典では王舎城と訳される。だけど、日本やヨーロッパのいわゆる「お城」とは違い、城壁で取り囲まれた都市のことで、今でも城壁の一部が残っている。シッダールタはわずか7日でラージャガハまでやって来たと伝えられているけど、托鉢しながら1日に90キロも歩くのは無理だよね。おそらくシッダールタのはやる心を後世の人が表現したくて7日にしたんで、実際には2週間ほどかかったんだと思うよ。
シッダールタは郊外のパンダヴァ山の洞窟を住まいとして修行生活を開始した。でも、ご飯を食べないと死んじゃうから、町へ出て托鉢をする。一軒一軒の家を訪ねては、ご飯をもらうわけだ。そんなシッダールタの姿を当時のマガダ国のビンビサーラ王が城の高殿から見つけて、家来にこう言った。
「汝ら、この人をみよ。美しく、大きく、清らかで、行いも具わり、眼の前を見るだけである。」(『スッタニパータ』)
当時、ラージャガハにはたくさんの修行者がいて托鉢をしてたんだろうけど、シッダールタはよっぽど目立ったんだろうね。家来に後をつけさせてパンダヴァ山の洞窟に住んでいることを知ったビンビサーラ王は、わざわざパンダヴァ山を訪ねてシッダールタとお話したんだって。
シッダールタは郊外のパンダヴァ山の洞窟を住まいとして修行生活を開始した。でも、ご飯を食べないと死んじゃうから、町へ出て托鉢をする。一軒一軒の家を訪ねては、ご飯をもらうわけだ。そんなシッダールタの姿を当時のマガダ国のビンビサーラ王が城の高殿から見つけて、家来にこう言った。
「汝ら、この人をみよ。美しく、大きく、清らかで、行いも具わり、眼の前を見るだけである。」(『スッタニパータ』)
当時、ラージャガハにはたくさんの修行者がいて托鉢をしてたんだろうけど、シッダールタはよっぽど目立ったんだろうね。家来に後をつけさせてパンダヴァ山の洞窟に住んでいることを知ったビンビサーラ王は、わざわざパンダヴァ山を訪ねてシッダールタとお話したんだって。
手塚治虫『ブッダ』
ビンビサーラ王はシッダールタに象の群を先頭とする精鋭な軍隊と財宝をあげるから自分の家来にならないかと提案する。当時マガダ国はパセナーナディ王のコーサラ国とインドの覇権をめぐって争ってたんで、シャカ族を味方につけようとしたんだ。この提案をシッダールタは次の言葉で一蹴する。
「わたくしはシャカ族の家から出家したのです。欲望をかなえるためではありません。諸々の欲望には患【うれ】いのあることを見て、また出離こそ安穏であると見て、つとめはげむために進みましょう。わたくしの心はこれを楽しんでいるのです。」(『スッタニパータ』)
けんもほろろに断られたビンビサーラ王はこんどは、シッダールタの身体や容貌を褒めそやし、道を求めることなんかやめて、戦車をもちいて四方を征服し、世界を支配する帝王となったらどうかと提案する。シッダールタの返事は?
「わたくしは王ではありますが、無上の真理の王です。真理によって輪をまわすのです。ー(だれも)反転しない輪を。」(『スッタニパータ』)
シッダールタ抱き込み作戦に失敗したビンビサーラ王は、悟りを開いてブッダとなられた暁には、もう一度ラージャガハに来て自分を導いてくれるよう頼んでお別れしたそうな。その日は6年後に訪れることになる。
シッダールタが道を求めて最初に訪ねたのが、ヴァイシャリー城外にいたアーラーラ・カーラーマ仙人。この仙人は弟子が300人もいた超有名な仙人だったらしいんだけど、無所有処定という境地を会得していた。無所有処定というのは、欲望をおさえて必要最低限のもので生活することに満足を覚えるように心を訓練する瞑想法によって到達する境地なんだって。ところがこの仙人の弟子となったシッダールタはあっという間にこの境地を体得してしまう。びっくりしたカーラーマ仙人は、「わしと一緒に瞑想塾の経営やらんか」と誘ったんだけど、こんなことやってても真の悟りは得られないと、シッダールタは彼のもとを去ってしまう。
次に訪ねたのがウッダカ・ラーマプッタ仙人。インドの二大叙事詩の『ラーマーヤナ』を知ってると思うけど、ラーマ王子ってヴィシュヌ神の化身だったよね。ラーマプッタというのは「ラーマの息子」という凄い名前なんだけど、この仙人が会得していたのが非想非非想処定。非想非非想処定というのは、思考によって作り上げられる観念が、「あるのでもなく、ないのでもない」という境地なんだけど、分かる?つまり、何かを心の中で想っているのでもなく、また想っていないのでもないという境地なんだけど、やっぱりよく分かんないよね。この訳の分からない境地もシッダールタはあっという間に体得してしまい、またも共同経営の話を持ちかけられたんだけど、彼のもとも去ることにした。
二人の仙人のもとを去ったシッダールタは、マガダ国中を遊行した後、ウルヴェーラーのセーナー村で苦行を開始する。(つづく)
二人の仙人のもとを去ったシッダールタは、マガダ国中を遊行した後、ウルヴェーラーのセーナー村で苦行を開始する。(つづく)
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