なまぐさ坊主の聖地巡礼
プロフィール
Author:ホンジュン
日蓮宗の小さなお寺の住職です。
なにしろ貧乏なお寺ですので、松井秀樹や本田圭佑で有名な星稜高校で非常勤講師として2018年3月まで世界史を教えていました。
毎日酒に溺れているなまぐさ坊主が仏教やイスラーム教の聖地を巡礼した記録を綴りながら、仏教や歴史について語ります。
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8月4日(日)
絨緞屋を出たのが11時20分。かれこれ1時間半もすったもんだしていたことになる。さあ、いよいよスレイマニエ・ジャーミィだ。スレイマン大帝はオスマン帝国全盛期のスルタン。スレイマンは古代イスラエルの王ソロモンのアラビア語形。46年の長期にわたる在位期間中、13度の遠征を行い、東はイラク・アラビア半島、西は北アフリカのアルジェリア、北はハンガリーまでをも支配下に入れ、ヨーロッパからは壮麗王の名で恐れられた。寵愛した皇后はロクセラーナという奴隷からのし上がった女で、政界の裏で暗躍する。
そのスレイマン大帝のためにミマール・シナンが1557年に完成させた巨大なるジャーミィ。シナンが生まれたカッパドキア地方にそびえるエルジェス山(3916m)の形を真似たといわれ、まさしく山のような建築物だ。夢枕獏の『シナン』では、スレイマン大帝がアヤソフィアよりも巨大なジャーミィの建築をシナンに命じる。しかし、シナンは、アヤソフィアはこの世の奇跡であり、あれよりも巨大なものを造ることは不可能であると答え、大きさ以外は全ての点でアヤソフィアに勝るものを建てると約束する。7年の歳月と、当時の最高技術を駆使し、59m×58mの床面に直径26.5mの円形屋根を乗せ、高さ53mの大ドームを仕上げた。中に入ると、まるで宇宙空間のいるような錯覚を覚える。まさに神アッラーの存在を証明するかのようである。ステンドグラスからさし込む光が美しい。
美しいといえば、その光をバックに立ち、ショールで髪を覆ったガイドのシネムさんも美しい。大きな声では言えないんだけど、彼女実はかなりの酒豪らしい。60°も度数のあるラクが好きで、胡瓜を肴に飲むそうだ。「酔った姿を見てみたい」なんて言ったら、「先生のくせに、何てこと言うの」と顰蹙をかってしまったが、イスラーム教徒が飲む姿はやはり見てみたいもんだ。イスラーム教では飲酒はむち打ち100回の刑ですぞ。マレーシアではビールを飲んだモデル女性にむち打ちの刑が言い渡されている。トルコ人の半分くらいが、むち打ちになるんじゃないの。それに、シネムさんスマートなんだけど、下腹がややむっちりしている(どこ見てんのよっ、て奥さんに怒られた)、酒の飲み過ぎでないの。
それに、シネムさんのお父さんは野生の豚を捕まえて食べるそうで、豚肉を食べることも勿論イスラーム教では厳禁。トルコではいい加減なイスラーム教徒が多いようだ。6月にイスタンブールで暴動が起きたが、エルドアン首相がアルコールの販売制限をしようとしたことも一因になっている。そりゃ、一度酒の味を覚えた連中から酒取り上げようとしたら、暴動起きて当たり前だよね。
それに、シネムさんのお父さんは野生の豚を捕まえて食べるそうで、豚肉を食べることも勿論イスラーム教では厳禁。トルコではいい加減なイスラーム教徒が多いようだ。6月にイスタンブールで暴動が起きたが、エルドアン首相がアルコールの販売制限をしようとしたことも一因になっている。そりゃ、一度酒の味を覚えた連中から酒取り上げようとしたら、暴動起きて当たり前だよね。
シナンのお墓がスレイマニエ=ジャーミィの一角にあると聞いていたので、シネムさんに案内してもらった。日本人のツアー客でシナンの墓参りを希望する人はいないと思うけど、どうしても訪ねてみたかった。シナン本人が設計した墓だそうだ。シナンはスレイマニエ=ジャーミィを建てた17年後、87歳の時に、エディルネにセリミエ・ジャーミィを完成させる。ドームの直径32m。わずか1mではあるが、ついにアヤソフィアの31mを超えたのだ。静かにシナンの墓に手を合わせ、心の中でシナンに聞いてみた。あなたは24歳の時にデウシルメ制度によって徴用され、キリスト教からイスラーム教に改宗させられましたが、本当にアッラーを信じていましたか?スレイマン大帝に命ぜられた時、アヤソフィアを超える建築は不可能と答えられましたが、ひょっとしたら可能だったのでは?勿論、答えが返って来るはずもない。
シナンの墓参りを済ませ、土産物屋でマグネットを買った(マグネットが好きですね)。紺地に金でアラビア文字が書かれており、たった3リラ(155円)。ただ、何が書いてあるのか、シネムさんや店の人に聞いても分からない。帰ってから調べたら、どうもスレイマン大帝のサインらしい。芸能人顔負けのサインです。今回の旅で一番良い土産になりました。(つづく)
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